2022年5月31日火曜日

FIREを目指す配当金生活ファンド保有銘柄一覧&ポートフォリオチェック【2022年5月末】

 米FRBによる0.5%毎の利上げが進み始め、景気減速が懸念されます。国内では社会主義政権が表面上は株主敵視政策を回避するような発言をしていますが、内容が伴っていないため先行きは不透明でしょう。

【2022年5月末時点のFIREを目指す配当金生活ファンドの状況】
 PF投資元本: ¥16,627,327
 PF利回り:  3.25%
 月額配当:  ¥45,041(サイドFIRE率43%、FIRE率21%)

 5月は決算がらみで売買が多めになりました。海外ETFについては益出しも行ったことから、原価ベースの利回りが低下しています。

・新規or再購入・追加購入銘柄
スプリックス(2800株→3300株)
 2023年9月期の中間決算の発表後、株価が急落しました。前期に湘南ゼミナール買収の関係で業績進捗が通常と異なっていた影響で、進捗率がコンセンサスを下回ったことが背景にあると考えられます。ただ、業績成長軌道は変わっておらず、新規出店も継続しているため、中長期的にはダブルバガーを狙える銘柄として継続保有中です。

ヒガシトゥエンティワン(600株→1500株)
 中期経営計画の上方修正や高配当の継続が発表された好財務銘柄のため買い増しを行いました。主要顧客の関電がエネルギー価格高騰に苦しんでいる点が懸念材料ですが、同じく主要顧客の日本生命は堅実な業績が見込まれます。また、3PL事業を中心に物流事業は市場拡大の恩恵を受けられるため、中期的に1.5倍~ダブルバガーを狙える割安成長株との位置づけです。株価が停滞するようであれば、更なる買い増しも視野に入るでしょう。

FB介護サービス(100株→0株→400株)
 決算直後にいったん売却しましたが、再び株価が低迷したこと、学究社の売却で現金を確保できたことから数量を増やして再購入しています。


・売却・一部売却銘柄
①学究社(600株→100株)
 業績は堅実な右肩上がりで、配当+優待利回りも高い安心できる銘柄です。ただ、東京圏の人口も中長期的には減少が避けられない中、新事業への取り組みもないため将来的には業績の落ち込みが懸念されます。相場暴落に備えた現金比率の引き上げ狙いもあり、100株のみ残して利益確定を行いました。

FIREを目指す配当金生活ファンドの保有銘柄一覧!
毎月1回、FIREを目指す配当金生活ファンドの保有銘柄や利回りを整理しています。利回りは原価ベース、保有比率は時価ベースです。
銘柄名をクリックすると、個別銘柄の紹介を見ることができます。


【日本株】78.6%(利回り3.35%)
東京個別指導学院 100 
学究社 100
イオンフィナンシャルサービス 1700 
オリックス 100 
スプリックス 3300
ジャックス 400
三井住友FG 200
イオンモール 100
三精テクノロジーズ 300
アルヒ 300
ヒガシトゥエンティワン 1500
FB介護サービス 400
伊藤園第一種優先株 100

【海外株】12.0%(利回り5.19%)
ARCCエイリスキャピタル 140 
PSECプロスペクトキャピタル 360 

【国内REIT】0.0%(利回り-%)

【海外REIT】1.0%(利回り5.12%)
SRET スーパーディヴィデンド世界リート 160

【現金(日本円・米ドル)】8.4%

 6月は3月末決算企業の配当入金が見込まれます。20万円程度を予定しており、労働による入金と併せてポートフォリオの現金比率拡大につなげたいです。

2022年5月24日火曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-割安高配当株の学究社(9769)

 ・学究社(9769)の事業内容

 学究社は、「ena」ブランドで集団塾・個別指導塾を展開しています。都立高校受験を強みとしており、堅実な経営という印象です。また、インターネット上の教育系掲示板「インターエデュ」も運営しています。

塾事業については、少子化に伴う規模縮小が懸念されます。都立高校受験が強みということで、関東の都市部に校舎がありますから少子化の影響が本格化するのは少し後とは思います。しかし、経営においても無理な成長を追求するのではなく、着実に利益を積み上げている印象です。塾事業を長年継続してきたノウハウも活かしながら、安定した事業を実施できていると言えるでしょう。共通テストオンライン授業への対応に期待して私立受験熱が高まれば都立高校受験市場が冷え込むこともあり得なくはないですが、都立高校には価格面でのメリットがあることや、これまでも安定した収益を上げてきたことから大きなリスクとは考えていません。

インターエデュ事業については、学究社の業績に占める割合は10%未満です。ただ、教育系の掲示板として一定の知名度があり、特に受験シーズンには多くの保護者などから書き込みが見られます。業績の足を引っ張る事業でもないため、今後も継続実施されることを望みます。 

学究社で懸念される点としては、事業展開している地域が東京西部に偏っていることと、塾事業の一本足打法に近いことが挙げられます。急成長が見込める銘柄でもないため、集中投資には適さないと言えそうです。というのも、災害リスク風評被害リスクなどで業績が急落する可能性は否定できないからです。学究社の堅実な成長を目指す姿勢は評価しているだけに、小規模でよいのでもう少し事業の多角化を進めてくれてもいいのかな、と思います。

・学究社はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.66%(2022年4月28日)

 PER=11.78倍

 配当性向=60%程度(2022年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=0.6倍程度

 利益剰余金÷当期純利益=2倍程度

配当利回りが高く、PERも標準的なため割安高配当株に該当します。FIREを目指す過程はもちろん、FIRE達成後も保有銘柄に入れておきたい内容です。配当性向がやや高めで、利益剰余金の余裕もあまり多くはないですが、業績が安定しているため過度な懸念は不要と考えています。また、2021年3月期からは配当を5円増額し年間65円配となっています。小幅ではありますが利益成長に応じて増配する姿勢は素晴らしく、FIRE達成後も保有する価値のある銘柄です。

成長性に関してはあまり期待していませんが、ひょっとするとインターエデュ事業が収益力を高められるチャンスがあるかもとは思っています。また、都立中高一貫校の増加などで中学受験部の業績が伸びることも考えられます。 中学受験事業の浮き沈みは合格実績に左右されやすいですが、enaは一定のシェアを持っており受験者数は確保できるため、他塾に合格実績を一気に奪われることはなさそうです。

FIREに向けた学究社の活用法

 学究社は安定した業績と安定した高配当に魅力があります。FIREを目指すにあたり、ポートフォリオの守りに繋がる銘柄として活用したいと思います。また、地道に業績を伸ばしているため、地味ではあっても増配や株価上昇にも多少期待できます。FIREの投資元本形成に役立つというよりは、成長株に投資が偏りすぎないように分散投資する役割を果たしてくれそうです。

また、+αの魅力としては、株主優待があります。100株で1000円のクオカードがもらえるので少しお得です。FIRE実現のためには株式投資を継続して楽しむ必要があり、株主優待は投資へのモチベーションを高めてくれるのでありがたいです。金額も大きすぎず高配当の方が魅力のため、学究社で仮に株主優待が廃止になった場合でも株価が暴落することはないでしょう。  

FIREを目指す配当生活ファンドは学究社に投資するか?

 保有数:600株→100株

 今後の方針:割安高配当株である限り継続保有

FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に学究社に投資しています。株主優待&高配当狙いで600株保有していましたが、現金比率を引き上げる目的で売却しました。優待+配当利回りが極めて高いため、100株は継続保有の方針です。株価・業績共に安定しているためFIREを目指す上で資産を安全に少し増やす効果が期待できます。

2022年5月22日日曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの利益額ランキング・損失額ランキング(2022年4月末までの確定損益)

FIREを目指す配当生活ファンドの損益ランキングを整理

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、大きな利益や損失を出した銘柄を記録に残しています。そこで今回は、ランキング形式で損益上位だった銘柄を整理してみました。

 損失額については、投資初心者の頃に値動きの激しい銘柄で大きな損失を出しています。売買頻度が今よりも格段に多く、苦労していた割にトータルでも成績は今一つでした。割安成長株など、株価の下値が限られる銘柄を厳選する重要性を痛感しています。

 利益額については、コロナショックの際に購入した銘柄が大半で、TOB対象となる幸運に恵まれた銘柄が1つ。現在保有中の割安成長株を利益確定できれば、このランキング上位に入ってくれるはずです。ただし、基本的にはダブルバガー狙いのため、損小利大を徹底したいと思います。

FIREを目指す配当生活ファンドの損失額ランキング

 損失額ランキングでは、1銘柄当たりの損失が10万円以上だった銘柄をピックアップしました。IPOセカンダリーや注目度が急上昇した銘柄を狙って大ダメージを受けた例です。大損失の銘柄が3銘柄しかなかった点は良かったと思います。

損失額ランキング1位:ユニフォームネクスト(3566)-36万9063円

 業務用の作業服などを提供している銘柄です。直近IPO銘柄として短期間での値上がりに期待しました。現在、損切りしたときより株価ははるか下ですので、一応損切りは正解だったということになります。PERが10倍台前半なので、利益は出せていますが、成長性への期待は損切り当時と同様あまり高まっていないのでしょう。

損失額ランキング2位:MonotaRO(3064)-22万4537円

 工具通販のAmazonとも言われ、株価が大幅上昇した銘柄です。注目度が高まってから購入し、多数の売買で多くの利益と多くの損失を出しました。トータルでは20万円ほど負けていたことに、この記事を書く際に集計して初めて気づくというダメっぷりです。

 株価は損切り時の2倍程度になっており、中長期保有していればダブルバガー第1号だったのですが...。割安成長株投資を徹底して、目先の値動きに心を揺さぶられすぎないようすべきですね。

損失額ランキング3位:ラクス(3923) -11万3239円

 既に事業内容を忘れていましたが、調べてみると経理などのクラウドサービスを提供している銘柄のようです。損失額1位に輝いたユニフォームネクストと同様、IPO直後に値上がりに期待して爆死という形です。FIREには堅実な投資が重要ですね。

 株価は損切り時よりはるか上で、ラクスもダブルバガー未遂です。しかも2021年中には5倍程度に上昇しており、投資先に対する信頼を持つことも大事だと痛感します。

FIREを目指す配当生活ファンドの利益額ランキング

 利益額ランキング上位も、10万円以上の利益確定をした銘柄を整理しました。コロナショック時に購入した銘柄がほとんどで、相場暴落を活かす重要性を再認識しています。全部で8銘柄で、損失額ランキングよりは数が多かったですが、投資額が小さく金額面では物足りない銘柄も多数...。

利益額ランキング1位:ウィザス(9696)+74万1600円確定&現在も保有

 ウィザスは教育系企業で、通信制高校「第一学院高等学校」が利益の柱です。「第一ゼミナール」等のブランドで塾事業も手掛けています。FIREを目指す配当生活ファンドでは現在でも主力銘柄であり、「PER修正×業績成長」でダブルバガー狙いです。

利益額ランキング2位:イオンフィナンシャルサービス(8570)+45万2540円確定&現在も保有

 イオンフィナンシャルサービスはコロナ禍で購入した銘柄です。配当が年間68円から大幅減配となってしまいましたが、株価も低迷していたため割安高配当株として復配と株価上昇を狙いました。

 多少配当水準が戻り、限定的ながら利益を出すことはできました。2022年4月時点でも継続保有していますが、配当がなかなか年間68円に戻ってくれないため、ダブルバガーには時間がかかりそうです。購入時の見通しと違うため、株価次第で早めの売却も検討中です。 

利益額ランキング3位:ノバレーゼ(上場廃止)+22万2060円

 投資初期に10万円以上の利益をあげた唯一の銘柄です。と言っても私の銘柄選択が優れていたわけではなく、TOBによって上場廃止になり利益が出ました。損失が積み重なっていた年で、損失額を大きくカバーしてくれるTOBに感謝したものです。 

利益額ランキング4位:スプリックス(7030)+19万0762円確定&現在も保有

 スプリックスは、「森塾」ブランドで個別指導塾を展開しています。出店攻勢を続けており、成長力のある銘柄です。ただ、成長性への期待感は中途半端なようで、株価は停滞気味...。中長期的にはダブルバガー以上を狙える銘柄として、長い目で継続保有していきたいと思います。 

利益額ランキング5位:日本リテールファンド投資法人※現:日本都市ファンド投資法人(8953)+17万9320円

  日本リテールファンド投資法人は、コロナショックでJリートが暴落した際に購入した銘柄の1つです。短期間で大きな利益を上げることができ、相場暴落を活かす重要性をひしひしと感じました。投資額が少なかったのがもったいないですね。先行き不透明な中で、不動産という実物資産を抱えるリートに多く投資した点は良かったと思います。

利益額ランキング6位:ジャックス(8584)+13万7700円確定&現在も保有

  ジャックスは金融事業を手掛けており、極端な割安高配当株として投資しました。コロナ禍後半での投資で、ショック時の投資ではないです。投資後も何度か増配が行われており、地道に利益確定を進行中です。 

利益額ランキング7位:三井住友フィナンシャルグループ(8316)+13万5100円確定&現在も保有

  超有名な金融グループです。割安高配当株でインカムゲイン狙いなのですが、増配姿勢を見せてくれることや、なぜか好相性のようで利益が出ています。この利益が吹き飛ばないよう、業績動向を注視しながら引き続きインカムゲインを積み上げたいです。 

利益額ランキング8位:ケネディクス商業リート(3453)+13万3600円

 ケネディクス商業リートも5位の日本リテールファンド投資法人と同様に、コロナショック時に売買しました。やはり投資額が小さかったですね。「恐慌が資産家を生む」の格言通り、「相場暴落がFIRE達成への道」と考えて、暴落に備えた現金は今後もしっかり確保したいです。 

2022年5月21日土曜日

FIREに必要な投資元本6000万円の貯め方3選。まずはサイドFIREの投資元本3000万円が目標に。

FIREに必要な投資元本は6000万円

 FIRE達成のためには、生活費を月20万円、4%ルール通りの利回りと想定した場合、6000万円もの投資元本が必要です。親からの相続や宝くじの一攫千金などが期待できれば良いですが、労働を苦痛に感じている人がこうしたチャンスに恵まれる可能性が高いとは言えません。

 しかし、FIREを目指して正しい方法を取れば、誰でも6000万円を貯めてFIREを実現できます。そこで、投資元本6000円の貯め方を3つ考えてみました。3つの方法のどれか1つを選んでも良いですし、組み合わせてより早期に労働からの解放を目指すのも良いでしょう。

FIRE資金6000万円の貯め方その1:キャピタルゲインで稼ぐ

 1つ目の貯め方は、投資家らしく投資で稼ぐ方法です。それも、キャピタルゲイン(株価の値上がり益)によって6000万円を狙う方法です。手元に一切資金がない人はできませんが、1000万円程度の貯蓄があれば、株式投資でキャピタルゲインを狙うことが可能です。1000万円程度の貯蓄が作れていない人は、「貯め方その3」の「労働収入を投資に回す」の項目を参考にしてみてください。

 キャピタルゲインで稼ぐといっても、チャートを見ての短期売買はハードルが高いです。投資で大失敗すればFIREが遠のき労働に縛られることになるため、信用取引も避けるべきでしょう。FIREを無理なく達成するには、確実性と迅速性のバランスを取ることが大切です。そこで狙いたいのが割安成長株と金融危機などの相場暴落です。

 割安成長株とは、PERが10倍程度以下と低く、売上や利益が右肩上がりの銘柄です。市場全体の成長が見込みづらい業種で光る個別銘柄が割安成長株の条件を見たい酢場合が多いです。キャピタルゲインの目安としては、ダブルバガー(2倍株)を想定しておくと良いでしょう。投資元本1000万円の場合、100万円で6銘柄程度に投資するくらいの集中投資がお勧めです。1銘柄がポートフォリオの10%を占めるくらいの集中投資が適度でしょう。

 ダブルバガーになる期間としては、2~3年以内を想定したいです。5年あれば600万円→1200万円→2400万円になることに期待できます。財務などにも注意し、想定が崩れた場合でも株価が暴落しない銘柄を選びます。必ずしも株価が2倍になるのを待つ必要はなく、1.5倍などから徐々に売却していくことも可能です。ただし、損小利大を徹底するため、売買頻度が多くなりすぎないように利益を伸ばすことは意識しましょう。

 割安成長株とあわせて活かしたいのが相場暴落です。リーマンショックやコロナショックの際には、業績に関わらず多くの銘柄で株価が急落しました。相場暴落時に売られすぎた銘柄を購入できれば、相場が元に戻るだけで大きなキャピタルゲインを得られます。私の体験談として、リーマンショック時は投資をしていなかったのですが、コロナショック時はJリートを多数購入し、1年以内に50%以上の利益を得られた銘柄が多数ありました。普段からポートフォリオに現金を10%から20%程度残すことを心がければ、暴落時にポートフォリオ全体の10%程度の利益を積み上げることは十分可能です。

FIRE資金6000万円の貯め方その2:インカムゲインを積み上げる

 FIRE資金を投資で貯める方法には、インカムゲイン(配当金収入)を積み上げる方法もあります。投資元本が1000万円を超えてくると、配当収入も軽視できない額です。配当利回り4%の場合年間40万円超を得られる計算になり、5年単利でも200万円です。実際には複利効果もありますし、他の方法で元本が増えればさらにインカムゲインも多くなるでしょう。

 FIRE資金を早期に貯めるには、インカムゲインよりキャピタルゲインが重要です。ただし、ポートフォリオに守りの銘柄を入れて置いた方が、心穏やかに投資に臨むことができます。強靭な精神力の自信がある方はキャピタルゲイン一本で良いですが、私は高配当株や優待株からのインカムゲインも着実に積み上げたいです。また、キャピタルゲインを狙う割安成長株からも副産物としてインカムゲインが入ってきます。

 ただし、インカムゲインだけでFIREに必要な6000万円に到達するのは困難です。資産が2倍になる年数の目安を計算できる「72の法則」によると、利回り4%で資産が2倍になるには18年かかります。1000万円→2000万円→4000万円となるのに36年かかる計算となり、労働から逃れられる頃には老人になっています。そのため、インカムゲインも計算に入れますが、FIREの種銭づくりの基本はキャピタルゲインと考えるべきです。

FIRE資金6000万円の貯め方その3:労働収入を投資に回す

 FIREを目指す人の多くは労働を苦痛に感じていると思います。しかし、苦痛だからと言って労働を完全に避けてしまうと、FIREへの道のりは険しくなります。特に投資元本が少ないうちは、収入を増やして支出を減らし入金力を高めることが極めて重要です。

 キャピタルゲインの項目でも触れましたが、FIREを目指すならまずは資産を1000万円にすることが大切です。生活費が月20万円の場合、手取り月30万円で最低月10万円は投資に回せるようにしましょう。先取り貯蓄はもちろん、無駄な通信費などの固定費を削減したり、住居費か自動車代のいずれかを大きくカットすることが重要です。

 月10万円を毎月入金すれば、8年程度で1000万円に到達できます。月10万円は最低ラインと考えて、追加で入金できるときはガンガン入金すべきです。FIREの早期達成には投資初期の入金力が極めて重要です。「5年で1000万確保、10年で3000万到達=サイドFIRE、15年で6000万到達=FIRE達成」くらいを目指すのが適度かなと思います。

 資産額が1000万円に到達した後も、月10万円ペースの入金は続けることが望ましいです。資産額2000万円でも月10万円の入金は年利6%で、インカムゲインより強いです。労働を削減するのは、金融資産3000万円以上のアッパーマス層に入り、サイドFIREを実現できてからにした方が良いでしょう。

2022年5月20日金曜日

FIREに向いている投資は日本株?米国株?不動産投資?

FIRE達成には何に投資すべきか?

 FIRE達成には投資元本6000万円を貯めて、4%利回りを確保することが必要です。この道筋は様々ですが、労働だけで貯めるのは難しく、投資で利益を得るのが基本でしょう。では、FIREを目指す個人投資家は何に投資すべきなのでしょうか。

 パッと思いつく投資先としては、日本株、米国株、不動産投資、投資信託が挙げられます。これらをうまく組み合わせることで、できるだけ確実かつ早期にFIREを実現したいものです。そこで、主な投資先ごとにFIREを目指す方法について考えてみました。

日本株投資でFIREを目指す方法

 日本株投資でFIREを目指す方法は、最も取り組みやすいです。日本株の情報は日本人が一番把握しやすいため、海外投資家よりも有利です。機関投資家が投資対象としない中小型株でも企業HPや投資情報サイト、各種ブログなどで情報収集がしやすいため、中小型株・割安成長株でキャピタルゲインも狙うことができます。

 また、高配当株に投資してインカムゲインを積み上げる投資手法でも、減配に繋がるリリース等に迅速に気付くことができます。FIRE達成後も日本株に投資しておくことで、資産を守りやすくなると言えるでしょう。

 一方、日本株投資には懸念材料もあります。まず、日本は海外と比べて低成長なため、株価も低迷する可能性があります。経済全体の成長による恩恵を受けられるアメリカ株の方が良いとする意見もあるくらいです。しかし、日本株の中でも成長力のある銘柄はあるため、日本語で多くの情報を得られるメリットを活かせば、日本株でもキャピタルゲインを狙うことは十分可能です。

 もう1つの不安要素としては、為替リスクです。日本株投資だと円安が進んだ場合に輸入物価が高騰して家計が苦しくなります。FIREの前提となる支出月20万円が膨らむ上、企業もコスト高により業績が悪化して株価下落や減配のリスクに要注意です。この点は日本株によるFIREの弱点なので、ドル建て資産もある程度保有すべきだと思います。

米国株投資でFIREを目指す方法

 米国株投資でのFIREは、FIRE発祥の地アメリカの成長力に投資する手法で、一番簡単そうに思えます。実際、アメリカではITバブル崩壊やリーマン・ショックを乗り越えてS&P500やNYダウは大きく上昇してきています。

 ただ、個別の米国株に投資する方法はFIREを目指す上でオススメできません。まず、企業の情報を得にくい点が挙げられます。実際にアメリカで生活していないため、アメリカ市場で各企業がどのような立場なのかをイメージしづらいです。また、英語での開示情報が多く、日本語での開示が中心の日本株と比べて得られる情報が限定的です。そのため、日本人が米国株投資でキャピタルゲインを狙うのは、確実性の点で日本株に劣ると考えます。

 ただし、日本株の項目で述べたように、ドル建て資産を保有することも大切です。そのため、米国株の高配当ETFに投資してみましょう。SPDRなどの高配当ETFがオススメです。高配当ETFに投資することで4%以上のリターンを確実に得ると同時に、相場暴落時に多く購入することで、キャピタルゲインもある程度狙うことができます。FIREを目指す際は、米国個別株ではなく米国株の高配当ETFを暴落時に狙うことが理想です。

不動産投資でFIREを目指す方法

 不動産投資でFIREを目指したいという人もいるでしょう。しかし、不動産投資は手間がかかる上、1物件当たりの費用が高額なため投資ではなく事業に分類すべきと思います。そのため、マンションを買って大家さんになるといった形の不動産投資は、FIREを目指す個人投資家は避けるべきです。

 ただし、不動産投資を小口で行う方法があります。Jリートへの投資です。Jリートは株式と同じように市場で売買できるため、流動性が高いです。また、10万円程度から投資できる銘柄も多く、投資対象も住居のほかに物流施設やホテル、ヘルスケア施設など多様です。Jリートは利益のほぼ全額を分配するのが一般的なため、インカムゲイン狙いの投資に適しています。

 注意点としては、キャピタルゲインを得やすいのは相場暴落時に限られることと、金利が上昇した場合に利益が圧迫されることがあります。ただ、日本の金利がアメリカのように高水準になることは考えづらいため、3000万円を確保してサイドFIREが可能になればJリートをポートフォリオに組み入れるのも良いと思います。

投資信託のつみたて投資でFIREを目指す方法

 投資による資産形成やFIREに興味があるものの、個別銘柄の売買には自信がない人もいるでしょう。投資初心者でも安心して取り組みやすいのが投資信託のつみたて投資です。つみたて投資についてはつみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇策も取られており、老後2000万円問題を解決するためにも興味がある人は多いでしょう。しかし、FIRE実現につみたて投資を選ぶのは今一つだと思います。

 というのも、つみたて投資はあくまでも中長期的に着実に資産を形成する方法だからです。定年までに2000万円貯めたいといったニーズには合いますが、労働が苦痛なので早期リタイアしたいFIREを目指す個人投資家には時間がかかりすぎます。つみたて投資でのFIREは、年収1000万円以上稼げるサラリーマンなど入金力にかなり自信がある場合に限った方が良さそうです。

日本人のFIREには日本株+米国株ETFがオススメ

 不動産投資はハードルが高く、つみたて投資は時間がかかりすぎるため、FIREには適しません。日本人のFIREには、日本株での個別株投資と、米国株高配当ETFの組み合わせがオススメです。

 サイドFIREの投資元本を形成する段階(1000万円→3000万円)は、日本の中小型株で割安成長株を探し、キャピタルゲインを狙う投資が軸になります。そのため、「日本株60:米国株ETF20:現金20」ぐらいの比率が良いでしょう。

 サイドFIRE達成後~FIREを目指す段階(3000万円→6000万円)は、インカムゲインの額も大きくなり守りの要素も大切になってきます。そのため、「日本株40:米国株ETF40:現金20」のように米国株ETFに資金をシフトすべきです。資産額3000万円達成の際に日本株で売却益を出すと思うので、受け取った現金を米国株ETF投資に回すと良いでしょう。

2022年5月19日木曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-ヒガシ21(9029)

 ・ヒガシ21(9029)の事業内容

  ヒガシ21は物流関連事業を中心に手掛けています。関西企業ですが関東エリアでも事業展開しており、主要顧客は関西電力・日本生命です。

 物流事業については、関電や日生の需要が大きいです。関電については資源価格高騰の影響を受けて業績悪化が懸念されており、需要減に注意が必要です。日生については、業績好調な金融銘柄ということで問題ないでしょう。ただし、両企業への依存度が大きいことは、ヒガシ21の懸念材料です。

 また、陸運系の物流というと、「トラックでA地点からB地点まで物資を運ぶ」イメージが強いと思います。しかし、ヒガシ21はビル内の物流など、細部の物流も行っています。そのため、顧客との関係性をしっかり構築できれば、中長期的にストックビジネスに近い形で安定した収益を得られる可能性があります。

 物流事業では、物流業務全体を受託する3PL事業も成長性に期待できます。インターネット通販の増加などもあって物流市場は成長を続けています。日本では縮小傾向の市場も多いですが、ヒガシ21のように成長市場で十分な実績を誇っていれば、企業の業績成長へにも期待大です。

 他には、オフィス移転業務も実施しています。テレワークが進む中でオフィス需要の減少も懸念されますが、規模縮小の過程でオフィス移転が増加すれば、ヒガシ21には追い風となるでしょう。

 また、PCキッティング事業も手掛けており、ギガスクール構想の恩恵を受けることができます。日本企業はまだまだIT化が遅れているとされており、今後も各組織でIT機器の導入が進めば、PCキッティング事業の成長に期待できます。

 

・ヒガシ21はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.02%(2022年5月18日)

 PER=7.61倍

 配当性向=30%程度(2023年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=1.5倍程度(2021年3月実績)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍以上

 ヒガシ21は配当利回りが4%超、PERが1ケタと割安です。配当性向にも無理はなく、財務も良好なので割安高配当株とみることもできるでしょう。ただ、FIREを目指す配当生活ファンドでは、ヒガシ21を割安成長株と認識しています。

 というのも、配当性向が30%程度で、高配当株だと50%以上は欲しいです。また、3PL事業などで拠点を新設しており、成長意欲が見られます。実際、高配当の背景には業績伸長に伴う増配があるので、ヒガシ21はキャピタルゲインを狙える割安成長株としています。 

FIREに向けたヒガシ21の活用法

  ヒガシ21は堅実な成長に期待できる銘柄と考えます。財務良好で配当利回りも高いことから、インカムゲイン・キャピタルゲインの双方に期待できるでしょう。ただし、新興企業ではないため、短期間で業績が急成長することは考えにくいです。数年で1.5倍~2倍程度の株価になり、FIREに必要な6000万円確保に貢献させると良いですね。

 FIRE達成後もヒガシ21が安定した業績を継続できそうであれば、高配当株として継続保有するのも一案です。これからFIRE資金6000万円を貯める段階では、高配当株ではなく割安成長株として捉えようと思います。 

FIREを目指す配当生活ファンドはヒガシ21に投資するか?

 保有数:1500株(100万円程度)

 今後の方針:2~3年で株価1.5倍目標。割安感強まれば買い増し

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、2023年3月期の業績見通しが堅実であったことを踏まえて、ヒガシ21を買い増ししました。保有額は100万円弱となっています。

 割安成長株ではあるのですが、ダブルバガーではなくもう少し小さな利幅を想定しています。キャピタルゲインの期待がやや物足りないですが、インカムゲインに期待でき、守りの性格も持った銘柄ということで許容範囲です。

 相場全体が暴落するなどでヒガシ21も割安になった場合は、最大200万円程度まで買い増しすることも検討します。目安としては、ダブルバガーが狙える水準になったあたりですね。 

2022年5月18日水曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-グローバル高配当リートETF(SRET)

 ・グローバル高配当リートETF(SRET)の特徴

  グローバル高配当リート(SRET)は世界のリートに分散投資する高配当ETFです。リート自体が高配当な投資商品ですが、その中でも特に分配利回りが高い銘柄を厳選します。

 そのため、SRETも分配利回りの高さが魅力です。税引き前だと6%台の分配利回りをドル建てで受け取れるため、インカムゲインの確保と通貨分散の両方に役立ちます。

 リートについては、Jリートが銘柄数も多く投資しやすいです。しかし、日本の不動産価格が中長期的に上昇するかどうかは不安であり、アメリカなど経済成長が続く国のリートに投資した方が安心でしょう。アメリカのインフレ率が日本のインフレ率を上回っていれば、その分の利益を得ることも可能です。個別銘柄への投資は難しいですので、SRETのような高配当リートETFを通じて投資できるのはFIRE投資家にとってありがたいです。

 SRETは投資口価格が小さく、10ドルを下回っています。少額でも投資しやすいため、FIREに向けてBDCのようにスパイス的にポートフォリオに加えておくのも良いでしょう。PFFやVYMなどの高配当株ETFと同様に、インカムゲイン狙いの分散投資先として活用することもできます。 

・グローバル高配当リートETF(SRET)FIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=7.25%(2022年5月16日)

 経費率=0.58%

 分配頻度=毎月

 グローバル高配当リート(SRET)は、配当利回りが7%超と極めて高いです。日本から投資する場合、海外の10%と日本の20%の税金が二重課税されてしまいますが、それでもインカムゲイン目安の4%を大きく超える水準です。経費率がVYMなどと比べて少し高いですが、定番の高配当株式系ETFと比べてリート系が少し高くなるのは許容範囲でしょう。

 また、毎月分配型の高配当ETFのため利回りの低下リスクに早期に気付くことができます。実際、コロナ前の2018年頃から分配金は減少傾向にあり、コロナショックで急減しました。その分投資口価格が割安になったため配当利回りは高いです。コロナ後は分配金が毎月0.05ドルで安定してきており、ひとまずは高配当が継続されていると言えます。 

FIREに向けたグローバル高配当リートETF(SRET)の活用法

  FIREを目指す上では、米国高配当株ETFへの分散投資も行います。SRETについてはリートのETFですが、PFFやSPYDと同様に高配当ETFとして活用することができるでしょう。

 SRETは株式型の高配当ETFと比べて利回りが高いため、インカムゲインを積み増したいときにもオススメです。ただし、保有額が大きくなると不動産ショックの際に大打撃を受けますので、PFFやSPYDなどに分散投資する保有比率と同程度の保有にとどめるべきです。 目安としては、ポートフォリオの5%程度が良いかなと思います。

FIREを目指す配当生活ファンドはグローバル高配当リートETF(SRET)に投資するか?

 保有数:160株

 今後の方針:相場暴落時に買い増し

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、SRETを160株保有しています。時価ベースで20万円弱と保有比率はわずかです。

 基本的には、PFFなどの米国高配当株ETFと同様に、相場暴落時に買い増したいと考えています。コロナショック時に160株購入し、その後も割安なうちに買っておこうと考えていましたが、早期に株価が回復したため保有比率が低い状態となっています。

 リートは資金を借り入れて不動産を購入する仕組みのため、金利上昇が逆風となります。アメリカではFRBが急速に政策金利を引き上げていますので、リート価格も下落が予想されるでしょう。金利上昇やテーパリングでSRETが暴落すれば、積極的に買い増ししてFIREを支えるインカムゲインを積み増す方針です。

2022年5月17日火曜日

FIREを目指すなら現金+優待株活用で大暴落時のリスクヘッジを

FIRE実現には割安成長株一辺倒ではハイリスク

 FIREに必要な資産額は、4%ルール&生活費月20万円の場合で6000万円にもなります。20代や30代でFIREを達成するためには、労働収入で6000万円の投資元本確保は困難です。そのため、ダブルバガーを狙える割安高配当株への集中投資が軸となります。

 しかし、割安成長株といっても、相場全体がリスクオフになった場合は株価が急落するリスクが高まります。株価下落でFIREから遠ざかると、労働を苦痛と感じる個人投資家の心理に大ダメージです。

 20代~30代でのFIRE実現には、投資を10年程度は継続する必要があります。そのため、割安成長株投資を行いつつ、優待株や現金も活用してリスクヘッジを行いましょう。信用取引などはもっての他です。

優待株は金融危機などの相場暴落に強い

 優待株は、株主優待に魅力を感じる個人投資家の保有比率が高いです。人気の優待株には、オーナーズカードでキャッシュバックが受けられるイオンや、カタログギフト優待がもらえるオリックス、沖縄セルラー電話などがありますね。

 金融危機などの相場暴落が発生した場合、機関投資家からの売りが殺到します。ところが、優待株は株主優待を手放したくない個人投資家が継続保有するため、下値が限定的です。FIREを目指す配当生活ファンドの含み損を抑制できます。

 また、相場暴落時には、優良株でも大きく下落することが多いです。株価下落幅が小さい優待株を売って、大きく下げた優良株の復活を狙う投資も可能です。優待株は、相場暴落時に換金しやすい銘柄としても活用できます。

 ただし、株主優待の廃止や改悪には注意が必要です。有名な優待改悪・廃止の例としては、ビレッジバンガードや吉野家ホールディングス、JT(日本たばこ産業)などが挙げられます。いずれも個人投資家に人気の優待株だっただけに、優待利回りの低下と株価下落リスクが痛い改悪・廃止です。

 そのため、優待株選定の際には、純利益に対して優待コストが大きすぎないかを確認すべきです。時価総額の小さい銘柄が多くの個人投資家に人気の優待を提供している場合は要注意ですね。オリックスのように、個人投資家を大切にするべく優待改悪は全く考えていないと発信する優待株を狙うのも一案です。

優待投資家として超有名な桐谷広人さんも優待株で生き延びる

 優待株には、食料品や飲食割引券を贈る銘柄も多いです。例えば、日本マクドナルドHDや吉野家HDなどは自社クーポン券、伊藤園第一種優先株なら自社飲料がもらえます。株価が低迷して個人投資家の生活が苦しくなる場面では、株主優待品で生活コストの一部を賄うことが可能です。

 実際、優待投資家として有名な桐谷広人さんは、リーマン・ショック時の相場暴落で生活が苦しくなったそうですが、優待品のレトルトカレーなどを食べて凌いだそうです。桐谷さんのような億り人でないと現金を使わない生活は無理ですが、優待株を生活コスト削減に使えるのは安心材料ですね。

 また、優待株はFIRE達成後に4%利回りを確保する上でも役立ちます。FIREに必要な6000万円を分散投資するには多くの銘柄をチェックする必要があるためです。FIREの投資元本6000万円を貯める過程で、分散投資に役立つ優待株の情報を頭に入れておくと良いでしょう。

FIRE大失敗のリスクヘッジに優待株+現金を活かそう

 FIREを目指す20代・30代は労働を苦痛と感じている人が多いです。そのため、投資に大失敗してFIREが実現不可能となると、労働の苦痛がよりひしひしと感じられると思います。FIREへの道のりが少し長くなっても良いので、優待株+現金を活かしてリスクヘッジしておくと良いでしょう。

 現金比率については、10%~20%を目安と考えています。相場暴落時でも10%は残し、相場が堅調な時は入金力やインカムゲインを積み上げて20%にしたいです。現金比率が20%程度あれば、相場暴落時に優良株や米国高配当株ETFなどでキャピタルゲインを狙えます。

2022年5月16日月曜日

FIREに必要な投資元本は何万円?サイドFIREの場合も計算してみました。

 FIREに必要な投資元本は何万円か?

 FIRE(Financially Independent REtirement)はアメリカ発祥の考え方ですが、日本でも若年層を中心にFIREを目指す人が増えてきています。高校での投資教育も始まったことですし、日本でも株式投資に関心を持ち、FIREを目指す人がさらに増えるでしょう。そこで考えておく必要があるのは、FIREに必要な投資元本は何万円か?という問題です。

 FIREを達成するためには、生活費の抑制投資元本の確保ポートフォリオ利回りの向上が大切です。そこで、FIRE後の生活費の金額やポートフォリオ利回りについて検討してみました。サイドFIREの場合も後ろに記載していますので比べてみてください。

FIRE後の生活費は月何万円が目安?

 私は、FIRE後の生活費は極力抑えたいと考えています。FIREの目的が労働からの早期解放であり、贅沢な生活を望んでいるわけではないからです。とにかく労働から脱却したい、との思いで日々FIREに向けた投資に励んでおります。目安となる月々の生活費は以下のように考えています。

 住居費:11万円/月

 年金・住民税・保険:3万円/月

 食費:2万円/月

 電気・ガス・水道:1万円/月

 娯楽費・雑費:1万円/月

 予備費:2万円/月

 合計:20万円/月

が私の場合の試算です。住居費がかなり高いですが、在宅時間が長いため自宅の立地はあまり妥協する気がないためです。苦痛を避けたいのがFIREを目指す理由なので、苦痛をしのんで気に入らない住居には住むようでは意味がありません。その分、水道光熱費や娯楽費が抑えられる他、自動車などの車両は絶対に保有しません。通信費は楽天モバイルなどで無料に抑えられる他、現住居ではインターネットを低価格で利用できています。人と多く関わることを好まないため、交際費も発生しません。住居費は平均的なFIRE投資家よりかなり高く、固定費削減の観点からはダメですが、他の費用が異常に低い生活スタイルのため、許容範囲と思います。交際費や自動車代がかかる方は、その分住居費を抑えて支出合計が月20万円以内になるように工夫してみると良いと思います。

 この試算については、FIRE後に努力してこうしたいというものではなく、今の生活から労働を除いた場合に税金などが減ってこうなるという計算です。食費はもう少し安いのですが、ふるさと納税でお米をもらったりしていますので、今より少し多めにしています。家電が壊れた場合などは予備費で対応します。とにかくFIREを早期実現したいので住居費以外は支出が最低限となっており、無理な節約はしておらず現状、苦痛に感じていないのでむしろもう少し費用が余ると思われます。また、どうしてもマズい状況が生じた場合は転居すれば生き延びることは可能です。

FIRE後の生活イメージ

 FIRE後の生活についてもイメージしておく必要があるでしょう。といっても、私はサラリーマンではないため、生活時間は仕事の繁閑に応じてバラバラです。労働日と休日の境目も不明確ですし、1日当たりの労働時間も一定ではありません。そのため、FIRE後の生活にもスムーズになじめるのではないかと思います。FIREした個人投資家の1日のスケジュール例を考えてみましょう。

 6:00 起床

 7:00 朝食

 8:00 相場チェック

 9:00 大リーグか何か見る・買い物

 12:00 昼食

 13:00 ブログ執筆、電車かドラマでもうだうだ見る、時々お散歩しても良い

 18:00 夕食・野球でも見る

 21:00 経済ニュース見る

 22:00 入浴・就寝

 FIRE後は時間を持て余して困るという意見がありますが、閑散期は上記のような生活をする日もあり私の場合は快適です。というか、今の仕事が嫌いなのではなく労働すること自体が苦痛のため、暇に感じたとしてもそれは快楽です。趣味と言えるものも野球と電車と株くらいでして、野球はテレビで見ればタダですし、駅の近くにしか住まない方針なので電車もタダで見放題です。株はむしろ利益を生みますので問題なしで、趣味代は月1万円もかからないと思います。また、個人事業主のためFIRE後も廃業はせずに、暇な時間が多くてどうしても苦痛になれば少し労働をやればよいと考えています。

 また、早寝早起きを心がけることで電気代を削減できるほか、健康維持にも繋がります。自動車を持たない生活なので、買い物等で歩く場面はあるのですが、気候によっては少し体を動かす外出もしておき、病気による臨時費用が生じないようにしたいです。

FIRE後のポートフォリオ利回りの目安は何%か?

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、2022年5月時点で原価に対する税引き後の利回りが3.3%ほどです。アメリカではFIREの目安として4%ルールが提唱されているのと比べると低い水準です。ただし、配当が中途半端な割安成長株が含まれていることから、実際には4%達成は可能と考えています。

 アメリカの4%ルールは税金を考慮していないのですが、4%の根拠は「株式投資の期待収益率7%-期待インフレ率3%」です。日本では期待インフレ率が3%もないと思いますので、税引き後でも4%達成は可能と考えています。金融所得課税の強化で増税になったらFIREが破綻するのかどうかですが、高配当株が割安になる可能性があることや、どうしてもだめならプチ労働で凌ぎます。連続増配株への投資で、元本に対する利回りアップを狙ったり、アメリカにはない株主優待の恩恵を受けたりすることで4%は達成可能でしょう。

FIREに必要な投資元本は6000万円

 上記のように、FIRE後の生活費は月20万円(年間240万円)でストレスなく賄えそうです。また、ポートフォリオ利回りは4%ルール通りが可能と思われます。そのため、240万円÷4%=6000万円がFIREに必要な投資元本ということになります。6000万円を労働による利益だけで蓄積するのは大変苦痛でしょうが、キャピタルゲインやインカムゲインを積み上げていけば達成は可能です。相場暴落時に割安銘柄を狙ったり、割安成長株でダブルバガーを目指したりすることで、着実にFIREに必要な6000万円を確保する方針です。

サイドFIREなら3000万円で達成可能

 労働の苦痛からの解放を目指してFIREする場合、FIRE実現に大量の労働が必要になるという本末転倒な状況に陥りやすいです。より早期に労働による苦痛を緩和したい場合は、サイドFIREを目指すと良いでしょう。

 サイドFIREとは、一定の労働を行いつつも投資による利益で生活費の多くを賄うスタイルです。「一定の労働」がどのくらいなのかは人によって様々と思いますが、私は「パート収入ぐらい」がサイドFIREの目安と考えます。家計を1人で支えるのは無理だけれど、家計の支援にはなるレベルとして適切と考えるからです。

 パート収入と言えば「103万円の壁」が有名です。ここでは計算をわかりやすくするためにもう少し多く働いて、年間120万円(月10万円)を労働で得ることにしましょう。すると、生活費20万円/月-パート労働10万円/月=10万円となり、サイドFIREに必要な金額はFIREの半分3000万円で済みます。3000万円であれば達成のハードルが一気に下がるのではないでしょうか。

 実際には夫(妻)の扶養に入るパートと異なり税金や保険料が多少上がってしまうため3000万円よりは少し多く必要になるでしょう。ただ、私の場合は年間120万円を狙う場合に月10万円×12のようなきれいな形はとれず、月々のゆがみがかなり生じます。そのため、足りないときは少し多めに働くイメージをしておけばよいと考えています。

 むしろ、FIREを達成して完全にリタイアしてしまうと、計算が狂った際に労働を再開しにくいです。個人事業主の場合は少し働くという選択肢を取りやすいので、FIRE達成のめどを立てて完全に労働を放棄するのではなく、サイドFIREに必要な投資元本3000万円を確保できた段階から、徐々に労働を減らしていく方向が望ましいかなと思います。そもそもサイドFIRE1年目は前年の労働に対する税金・保険料を納める必要があり、いきなりパート水準の労働に抑えるのは無理があるともいえるでしょう。

2022年5月15日日曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-人気優待株イオンモール(8905)

 ・人気優待株イオンモール(8905)の事業内容

 イオンモールは、親会社イオンなど多数の商業施設が入居するショッピングモールの運営等を行っています。地方都市ではイオンモールを見かけることが多く、人々の生活に欠かせない企業と言えるでしょう。人口減少が進む中で、郊外に立地し大規模駐車場を備えていて、多くの買い物を完結させられるイオンモールの魅力は大きいです。映画館やゲームコーナーを備えているモールも多く、子育て世帯にとっても手軽に遊びに行ける場だと思います。

 国内事業については、地方部への出店も余地がなくなってくるでしょうし、何より国内人口の減少で個人消費が伸びなくなれば成長は難しいです。ただ、モールでのイベント開催を増やせば、モールでの収益源を多角化できると考えています。純粋に出店を増やしての成長には限界がありますが、来店頻度を高める施策を増やすことで利益が伸びる可能性はあるでしょう。役所や図書館を入居させるなど、官民が連携したコスト削減や収益の安定化にも期待したいです。

 海外事業は政治情勢などの影響を受けやすいですが、人口の多さを踏まえると将来性に期待できます。中国事業のほか、イオンフィナンシャルサービスなどのイオン系企業が活躍する東南アジア地域でもイオンモールが積極的に出店していければ良いですね。 

・イオンモールはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.19%(2022年5月02日)

 優待利回り=1.92%

 PER=15.48倍

 配当性向=50%程度(2023年2月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=0.2倍程度(2021年2月)

 利益剰余金÷当期純利益=8倍以上(2020年2月期。21年2月期は赤字のため)

 イオンモールは、配当+優待利回りが5%超と魅力です。配当性向も高すぎることはなく、コロナ禍で赤字となった21年2月期も安定配当を出した姿勢が交換できます。割安成長株には該当しませんが、100株保有なら優待利回り約2%を含めて高配当株に該当すると言えるでしょう。

 イオンモールの優待は100株保有で3000円のイオンギフトカードです。イオンの店舗が近くに全くない人は少ないと思いますが、その場合はカタログギフトを選択することも可能です。また、500株保有だと5000円、1000株保有だと10000円にギフトカードが増額されます。ただ、優待利回りの観点では100株保有がベストです。3年以上の長期保有特典もありますが、こちらは1000株で2000円追加~なので、100株保有の零細株主は対象外です。 

 FIREに向けたイオンモールの活用法

  FIRE達成には投資元本を積み増す必要があります。しかし、ごく少数の割安成長株に集中投資するだけだと、理論上は効率が良くてもメンタルヘルス的には困ります。FIREを目指す個人投資家は投資元本が十分でない上、勤労所得を得ることを苦痛に感じる場合も多いです。大きく資産が減るリスクは抑えた方が、安定した心理状態で投資に臨むことができ、投資成績も向上すると考えます。また、FIRE達成後に4%ルールを満たす銘柄を探す際に、FIREの投資元本を形成する過程で投資したことのある銘柄が多くなる点もメリットです。

 イオンモールについても、リスク分散の観点でFIREに役立てることが可能です。配当+優待利回りが5%を超えている銘柄であり、FIRE達成後にも4%ルールを満たす銘柄として100株保有しておくと良いでしょう。ただ、優待利回りが1%超貢献しているため、200株以上保有するのは避けたいところです。 イオン系の銘柄は親会社イオンのオーナーズカード優待がとても有名ですが、モールの優待やフィナンシャルサービスの高配当株などにも注目が広がり株価が押し上げられる可能性はあります。ただ、ダブルバガーを狙うのはさすがに厳しいでしょう。

FIREを目指す配当生活ファンドは優待株イオンモールに投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:配当+優待利回り次第で売却

 FIREを目指す上でイオンモールに100株投資しています。株数から分かるように優待狙いです。イオンモールでは2月末を権利確定月としてイオンギフトカード3000円分の優待がもらえます。足元の株価1600円程度で考えると、優待利回りが2%近くあります。配当利回りも3%以上ありますので、配当+優待利回りは5%超です。FIRE達成に向けた4%ルールを満たす優待株と言えるでしょう。一方、大幅な値上がり益を期待できる割安成長株ではないため、買い増しは視野になく、また配当+優待利回りが4%を下回る局面では売却も検討対象です。

2022年5月14日土曜日

20代・30代でFIREを目指す理由とは?

20代・30代など若年層がFIREを目指す

 アメリカの20代・30代の間では、FIREが大人気となっています。もともとアメリカは投資に意欲的な国ですが、近年は若年層の投資意欲が高まっているようです。

 日本でもFIRE人気は着実に高まってきています。少し前まではセミリタイアや早期リタイア、配当金生活などと言われていましたが、投資による収益で生計を立てる方法としてFIREやサイドFIREといった言葉を見聞きする機会が増えているように感じます。

 日本の家計は株式などのリスク資産を嫌い、銀行預金やタンス預金などの貯蓄が多いとされています。アベノミクス下で「貯蓄から投資へ」の流れが進んだことは事実ですし、NISAやiDeCoなど資産形成を後押しする税制優遇が関心を集めていることからも、着実に日本人にも投資は浸透していくでしょう。しかし、投資に関心を高めているのは、50代など貯蓄が多めの世代だけではありません。

 コロナ禍において、日本でも20代、30代がFIREを目指す動きが出てきています。労働力不足が深刻な日本では、20代や30代で労働収入を全く得られない人が多い状態とは言えませんが、投資により仕事を辞めたいと考える人が多くなっています。私もまったく同感ですので、改めて20代・30代でFIREを目指す理由を整理してみました。

日本の20代・30代は社会保障制度への不安が大きい

 まず、社会保障制度への不安が大きいです。以前、「老後2000万円問題」が話題になりました。老後に2000万円を確保するだけでも努力が必要ですが、厚生年金があり、夫婦の年金を合わせて生活をし、住宅ローンの返済が進んでいる場合でも老後の家計は苦しいということです。私のように個人事業主で国民年金だけだったり、独身だったりすれば、2000万円では足りなくなる場合もあるでしょう。

 そもそも2022年時点では、標準的なパターンで年金は65歳から受給できます。しかし、社会保障費の増大が進む中で、中長期的には実質支給額や所得代替率の引き下げ、受給開始年齢の引き上げが行われることは不可避です。そのため、社会保障制度は脆弱化し、「老後2000万円問題」が「老後3000万円問題」や「老後4000万円問題」に発展することが予想されます。

 社会保障制度が不安定化する中で、貧乏老人にならないためにも資産形成が重要です。特に複利効果を得るためには早期から資産形成に取り組む必要があり、20代・30代など労働収入を得始めたらすぐにでも投資を始めることが望ましいです。長寿化が進む中で自分がいつまで生きるかわからない以上、20代・30代がFIREを達成し資産の減少を回避することは当然と言えます。

日本では手取り収入に見合わない労働が辛すぎる

 失業率が低水準で労働力不足が深刻な日本では、20代・30代が全く仕事にありつけない場合は限られます。しかし、社会保険料の増大のほか、生産性の低い職場が多いこともあり労働で得られる手取り収入は限定的です。サラリーマンの平均年収が400万円台などと言われる時代ですから、手取りだと月収20万円台が平均レベルということです。

 仕事が楽しければよいですが、労働力不足が深刻なため1人あたりの労働負担が大きくなる場合があります。また、自分が希望する職種に就けるとも限らず、職場の人間関係などもSNSの普及もありなかなか難しいです。そのため、労働の身体的・精神的苦痛や拘束時間の長さに対して、手取り収入が全く見合わないと感じる20代・30代が多いのではないでしょうか。

 年功序列賃金制度が崩れつつあるとはいえ、20代・30代で高額の報酬を得られる仕事は稀です。そのため、多くの20代・30代は生きるために苦痛な低賃金労働を余儀なくされます。労働の苦痛から解放されるべく、FIREを目指すのは必然と言えるでしょう。

FIREできれば人生の選択肢が広がる

 20代・30代でFIREを目指す投資家には、労働を苦痛と感じる労働嫌いタイプの他に、労働を(より)楽しくしたいタイプの人もいます。こうしたタイプの人は、人生の選択肢を広げるためにFIREを目指しているようです。

 というのも、多くの生活費を得ることを重視すれば収入の高い仕事を選ぶことになり、結果として職種や職場が自分に合わない場合も多くなります。ところが、投資元本3000万円を確保してサイドFIREを実現すれば、アルバイト収入でも生活は可能です。

 そのため、収入の高低ではなく、自分が楽しいと思える仕事に転職するという選択肢が出てきます。また、サラリーマンであれば脱サラしてスモールビジネスを始めたり、地方部に引っ越して都会の喧騒から離れたりといった選択もしやすくなります。同じ会社に勤め続けるとしても、FIREを達成すれば「いつでも仕事を辞められる」という心の余裕を持てるのです。

 私のように、「労働が苦痛だから仕事を辞めたい(FIREしたい)」と考えている個人投資家も、実際に3000万円でサイドFIREすれば、労働の苦痛が大きく緩和されるかもしれません。FIRE後もプチ労働を続けることで少し贅沢な暮らしを実現したくなることもあり得ます。いずれにせよ、FIREを達成した方が金銭面だけでなく、心理的にも豊かな人生を送れるので、「入金力UP→割安成長株・高配当株に投資→20代・30代で6000万円FIRE」を実現しましょう!


2022年5月13日金曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-配当利回り6%超の割安高配当株アルヒ(7198)

 ・割安高配当株アルヒ(7198)の事業内容

  アルヒは、フラット35を中心とする住宅ローンを提供しています。ローンに関連する保険提供や住宅情報サービスなども手掛けています。基本的には、「フラット35の大手企業」と思っておくと良いでしょう。

 住宅ローン事業は、フラット35の人気に大きく左右されます。アルヒは、「アルヒスーパーフラット」というフラット35にしては低金利の住宅ローンを提供しています。そのため、フラット35の人気が高まれば、アルヒを選ぶ人が増加する流れです。

 短期的には、住宅資材の高騰や住宅ローン金利の上昇が逆風となるでしょう。金利上昇局面ではフラット35のような固定金利の住宅ローンが有利とされますが、足元では目先の安さにつられて変動金利が人気のようです。中長期的に固定金利の住宅ローンが盛り返せるかがアルヒの住宅ローン事業に大きく影響します。

 フラット35では、団体信用生命保険への加入が必須ではありません。1人暮らし世帯が増える中で、団信が不要と考える層が住宅ローンのトータル費用でフラット35を選ぶようになれば、金利情勢に関わらずアルヒが一定の人気を維持しやすくなるでしょう。

 保険事業などは、住宅ローン契約者1人からより多くの収益を得る上で重要です。フラット35で高いシェアを誇るアルヒですが、ネット銀行などとの競争は激化すると見られます。住宅ローン契約件数を伸ばすだけでなく、事業の多角化を進めることで業績成長を目指すべきですね。 

・アルヒはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=6.02%(2022年5月10日)

 PER=8.61倍

 配当性向=50%弱

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=3倍程度(2021年3月)

  アルヒは2022年5月10日に決算発表を行いました。減益決算となりましたが、来期は微増益予想であったことや、年間60円配当は維持されたことは好材料と言えそうです。PERが10倍を下回っている点から割安感もあります。

 アルヒ最大の魅力は配当利回りが6%超と高い点です。FIREに役立つ割安高配当株の筆頭格と言えるでしょう。配当性向も50%程度と無理のない水準で、減配さえなければ中長期的にFIREへの貢献が期待できます。

 また、2017年の上場以降、2022年3月期まで連続増配株となっていました。連続増配はストップしましたが業績が厳しい中でも減配しなかった点は、株主還元も重視するFIRE投資家にとって心強いと言えるでしょう。

 FIREに向けたアルヒの活用法

  アルヒは割安高配当株として、FIREに不可欠なインカムゲインをもたらしてくれます。配当利回りが税引き後でも4%以上ある銘柄は限られており、分散投資先の1つとして有力です。

 また、金利上昇に伴い固定金利の住宅ローンが人気化すれば、フラット35への注目度が高まることでアルヒの利用が伸びる可能性があります。働き方tが多様化する中で銀行ローンよりフラット35を選ぶ層が増加することも考えられ、中長期的な業績成長に期待です。

 アルヒの業績が伸びた場合は、増配による配当利回り上昇や、キャピタルゲインの確保も期待できます。FIREに向けて当初はアルヒをダブルバガー狙いの割安成長株とみていましたが、住宅市場の過熱感や金利上昇リスクも踏まえて、割安高配当株としての活用を軸に考えています。 

FIREを目指す配当生活ファンドはアルヒに投資するか?

 保有数:300株

 今後の方針:減配しない限り継続保有

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、もともとダブルバガー狙いでアルヒを打診買いしていました。アルヒが示す計画通りに業績が大きく伸びれば、株価も伸びると考えたためです。

 実際にはアルヒの計画は過大で、金利上昇で固定金利のフラット35が人気化しない限りダブルバガーには時間がかかりそうな情勢です。ただ、割安高配当株としてインカムゲインを得るには十分なPERと配当利回りのため、継続保有の方針です。

 住宅市場の先行きは不透明なため、買い増しは基本的に検討していません。相場暴落で株価が大崩れした場合には買い増しが視野には入りますが、その際には他により魅力的な割安優良株があるように思います。

2022年5月12日木曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの資産額推移(2022年4月末まで)

FIREを目指す配当生活ファンドの資産額推移を整理してみた

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、毎月末に資産額(投資元本ベース)を記録しています。FIRE達成には自分の投資を見直して改善していくことが大切です。そこで、改めて資産額推移を整理してみました。

 投資開始直後は資産額を記録していませんでした。投資3年弱で850万円ほどの所から記録が始まっていますが、投資による利益はゼロ(というかマイナス)でした。アベノミクスで億り人が大量発生した時代なのですが、投資初心者の私はマイナスです。学生時代にフルタイム並みにアルバイトをしていた上、実家暮らしだったため労働による入金約5年で800万円ほどの投資元本を確保しました。

 大学卒業後は、「配当金生活スタイル→消費増税懸念&自宅購入資金のため現金化→コロナショックからの回復に乗る→割安成長株投資に転換」という流れで、概ね資産を増やすことができています。20代でのサイドFIREは微妙な情勢、30代でのFIREは可能かなという状況です。

証券口座開設~資産額記録を始めるまで(2014年末~2017年5月)

 0円(2012年)→???円(2014年)→853万円(2017年5月)

 証券口座開設~資産額記録を始めるまでは、入金力の分だけ資産額が伸びていった印象です。フルタイム並みのアルバイト+個人事業+在学中はほぼ実家暮らしのメリットを活かして、何とか高卒5年程度(投資を始めてからは3年程度)で800万円ほどの資産額となりました。

 FIRE投資初期は労働での入金力が重要で、目標は5年で1000万円でした。大学に(一応)行って(一応)4年で卒業もした関係上、5年で1000万円には至りませんでしたが、FIREへの礎を築くことはできたと思います。 

配当金生活スタイルの時期(2017年5月~2019年8月)―とても緩やかな上昇カーブ

 853万円(17年5月)→790万円(17年7月)→903万円(17年12月)→977万円(18年12月)→1061万円(19年8月)

 資産額が伸びてきた2017年半ばごろに、売買を繰り返し損失を出す投資スタイルを改めました。配

当金生活スタイルへの切り替えです。株価は気にせず、とにかくポートフォリオの配当+優待利回りが4%以上になることを意識しました。

 この時期にはすでに実家を離れていたため、生活コストが上昇し労働による入金力が大きく落ちました。そのため、資産額の伸びは極めて緩やかになっています。ただ、最初の5年はアベノミクス相場でマイナスだったことと比べると、自分の投資能力に合わせた資産の伸ばし方ができたとは思います。

 2019年4月には、初めて投資元本が1000万円に到達しました。投資を初めてから5年以内に資産額1000万円を達成できたため、FIRE達成への方法その①はクリアしたことになります。投資スキルというよりは学生時代の鬼労働の賜物という感じですが。

消費増税での景気減速懸念から出金(2019年8月~2019年12月)

 1061万円(19年8月)→508万円(19年12月)

 2019年9月には、消費税増税による景気減速を懸念して大量出金しました。今はリスクオフ相場でも出金はせず証券口座に現金を積むのですが、当時は現金があると何となく株を買ってしまう傾向が不安で、出金という強制的な資金退避を行いました。

 結果的にこれは功を奏するのですが、今の感覚では「出金しすぎ!」と思います。FIRE実現のためには、現金比率を数値である程度決めておくことが大切です。現在は、10%~20%を現金比率の目安とし、常に相場暴落に備えています。

自宅購入資金を確保すべくさらに出金(2020年1月~3月)―コロナショックをたまたま回避

 508万円(19年12月)→225万円(20年2月)→494万円(20年3月)

 2020年1月に、自宅を購入することにしました。物価上昇のリスクヘッジ・住宅ローン控除の活用、より狭い自宅に移ることで生活コストを削減しFIREへの道筋を確実にするためです。

 私は個人事業主ということで信用力がなく、頭金を多めに要求されたため、証券口座からさらに出金する羽目に。コロナショック直前に不動産を買ってしまう形になりましたが、株式から資金の大半を引き揚げる羽目になったことで結果的にコロナショックの下落をかなり回避できました。

 20年2月~20年3月にかけて投資元本が急増しているのは、頭金の支払時期を勘違いしていたためです。すぐに払うものと思って大量の現金を用意したのですが。そして、その現金は頭金なので使ってはいけないのですが、コロナショックの暴落で入金して株を買う形に。

 相場暴落を活かすという、FIRE実現には最善の選択ですが、頭金大丈夫かという感じですね。一応大丈夫だったのですが、証券口座とは違う部分で現金がほぼ無くなることとなりました。このような事態にならないよう、普段から相場暴落に備えて証券口座に現金を10%~20%保有しておくことが大事ですね。 

コロナショックからの回復で急成長(2020年3月~2021年半ば)―割安成長株への集中投資スタイルに

 494万円(20年3月)→788万円(20年12月)→1160万円(21年6月)

 コロナショック時に生活資金まで株やJリートにつぎ込んだことで、資産額は大きく伸びました。また、コロナ禍で経済の先行きが不透明なため、いつ仕事がなくなるかわからず学生時代を思い出して労働に精を出しました。鬼労働で入金力が一時的に向上し資産額が大きく回復しています。

 前半が入金力アップの影響が大きく、後半はJリートを中心にキャピタルゲインを利益確定したため投資元本が膨らんだことが主因です。この時期に、配当金生活スタイルの4%利回り狙いから、割安成長株でのダブルバガー狙いに切り替えました。資産の伸びが遅すぎて、労働がいつまで続くのか嫌気がさしたためです。

【今ココ】自宅購入で高まった入金力を活かして3000万円サイドFIREへ追い上げ中(2021年半ば~現在)

 1160万円(21年6月)→1595万円(22年4月)

 割安成長株投資に転換した後も、コロナショックで仕込んだ銘柄を利益確定することで資産額が伸びました。投資元本1000万円を超えたことで、インカムゲインについてもまとまった額が入るようになり、サイドFIREへの道を前進できていると思います。

 また、自宅購入時に頭金を多く払った(払わされた)こともあり生活コストが下がり、労働による入金力が増しています。住宅ローン控除も助かりますね。

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、投資開始から10年で3000万円サイドFIREが目標です。7.5年で1600万円ほどと少し遅れ気味ですが、投資元本ベースなので割安成長株がダブルバガーを達成すれば一気に前進できます。労働は苦痛ですが、労働による入金もFIREに欠かせないため、月10万円以上の入金力維持を意識しながら、あと2.5年で3000万円サイドFIREを達成し、その後5年で6000万円FIREを実現したいと思います。

2022年5月11日水曜日

オリックスが2024年3月末で株主優待制度廃止へ。個人投資家切り捨てが鮮明。

オリックスの人気優待が廃止に

 オリックスは、3月末を権利確定月としてカタログギフトの株主優待を実施していました。この制度ですが、2024年3月末を持って優待廃止になるとの発表がありました。100株所有の個人投資家にとっては、お米やお肉など様々な商品が選べる魅力ある優待だっただけに、非常に残念です。

 理由としては、「公平な株主還元を目指す」という無難な記載です。いきなりの優待は医師ではなく、2024年3月末までと猶予を持たせてはありますが、個人投資家を切り捨てる内容と言えるでしょう。

 もともとオリックスの優待は、リーマンショック時の株価大暴落を踏まえて人気優待に設定されていました。相場暴落でも売らない中長期保有の個人投資家の保有比率を増やし、株価を安定させるためです。

 しかし、リーマンショック後に事業の多角化を進めたオリックスは、もはや金融危機が起こっても株価大暴落はないと判断したのでしょう。個人投資家をうまく利用しただけとしか思えず、大変印象が悪いです。FIREを目指す配当生活ファンドでも、オリックスは中長期投資には適さない銘柄として、組み入れを極力避けようと思います。

増配や下限配当を設定も優待廃止姿勢から信用しがたい

 オリックスは、株主優待の廃止と同時に増配や下限配当の継続設定を発表しています。株主還元姿勢を示す内容であり、一般的には前向きに評価して良いでしょう。

 しかし、今期の配当はしっかり出したとしても、業績が不安定化した場合などは大減配するリスクが高いと考えます。株主をうまく利用しようという姿勢が優待廃止から見て取れるためです。FIRE実現のためには、安定したインカムゲインを得る必要があります。オリックスのように、裏表が激しい還元姿勢の銘柄は、割安高配当株であってもポートフォリオに組み入れづらいです。

 もっとも、金融危機で大減配した場合は、優待廃止で中長期の個人投資家を切り捨てたこともあり、株価の大暴落が期待されます。そのため、オリックスは暴落時に購入すれば短期間で大きなキャピタルゲインが狙える銘柄の筆頭格として、念頭に置いておきたいと思います。

2022年5月10日火曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-S&P500高配当株ETF(SPYD)

・S&P500高配当株ETF(SPYD)の特徴

 S&P500高配当株ETF(SPYD)は、S&P500銘柄のうち高配当株を中心に投資する米国株ETFです。高利回りに期待できるほか、価格変動が小さいためリスク分散にも役立ちます。FIREや配当金生活を目指す中で、米国株に投資するならSPYDは定番のETFと言えるでしょう。

 高配当株ETFを中長期保有する場合、信託報酬に相当するコストの低さが大切です。SPYDは経費率が0.07%と極めて低水準になっており、アメリカ経済の成長に合わせて分配金や投資口価格の緩やかな伸びに期待できます。

 SPYD以外にも米国高配当株ETFとして、PFFやVYM、HDVなどがあります。PFFは優先株で値動きが小さい点が魅力です。VYMやHDVはSPYDと比べて分配利回りが低めですが、キャピタルゲインは狙いやすいように思います。SPYDは相場暴落時に仕込めれば4%を超える高利回りを安心して受け取れるETFと言えそうです。 

・SPYDはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.5%程度(2022年5月上旬)

 配当頻度=年4回

 SPYDは高配当ETFなのですが、配当利回りは3.5%程度と少し物足りないです。というのも、米国株市場が好調でSPYDの株価もコロナショックから1.5倍以上に伸びています。このような局面では、FIREを目指す投資家がSPYDに投資するのは少しためらわれます。

 そのため、SPYDは金融危機の際など配当利回りが4%を大きく超えた際に投資したいところです。PFF米国優先株ETFのように毎月分配ではありませんが、年4回と、多くの日本株(年2回)と比べて配当頻度が高い点もFIREに適しています。 

FIREに向けたSPYDの活用法

  SPYDはドル建ての米国株ETFです。そのため、日本人がFIREを目指す場合はドル建て資産に通貨分散できます。今後も低成長が続くと考えられる日本経済では、日銀が金利を大きく引き上げることは困難でしょう。そのため、海外との金利差が大きい状態が続き、中長期的に円安が進むことが懸念されます。

 円安が進んだ際、自動車株などの輸出銘柄は株価が上昇しやすいです。しかし、円安メリットのある銘柄に割安高配当株や割安成長株は少ないため、FIREを目指す個人投資家は恩恵を受けにくいのが実情です。しかも、エネルギー自給率の低い日本では円安により消費者物価が高騰するため、家計支出が増えることでFIRE生活が苦しくなってしまいます。

 そこで、ドル建て資産も保有し、ドル建てで分配金を受け取ることで円安メリットを享受しましょう。米国個別株投資は日本株と比べて情報が入りにくいため避け、SPYDのような米国高配当株ETFを狙っていくのがオススメです。 

FIREを目指す配当生活ファンドはSPYDに投資するか?

 保有数:170株

 今後の方針:相場暴落を待って追加投資

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に米国高配当株ETFとしてSPYDに投資しています。170株保有なので、100万円弱ですね。基本的には割安成長株でダブルバガーを狙うのですが、相場暴落時は割安高配当株や米国株ETFも購入する方針です。

 SPYDについては、コロナショック時に購入しています。保有比率が限定的なのは、相場の底が分からず時間分散をしているうちに、価格が戻ってしまったためです。FRBによる利上げやテーパリングが加速する中で米国株暴落となれば、SPYDにも積極的に追加投資します。 

2022年5月9日月曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-連続増配株・優待株の沖縄セルラー電話(9436)

 ・連続増配株沖縄セルラー電話(9436)の事業内容

  沖縄セルラー電話は、沖縄県内で通信事業を手掛けています。携帯通信大手KDDI系列です。東京圏や大阪圏ではなじみのない企業ですが、沖縄では高いシェアを誇っています。

 携帯通信事業については、菅政権下で携帯通信料金の引き下げが行われました。そのため、KDDIやソフトバンクなど大手通信銘柄と同様に影響を受けた銘柄です。そのため、「新しい資本主義」という社会主義色の強い政策をとる岸田政権になり株価が回復傾向という珍しい銘柄ですね。

 中長期的には楽天モバイルの攻勢を受けるほか、人口減少で顧客数が減少する懸念もあり、携帯通信事業の先行きも不透明です。しかし、沖縄セルラー電話は沖縄県という中小の通信企業が通信網を構築して進出しづらいエリアで高いシェアを占めていることから、比較的安泰と言えるでしょう。

 固定通信事業については固定電話の減少が見込まれますが、インターネット回線については契約が伸びていく可能性があります。IoT家電の普及などもあれば、細かな利益を積み上げるチャンスです。

 また、沖縄経済については、観光資源が豊富であるほか、人口減少や少子高齢化の進み具合が日本の他地域と比べて緩やかなため、発展の可能性を秘めています。本州よりも賃金水準や生活コストが安く、中国や東南アジアからも近いためワーケーション需要なども期待できるでしょう。

 沖縄県内の経済全体が成長を続けられれば、業務用の携帯通信端末の契約が伸びることも期待できます。また、台風の被害を受けやすいものの地震リスクは小さく、日本株に投資する上で地域分散にも役立ちます。沖縄セルラー電話は事業内容・展開地域の2つの点で、中長期的に安心してみていられる内容です。 

・沖縄セルラー電話はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.49%(2022年5月09日)

 優待:3000円カタログギフト(5年長期保有で5000円に増額)。

 PER=12.38倍

 配当性向=50%弱

 現金同等物÷有利子負債=∞倍(有利子負債ゼロ)

 利益剰余金÷当期純利益=9倍程度(2021年3月)

 沖縄セルラー電話は、通信株に多い典型的な割安高配当株です。収益が安定しているうえ、配当性向も50%未満なので安心して中長期保有できるでしょう。有利子負債がゼロのため、金利上昇リスクとも無縁です。

 配当利回りは3%台半ばとやや物足りないですが、KDDIと同様に3月末を権利確定月として3000円相当のカタログギフト優待がもらえます。優待利回りは1%未満ですが、お米などの生活必需品も選べる優待株です。配当+優待利回りは4%超となるため、FIRE達成後に沖縄セルラー電話を100株保有しておくのも良いでしょう。

 また、沖縄セルラー電話は連続増配株でもあります。2018年には年間117円配でしたが、2023年3月期は年172円配予想と1.5倍程度に増配されています。配当性向に余裕があるため、基本的には増配傾向が続くことが期待されます。 

FIREに向けた沖縄セルラー電話の活用法

  沖縄セルラー電話は割安高配当株&優待株のため、FIRE実現後に100株保有しておきたい銘柄です。財務良好で配当性向にも余裕があるため、安心して4%利回りを期待でいます。

 また、連続増配株でもあるため、沖縄セルラー電話は着実な株価上昇にも期待できます。FIREの投資元本6000万円を目指す中で、守りの銘柄として分散投資の対象にするのも一案です。

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、割安高配当株としてかつて沖縄セルラー電話を100株保有していました。割安成長株投資に転換した頃に株価上昇もあって売却しましたが、連続増配株はキャピタルゲインとインカムゲインを両方狙える銘柄のため、FIRE達成前の段階でも沖縄セルラー電話を活用する機会が来るのではないかと思います。 

FIREを目指す配当生活ファンドは沖縄セルラー電話に投資するか?

 保有数:0株

 今後の方針:現金比率に応じて100株保有を検討

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、現在投資したい割安成長株が多数あります。入金力が銘柄発掘に追いついていないため購入できていない銘柄や、株数が少ないままの銘柄が多いです。そのため、現在沖縄セルラー電話を購入できる状況ではないです。

 しかし、ダブルバガー狙いの割安成長株投資では、集中投資している銘柄が上昇すれば、集中投資の元本+キャピタルゲインが返ってきます。いきなり現金比率が膨らむ可能性があり、常に魅力ある銘柄には注目しています。

 沖縄セルラー電話については、現金比率に余裕が出ればFIRE後も末永く保有する連続増配株として100株投資したいと考えています。100株でも50万円ほど必要なので、割安高配当株ヘは分散投資すべく200株以上の購入は検討していません。

2022年5月8日日曜日

30代で元本6000万円FIREを達成する3つの方法をシミュレーションしてみました

30代で6000万円FIREを達成する可能性を考えてみた

 20代・30代でFIREしたい、労働から早く逃れたいと考える人が増えています。20代でのFIREは私も憧れるのですが、投資で得意な才能を発揮したり、親から資産を相続したり、極端に生活費を抑えるノマド生活を送ったりと、多くの条件が付きそうです。

 多くの個人投資家が特殊な条件なしに実現可能な目標は、30代で6000万円FIREだと思います。そこで、30代で6000万円FIREを達成する可能性について、3つの方法に分けてシミュレーションしてみました。

 前提として、

 ・相続や実家暮らしなど親への依存度ゼロ

 ・FIRE後の生活費は月20万円確保

 ・宝くじに当たる、年収1000万円稼げるなど運や平均以上の能力は無い

こととします。つまり、ごく普通の人が自力で6000万円FIREを達成するシミュレーションです。

月10万円の入金力を労働で確保することが大切

 FIRE投資初期に欠かせないのが、残念ながら入金力です。労働が苦痛でFIREしたい人にとって、一番つらい現実です。ただ、月10万円以上の入金力があればOKです。年収400万円程度あれば、生活費を抑えることで何とかなるでしょう。

 平均的な20代が年収400万円は少しキツイかもしれません。しかし、副業や、若さを活かした労働量の増加などで補ってください。5年頑張れば本格的なFIRE投資を始める1000万円を確保できます

 数年程度でも労働の苦痛が大きすぎたり、体力に自信がなかったりする場合は、生活費をさらに抑えるのも一案です。手取り20万円(つまり生活費10万円)であれば、20代の平均年収&平均労働時間レベルでも可能でしょう。

割安成長株でダブルバガーを狙いキャピタルゲインを蓄積

 資産額が数百万円程度になってきたら、割安成長株に投資します。5年以内にダブルバガー(株価2倍)を達成できそうな銘柄が投資対象です。「業績成長×PER修正」による株価上昇を狙います。

 ダブルバガー狙いの銘柄については、集中投資が最も効率的です。ただし、投資初心者で銘柄選定に自信がない場合は、時間をかけて多くの割安成長株を探し、分散投資するのもOKです。自分の投資スキルや心理的余裕に合わせて集中投資・分散投資を選びましょう

株式市場に10年いれば相場暴落チャンスに出会える

 株式市場では、相場暴落がたびたび発生しています。2000年以降でもITバブル崩壊・リーマンショック・コロナショックで相場が大暴落しましたね。このほかにも、ブレグジットやチャイナショックやウクライナショックなど、相場が崩れる場面がありました。

 このように、株式市場に10年いれば、たいていは相場暴落に出会えます。普段から現金10%~20%を確保し、相場暴落時には優良株を割安で購入しましょう。相場がもとに戻るだけで、大きなキャピタルゲインを得ることができます。「資産家は恐慌時に生まれる」と言われるように、「FIREへの道は相場暴落で開ける」です。

 実際、アベノミクス相場やコロナショックで資産額1億円を達成した「億り人」が多数報告されています。FIRE達成は元本6000万円なので「億り人」よりハードルは低いです。FIREを目指す配当生活ファンドでも、コロナショックの暴落時にJリートを中心に200万円程度のキャピタルゲインを確保できました。(結果論ですが、もう少し大型株を買っても良かったかな...)

元本6000万円FIREする3つの方法

 元本6000万円を30代で確保してFIREする方法について、具体的なシミュレーションをしてみました。

 1年目~5年目:投資元本1000万円の確保。FIRE投資初期は入金力が大切。5年頑張ろう。

 6年目~10年目:3000万円でサイドFIRE達成へ。割安成長株でダブルバガーを狙う。

 11年目~15年目:6000万円でFIRE達成へ。

の3つの方法に分けて、具体的な資産額の伸びを計算します。

30代で6000万円FIREする方法①―【1年目~5年目】投資元本1000万円を確保

 FIRE投資初期は、元本1000万円の確保を急ぎましょう。大切なのは入金力ですので、毎月10万円以上の入金が重要です。5年で投資元本1000万円を確保します。

 月10万円×12か月×5年=600万円

が最低ラインです。サラリーマンの方なら、手取り月収から10万円先取り貯蓄(投資)し、ボーナスを全額追加投入してください。

 (ボーナス=手取り月収20万円×3か月分)×5年=300万円

これで600万円+300万円=900万円になりますね。入金力だけでは5年で1000万円になりませんが、配当金収入を加えればほぼ達成可能です。投資初心者は売買に失敗しやすく、私も1年目はアベノミクス下でマイナスを記録しました。そのため、方法①ではキャピタルゲイン0という現実的なシミュレーションにしています。

 個人事業主など月給制でない方は、ボーナスがないです。そのため、労働時間を増やして月15万円(年180万円)の入金を目指しましょう。

 私の場合、資産額が初めて1000万円を突破したのが2019年です。投資を始めたのが2014年で、学生時代のフルタイムレベルのアルバイトの甲斐あって何とか5年で1000万円に到達できました。

 もし5年で達成できなかった場合でも、入金を重ねていれば確実に資産額は増えているはずです。FIRE投資初期が一番苦しいので、将来の快適なFIRE生活を目標に頑張りましょう。

30代で6000万円FIREする方法②―【6年目~10年目】3000万円でサイドFIREへ←今ココ

 元本1000万円を確保できたら、いよいよ資産成長を加速させます。5年程度投資をやっていれば、投資スキルもかなり高まっているはずです。割安成長株を選定して、2~3年でダブルバガーを狙いましょう。方法②では、5年かけて2回転させます。1年で2倍になる銘柄も出てくるかもしれませんが、株価が伸びない銘柄もあるでしょう。現金の確保も必要なので、下記が計算例になります。

 ダブルバガー(元本の40%投資):400万円→800万円→1600万円

 1.5倍株(元本の20%投資):200万円→300万円→450万円

 残念ながら停滞株(元本の20%投資):200万円→200万円→200万円

 現金(元本の20%確保):200万円→200万円→200万円

合計で、1600+450+200+200=2450万円となります。

 入金力も資産形成に貢献させ、

 入金:10万円×12か月×5年=600万円

を追加投資します。2450+600=3050万円で3000万円サイドFIRE達成です。投資元本1000万円確保を超えればボーナス(サラリーマン)、追加労働(個人事業主など)は入金しなくてもOKです!FIRE達成に近づいている実感が沸くでしょう。

 元本の40%(2~4銘柄)がきっちりダブルバガーになるのか疑問という方も多いと思います。しかし、

 ・入金額も投資に回せる

 ・配当金(インカムゲイン)も得られる

 ・相場暴落があれば現金チームがキャピタルゲインを生む

 ・最悪の場合ボーナス等、1~5年目に培った入金力を活かせる

 ・6~10年目には少しは年収が上がっている(かもしれない)

ことは計算に入れていません。割安成長株の株価の伸びが遅い場合は、上記でカバーしましょう。10年で3000万円サイドFIREの達成は十分可能です。

 FIREを目指す配当生活ファンドは投資7年半で1600万円程度となっており、2022年現在、方法②の真っただ中です。自宅購入の頭金に資金を取られ少し遅れていますが、その分ローンが減り入金力がアップしているので10年3000万円に向けて追い上げ中です。

 入金力を活かしたいことや、コロナ禍で相場暴落が起きた関係で米国株高配当ETFなども保有しています。投資家それぞれが状況に応じて、割安成長株一本ではなく高配当ETFを組み入れて守りの要素を強めるのも一案です。私の場合、FIREを1年早く達成できるチャンスを追うより、大失敗でFIREから遠ざかるのがイヤという心理なので、守りの要素強めです。

30代で6000万円FIREする方法③―【11年目~15年目】複利効果も活かし6000万円へ

 サイドFIRE達成後は、4%利回りによるインカムゲインの複利効果も高まってきます。割安成長株でのダブルバガー狙いとあわせて、6000万円FIREを5年で実現します。米国高配当株ETFや、サイドFIRE達成過程での連続増配株などを活かして、ポートフォリオ全体で4%の配当+優待利回りを実現しましょう。

 割安成長株(元本の40%):1200万円→1800万円→2400万円

 割安高配当株(元本の40%):1200万円→1200万円

 現金(元本の20%):600万円→600万円

 割安成長株は、2~3年でダブルバガーを狙いますが、現実的には1.5倍と想定しています。割安高配当株や相場暴落、IPO抽選参加による現金活用でのキャピタルゲインは0でのシミュレーションです。2400+1200+600=4200万円となります。

 4%のインカムゲイン:120~200万円×5年=800万円

 入金:10万円×12か月×5年=600万円

 入金は、方法②でサイドFIREを目指した場合と同様、月10万円入金にとどめます。インカムゲインは投資元本が増えるにつれて配当金収入が増加する計算です。4200+800+600=5600万円で、FIREまであと一歩ですね。

 サラリーマンの場合は、退職金をゲットすることでほぼ6000万円FIRE達成が可能と思います。個人事業主などの場合は、1~2年程度入金0で良いので配当を積み増せば6000万円FIRE達成です。

 方法①~③を行うのに15年~17年かかりますが、大卒でも37~39歳、高卒や大学在学中のアルバイトからスタートすれば33~35歳で6000万円FIRE達成となります。

 また、既に20代後半や30代前半の場合でも、

 ・年収が20代前半より高く月10万円以上の入金力がある

 ・貯蓄が0円でなく方法①の元本1000万円形成に5年かからない

 ・投資経験があり方法①の間もキャピタルゲインが得られる

など社会経験を活かせば、相続などの追い風を受けずとも巻き返して30代での6000万円FIREが可能です。

2022年5月7日土曜日

20代・30代でFIREを目指すならおすすめは集中投資?分散投資?

FIREを目指す投資家には集中投資と分散投資どちらがおすすめ?

 FIREやサイドFIREを30代や40代など早期に実現するには、労働による入金に加えて投資で3000万円~6000万円の元本に近づけることが大切です。そこで考えたいのが、集中投資と分散投資のどちらが望ましいかです。

 集中投資であれば1銘柄がテンバガーになるなど大当たりすれば、いきなりFIREを達成できるチャンスがあります。ただし、相場暴落などで資産を大きく減らすリスクも高いです。また、株価が伸び悩めば、資産額は増えたとしてもFIREには至らないでしょう。

 分散投資の場合は、株価が低迷する銘柄があっても、他の銘柄でカバーすることができます。投資の世界では「卵を1つのカゴに盛るな」と言われており、分散投資が基本です。しかし、20代、30代でFIREを実現し労働から逃れたい場合は、分散投資だと時間がかかりすぎることもあるでしょう。

 そこで、集中投資でFIREを目指す場合、分散投資でFIREを目指す場合のそれぞれについて、実現可能性や実現にかかる期間を考えてみました。

集中投資でFIREを目指す場合

 集中投資でFIREを目指す場合は、割安成長株への投資が望ましいです。PERが高く値動きの激しい新興株などを狙う方法もありますが、リスクが高いです。労働が苦痛で30代などでFIREを達成したい場合、1銘柄で大失敗しただけで生涯労働が確定するのは極めて不安でしょう。

 割安成長株に集中投資する場合、さすがに1銘柄に全資金を投入する投資家は少ないと思います。ここでは、投資元本1000万円を元手に、4銘柄に集中投資する場合、数年後の資産額を考えてみましょう。

 割安成長株1:200万円投資→ダブルバガー達成で400万円に

 割安成長株2・3:200万円投資×2→株価1.5倍で伸び悩みも300万円×2に

 割安成長株4:200万円投資→株価停滞で200万円のまま

 残金200万円は現金として相場暴落に備える(←かなり重要)

 この例では、1000万円が1400万円に伸びています。割安成長株を厳選し、2~3年でこの例のような株価推移を実現することは可能でしょう。直近IPO銘柄で株価が低迷したものや、成熟業界での成長企業などを狙えば、株価の下値を限定しつつダブルバガーを狙うことができます。

 数年で400万円資産額が伸びるだけではFIREには程遠いですが、月10万円程度の入金を継続すれば資産額はより早く伸ばせます。例えば、3年間月10万円を入金すれば、1400+360=1760万円になっている計算です。実際には入金力により新たな割安成長株を購入できるうえ、配当を出す割安成長株もあるので資産額はより大きくなります。

 今回の例では、1銘柄に投資元本の20%を投じる試算を行いました。実際にはもう少し分散して、1銘柄に10%程度を投資する場合でも、集中投資と言えると思います。投資タイミングについては時間分散が望ましいため、銘柄によって資金の10%~20%程度を集中投資すると良いと考えます。買い集めているうちに株価が上昇を始めた場合は、10%に達しなくても許容です。

 集中投資の場合、年利回りで15%程度が目標です。この利回りは株式の平均収益率7%の倍以上と高いですが、7%は大型株の影響が大きい平均値ですので、中小型株に多い割安成長株に限れば可能と思います。個人投資家が大きな利益を狙える中小型株を発掘していくと良いでしょう。

分散投資でFIREを目指す場合

 分散投資でFIREを目指す場合でも、配当金の複利効果で増やすだけでは不十分です。「72の法則」によると4%複利でも資産が2倍になるのに18年かかるからです。

 そこで、分散投資の場合でも割安株を狙うことになります。割安成長株を集中投資の場合より多く探して分散するのも良いですし、割安高配当株の値上がりを狙っていくのも良いでしょう。

 割安成長株への分散投資では、数年で50%程度の値上がりが見込める銘柄を多数見つける必要があります。リスク分散とキャピタルゲインの確保を両立し得る良い方法ですが、銘柄発掘に時間がかかります。時間に少し余裕のある個人投資家にオススメの方法です。

 割安高配当株への分散投資は、インカムゲインを確保しやすいメリットがあります。FIREに向けて着実に前進できるほか、FIRE後に資産を守るスキルも身に着きます。ただ、30代でのFIRE達成にはキャピタルゲインも不可欠です。そのため、割安高配当株への分散投資は、相場暴落時や権利落ち日など、株価が低迷したタイミングを強く意識しましょう。

 割安高配当株の選び方としては、配当利回り4%+株価回復10%強=年15%程度の利回りを目指したいです。この点は、集中投資の場合と同じですね。

割安成長株への集中投資がFIREへの近道

 20代・30代など早い段階でFIREを実現したい場合、割安成長株への集中投資が近道です。割安成長株は「業績成長×PER修正」によって一気に株価が上昇するチャンスが大きいからです。割安に放置されている中小型株から成長力のある銘柄を見付けたり、IPOセカンダリー投資で人気薄の銘柄を拾ったりすると良いでしょう。

 ただし、ダブルバガーを達成しても、投資元本が小さすぎると効果は限定的です。FIREを目指す投資家は労働を苦痛に感じている場合も多いでしょうが、最初は労働で収入を確保し、入金力を活かして投資元本1000万円程度を確保します。その上で、割安成長株への集中投資でFIREに必要な6000万円へと駆け上がっていきたいものです。

優待株や割安高配当株への分散投資はFIREへ向かう投資家のメンタルを支える

 FIRE実現には労働による入金力強化や投資の継続が不可欠です。労働にかかる時間や心の余裕度を踏まえながら、割安高配当株への分散投資~割安成長株への集中投資を選択しましょう。

 現実的には、FIREへの近道である割安成長株への集中投資を軸としつつ、優待株や割安高配当株にも分散投資することで、落ち着いた心理状態でFIREの元本形成に繋がる投資を行えると思います。FIRE達成後の投資ノウハウを同時に身につけることができるほか、相場暴落時にも株価がヨコヨコの銘柄を売却して極端な割安成長株を仕込む資金にも使えます。

 FIREを目指す配当金生活ファンドでは、

  ①割安成長株への集中投資:50~60%程度

  ②割安高配当株・米国高配当株ETFへの分散投資:30%程度

  ③相場暴落を待つ現金:10~20%程度

に資産配分しています。分散投資の部分で米国高配当株ETFを組み入れることで通貨分散とアメリカ経済の成長力を取り込む狙いです。少し分散投資への配分が大きいような気もしますが、この辺りは投資家それぞれがFIRE達成を目指す年代や入金力に応じて調整して良いでしょう。

2022年5月6日金曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-図書カード優待が魅力の東京個別指導学院(4745)

 ・東京個別指導学院(4745)の事業内容

 東京個別指導学院は、銘柄名からもわかる通り個別指導塾を展開しています。教育系のビジネスは少子化で苦しくなりがちですが、子供1人あたりの教育費は高水準であることや、個性に合わせた教育へのニーズが高まっていることもあり、塾、とりわけ個別指導塾は今後も一定の人気を維持できると考えています。

 「東京個別指導学院」ブランドでの関東エリア展開に加えて、「関西個別指導学院」ブランドで関西エリアでも個別指導塾を展開しています。全国の都市部に立地することにより、安定した収益を確保できると考えられます。個別指導塾については集団塾についていきづらい子供にも対応することができるメリットがあります。

 特に中学生の定期テスト対策や高校受験対策でのニーズが高いと考えており、校舎を多数抱えることで気軽に通いやすくなるでしょう。電車やバスに乗って通塾するのではなく、自転車で気軽に行ける個別指導塾になれればよいと思います。東京・神奈川に教室が160以上あるのに対して、大阪24教室・愛知8教室など差が激しいです。他の大都市圏にも出店を進めることで、個別指導塾の売上・利益が伸びる余地があるでしょう。

 個別指導塾以外については、文章教室科学教室などを展開しています。売上高の構成比は2%程度と極めて小さいです。ただ、校舎数も個別指導塾266に対して文章・科学教室は16と少なくなっています。今後、教室数が伸びれば売上・利益への貢献度は増すでしょう。親会社ベネッセ系列のため指導や教材のノウハウを活かせるほか、教育事業の中でも個別指導塾以外の比率を高めることができれば業績が安定しやすくなるでしょう。共通テスト導入などもあって思考力を幼少期から育てたいというニーズもあるため、堅実な成長に繋がる可能性があります。

 また、コロナ禍で広がったオンライン指導をうまく取り込めれば、個別指導部門の業績を伸ばしやすくなるでしょう。大都市のように校舎周辺に一定数の子供がいる地域だけでなく、少子化が進むエリアでも利益を確保できるようになれば業績に追い風が吹きます。

 

 ・東京個別指導学院はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.44%(2022年5月02日)

 優待利回り=2.5%程度

 PER=18.83倍

 配当性向=90%程度(2022年2月期)

 現金同等物÷有利子負債=∞倍(2021年3月)

 利益剰余金÷当期純利益=3倍以上(2020年2月期)

 東京個別指導学院は有利子負債がゼロであり、金利上昇リスクを無視できます。優待株や高配当株については減配や優待廃止のリスクに注意が必要ですが、東京個別については財務が良好のため不安は小さいです。FIREに最適な高配当株の1つと言えるでしょう。100株保有だと配当+優待利回りが6%を超える高水準であり、FIRE後のポートフォリオに残す確率が高い銘柄です。

 2021年2月期は配当性向が100%を超えましたが、コロナ禍で教室を閉鎖したことによる売上減少が主因です。オンライン対応が遅れたとの見方もできますが、黒字は維持できたことや、2022年2月期は業績が回復傾向で配当性向も100%を下回ったことから大きな問題ではないでしょう。そもそも配当性向が100%近いですが、財務が鉄壁で業績もコロナのような特殊要因を除けば検討ですので、むしろ逆境でも安定配当を出してくれる高配当株としての魅力が光ります。 

FIREに向けた東京個別指導学院の活用法

  FIREに向けて東京個別指導学院は優待+配当利回りを維持してほしいです。優待はカタログなのですが、1500円相当の図書カードを選択できるため実質的に図書カード優待と考えています。株価が3桁と安いため優待利回りが3%近くあり、100株保有のメリットが大きいです。投資額が小さくなるためFIREへの貢献度は極めて小さいですが、それでも地道な積み重ねが4%ルール達成に欠かせないため、東京個別指導学院も高利回りの優待株として活用すべきでしょう。

 配当面でも、2021年2月期には1株当たり純利益が4.7円しかなかったにもかかわらず年間26円配当を継続しており安心感があります。FIRE実現後に配当金生活をする際はすぐに減配する銘柄は避けたいですね。東京個別指導学院のように財務が良好な銘柄に分散投資することが大切になります。 

FIREを目指す配当生活ファンドは東京個別指導学院に投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:継続保有

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に東京個別指導学院を100株保有しています。上記の通り図書カード優待狙いのため、100株保有を継続する方針です。株価が多少上昇したとしても投資額が小さい分利益は限られており、機動的な売却はせず原則として継続保有したいと思います。 一方、株価が下落した場合は配当利回りが高まるため、追加投資の可能性もゼロではありません。ただし、全体相場が下落する局面では4%ルール達成よりもFIREに必要な投資元本6000万円の形成を優先するため、割安成長株を狙います。東京個別の買い増しは、個別要因で株価が一時的に下落した場合に限られます。

 2022年5月09日には、東京個別指導学院から第39回定時株主総会招集の通知が届きました。来年からは電子化されるとのことですが、フルカラー印刷で環境への配慮やコスト削減に逆行しているように感じました。株主還元姿勢は素晴らしいのですが、こうした小さなポイントは気になります。

2022年5月5日木曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-配当利回り5%超の高配当株三井住友フィナンシャルグループ(8316)

 ・三井住友フィナンシャルグループ(8316)の事業内容

  三井住友フィナンシャルグループはその名の通り金融系事業を展開しています。規模の大きい事業としては、銀行業、証券業、消費者金融業、カード事業などが挙げられます。

 三井住友銀行については言わずと知れた大手都市銀行です。三菱UFJ銀行みずほ銀行とあわせて3メガバンクと呼ばれています。銀行業はキャッシュレス決済の進展が進んでいることもあり、店舗やATMの維持コストがかさんでいます。三井住友銀行も対策を進めており、三菱UFJ銀行との共同利用ATMを増やしてATM削減を進める取り組みが一例です。メガバンクとしての知名度を活かして利益を確保することは可能と思いますので、店舗統合やAI活用などの効率化が着実に進むことを期待します。

 SMBC日興証券については暗いニュースも出てしまっていますが、大手証券の1つとして高い知名度を誇ります。IPOの主幹事を務めている場合も多いです。日本株市場は海外投資家からの関心が低下していると指摘されています。一方、日本では着実に個人投資家が増加しており、社会保障への不安が大きい現状では今後も投資家は増加するでしょう。SMBC日興証券を含めた対面型の証券会社でも、インターネットコースを利用すれば売買手数料を抑えることができます。「無料で買える宝くじ」と言われることもあるIPO抽選に参加し、IPO当選を狙うには主幹事証券会社での口座開設が重要です。SMBC日興証券もIPO投資に関心の高い個人投資家を取り込み、業績を伸ばしてほしいところです。

 クレジットカード事業については、三井住友カードが有名です。ブランド力は絶大なため、クレジットカードにステイタス性を求める人々にとっては三井住友カードの魅力は大きいでしょう。近年では楽天カードなどポイント還元率の高いカードが人気を集めていますが、三井住友カードも若年層向けのデビュープラスカードでポイント還元率を1%とするなど、ポイント還元による利用者獲得を意識しています。 

・三井住友フィナンシャルグループはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=5.43%(2022年5月02日)

 PER=7.92倍

 配当性向=40%台(2022年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融株のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍以上(2021年3月)

 三井住友フィナンシャルグループは、成長性への期待は持てません。銀行業は発展が見込みづらいですし、日本の国内人口は減少傾向です。クレジットカード事業や海外事業の伸びには期待していますが、大型株なので、大幅な成長は無理でしょう。したがって、割安高配当株には該当しません。

 一方、典型的な割安高配当株であり、配当金を着実に確保する上では欠かせない銘柄です。配当性向に無理がなく、増配傾向であることから多少業績が落ち込んだ場合でも安心して継続保有できます。2018年3月期は1株当たり純利益500円超に対して年間170円配でしたが、2021年3月期は1株当たり純利益 が400円弱だったのにもかかわらず年間190円配を実現しており、利益が伸びている場合に限らず、余力があれば増配を進めていく方針が窺えます。すでに配当金生活を実現している個人投資家の方で、日本株を保有されている場合は三井住友フィナンシャルグループはポートフォリオに入っている確率が高いでしょう。

FIREに向けた三井住友フィナンシャルグループの活用法

  三井住友フィナンシャルグループは割安高配当株なので、FIREに向けて配当金を確保することができます。また、金融株は景気変動の影響を受けやすいため、株価低迷期に購入できれば一定の値上がり益も見込めます。投資元本に対する配当利回りを高める観点からも、株価低迷期に購入することが極めて大切です。中長期的に大幅な値上がり益が見込める銘柄ではないため、株価が上昇してPERが高くなったり、配当利回りが4%を割るような水準になってくればあっさり売却するのが得策でしょう。 

 また、業績がヨコヨコであっても増配姿勢が見られるため、配当利回りが高まることで配当金収入が伸びるほか、増配が株価を押し上げる可能性もあります。FIREに向けて投資したい割安成長株が多く見られる局面では、株価が堅調な銘柄として現金比率を高める観点で売却する調整弁として活用することもできそうです。

FIREを目指す配当生活ファンドは三井住友フィナンシャルグループに投資するか?

 保有数:200株

 今後の方針:継続保有か一部売却

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に三井住友フィナンシャルグループを200株保有しています。配当利回りが5%を超えている点や、増配姿勢が見られる点を評価しています。ただし、大型株のためダブルバガーは期待しづらく、200株保有どまりです。今後は、金利上昇に伴う株価上昇が進む過程で売却も視野に入れようと思います。ただし、インフレに伴って中長期的に業績・配当水準が押し上げられるようであれば、FIRE達成後も高配当株としてポートフォリオに残してよい銘柄だと考えます。 

2022年5月4日水曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-高配当株も株主優待は2024年3月廃止のオリックス(8591)

 ・オリックス(8591)の事業内容

 オリックスは、金融系事業を始め多様な事業を展開しています。リーマン・ショック時には株価が大暴落しましたが、その後は事業の多角化を進めるなどしてリスク分散を図っています。金融系以外の事業では、太陽光発電や物流施設の整備など、Eコマース拡大やESG投資の人気化など、近年のトレンドに合った取り組みが魅力的です。

 リース事業については、ロシアでの航空機リースがウクライナ戦争による影響を受けそうです。事業収益が減るだけでなく、リース中の航空機が回収できるのかどうかにも不安があり、注視が必要です。ただし、事業が多角化しているため、オリックスの経営を揺るがすような事態になることは想定していません。

 保険事業はよくオリックス生命のテレビCMを見かけるように思います。日本人は保険に入りすぎともいわれていますが、その分多くの保険会社が収益を上げられているのが実情です。今後も安定した収益に期待できるでしょう。

 プロ野球オリックス・バファローズの運営も行っています。昨年度はリーグ優勝を果たすなど注目度は高まっており、人気上昇で球団単体で多くの黒字を出し続けられるようになってほしいものです。ただ、大阪(兵庫)には大人気の阪神タイガースがあり、オリックスが阪神より人気になることはないと思います。それでも、近年はパリーグの人気が上昇していることから、オリックス・バファローズがオリックス全体にも好影響を与えてくれることを期待しています。

 関西3空港の空港運営事業については、コロナ禍でのインバウンド消失等が大打撃となっています。ただ、足元では国内旅行需要が高まっているほか、インバウンドも10年スパンで見れば回復余地は十分です。中期的には、2025年の大阪万博の際にアフターコロナになっていれば、インバウンドを含めた多くの旅行客が関西空港・伊丹空港等を利用することが見込まれます。ビジネス需要はコロナ後も完全には回復しないと言われていますが、人口減少が進む日本で観光産業は成長が期待できる数少ない分野であり、観光立国を目指す上で中国や東南アジアに近い関西3空港は成長が期待できるでしょう。

 事業投資部門については、利益の浮き沈みが起こりやすいです。ソフトバンクグループのような投資会社になっているわけではないですが、大規模損失が出るリスクもあるため、要注意の事業と言えるでしょう。 FIRE実現のために中長期投資を考えるなら、オリックスの事業投資部門が一時的に大きな損失を出して株価が急落する場面はチャンスと考えられます。

・オリックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.31%(2022年5月02日)

 PER=9.17倍

 配当性向=30%程度(2021年3月期)

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融系銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍程度

 オリックスはPERが10倍を下回っており、配当利回りが3%以上あることから割安高配当株に該当します。FIREを目指す上でポートフォリオに組み入れたい銘柄と言えるでしょう。ただし、PERについては金融銘柄ということで少し割り引いて考える必要があります。配当利回りについては三井住友FGなどの金融系グループと比べて見劣りしますが、配当性向が低いことや、2021年3月期は下限配当78円を設定しており配当金支払いに安心感があることなどから許容範囲だと思います。 

FIREに向けたオリックスの活用法

 オリックスは、リーマン・ショック時に業績が悪化した際、機関投資家から大量の売りを浴びることで株価が大暴落しました。その反省を活かし、中長期的にオリックス株を保有する個人投資家を大切にしていました。

具体的には、100株でカタログギフトの株主優待があり、お米やお肉といった食品も含まれていることから、生活コスト削減に繋がる内容でした。また、すみだ水族館京都水族館の年間パスポート引換券などもあり、ファミリー層などにも楽しんでもらえる工夫が好印象、3年以上継続保有の場合はカタログがアップグレードされる長期保有優遇も実施されており、極めて魅力的な株主優待の1つだったと言えるでしょう。

 しかし、オリックスは、2022年5月11日に株主優待制度の廃止を発表しました。個人投資家への影響の大きさを懸念してか2024年3月末権利確定までは継続とのことですが、魅力ある優待だっただけに大変残念です。割安高配当株ではあるため、FIREを目指す配当生活ファンドでも活かすことはできます。

 FIREを目指す配当生活ファンドはオリックスに投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:早期売却

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、オリックス 株を100株保有しています。カタログギフトの株主優待では毎年お米を選んで生活コストを削減できており、割安高配当株でもあることから基本的には継続保有の方針でした。しかし、2022年5月11日にオリックスは2024年3月末をもって株主優待制度を廃止することを発表しました。そのため、株価推移を見ながら早期に売却したいと思います。

2022年5月3日火曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-伊藤園第一種優先株式(25935)

 ・伊藤園第一種優先株式(25935)の事業内容

 伊藤園は「お~いお茶」ブランドが高い知名度を誇る飲料メーカーです。伊藤園やお~いお茶を全く知らない日本人はかなり少ないと思われます。日本の上場企業では珍しく議決権がない代わりに配当が多めにもらえる優先株を発行しています。個人投資家の場合、議決権を重視する人は少ないでしょうから、伊藤園のように優先株を発行する上場企業が増えてほしいですね。

 緑茶事業は、ギネス登録を受けるなど国内で高いシェアを誇っています。ただし、キリンやコカ・コーラ、サントリーなどの茶系飲料も検討しており、シェアの維持には一定のコストがかかると考えています。一定の利益を維持できるのであれば、無理にトップシェアを守ろうとしなくても良いようにも感じます。

 緑茶以外の飲料事業については、「健康ミネラル麦茶」などの茶系飲料の他、タリーズブランドを活かした甘みのある飲料なども製造しています。伊藤園のラインナップは緑茶飲料に偏りすぎているため、他の飲料事業を伸ばすことが急務です。自動販売機向けの輸送ネットワークなどは緑茶飲料でトップシェアの伊藤園がスケールメリットを活かせる分野のため、茶系飲料以外については逆に価格面での魅力を訴求するところから始めていくのも良いでしょう。

 伊藤園はタリーズコーヒーの運営も行っています。コロナ禍で大苦戦してきた事業ですが、アフターコロナ時代においては喫茶店需要の回復が見込まれます。また、タリーズブランドを活かすことで、緑茶以外の飲料市場でシェアを高めるチャンスに期待です。逆に、茶系飲料の製法などを活かしたドリンクをタリーズの店舗で積極展開するなど、相乗効果を意識した戦略を望みます。

 海外では北米事業を展開しています。人口減少で国内市場の拡大を見込みづらい中、海外事業を展開していることは評価できます。日本ならではのブランド力を活かした、堅実な事業成長に期待です。 インバウンド回復などで日本への関心を高めることができれば、緑茶を日常的に飲む外国人が増加することで、海外事業の成長につなげやすくなるでしょう。

・伊藤園第一種優先株式はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=2.62%(2022年5月02日)

 PER=13.13倍

 配当性向=-%(優先株のため)

 現金同等物÷有利子負債=10倍以上(2021年4月)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍程度

伊藤園第一種優先株式は、普通株の25%増しの配当がもらえます。ただし、足元では配当利回りが2%台半ばであり、高配当株には該当しません。また、PERを見てみると割高ではないですが、割安感も今一つ、成長性にも大きくは期待できません。ではなぜFIREを目指す配当金生活ファンドに向いているかといえば、財務が良好であること、ディフェンシブ銘柄であること、後述のように株主優待があることが挙げられます。ポートフォリオのリスク分散に役立つ、堅実な銘柄と言えるでしょう。 

FIREに向けた伊藤園第一種優先株式の活用法

 伊藤園第一種優先株式は、FIREを目指す上でリスク分散に活用しています。現金比率を高めておくことだけでなく、株式においても最低限の分散を行うことで、ポートフォリオの急減を防ぐことが可能です。割安成長株など攻める銘柄については、1銘柄当たりポートフォリオの10%前後などとし、ディフェンシブ銘柄は1銘柄当たりポートフォリオの1%程度とするなどメリハリをつける上で役立ちます。

また、伊藤園第一種優先株は4月末を権利確定月として、自社製品(飲料セット)の株主優待がもらえます。1500円相当の伊藤園飲料であり、10種類程度の缶飲料などがもらえるようです。優待株は株価の下値が堅くなるほか、投資をしているメリットを強く実感しやすい仕組みです。FIRE実現には一定の時間がかかるため、守りの銘柄では優待株も組み入れて、投資に対するモチベーションを高めると良いでしょう。 

FIREを目指す配当生活ファンドは伊藤園第一種優先株式に投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:ポートフォリオの現金比率により売却検討

伊藤園第一種優先株式は、FIREを目指すポートフォリオの守りの銘柄です。そのため、ポートフォリオの現金比率が極端に低い場合は売却するのもアリだと思います。FIRE実現のためにはキャピタルゲインを多く得ることも不可欠なため、伊藤園第一種優先株のような守りの銘柄を買い増しすることは考えていません。あくまでも最低単元の100株保有で自社製品の株主優待+普通株×1.25倍の配当をコツコツ得ていくことが良いと考えます。

2022年5月2日月曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-割安高配当株ジャックス(8584)

 ・ジャックス(8584)の事業内容

 ジャックスは金融事業を手掛けています。取り立てが厳しいとの声もありますが、その分良質な債権を維持できているともいえるでしょう。景気変動の影響を受けやすい業種ではありますが、堅実な成長が見込めると考えています。

 クレジットカード事業については、JACCSカードを発行しています。大きくカードの人気が高まることは考えにくいですが、安定した収益源になるでしょう。また、日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れており、今後もキャッシュレス決済比率は高まると考えられます。クレジットカード市場全体が伸びる中でシェアを維持できれば、JACCSカードでの決済額も伸びることが期待できます。

 オートローンなどの各種ローン事業については、金利変動の影響を受けやすいです。ただ、インフレが発生すればローンを組む人の割合が増えたり、借入額が大きくなったりする可能性もあり、インフレに強い事業と考えられます。 FIREではインフレで生活費が上昇するリスクをヘッジする必要があるため、インフレに強い事業を展開する銘柄は魅力的です。」

 金融事業を展開するジャックスの注意点としては、金融危機が生じた際にはいくら債権が良質といっても不良債権化するリスクがあります。また、リーマン・ショック級の金融危機の場合は、債権の質は考慮されず、金融銘柄として一律に売り込まれる可能性も否定できません。FIREを目指す上で割安高配当株は魅力度が高いのですが、かつてのオリックスのように株価が大暴落する可能性もあり、投資比率は投資指標の割に少し控えめにしておく必要があると思います。

・ジャックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.85%(2022年4月28日)

 PER=6.24倍

 配当性向=30%程度(2022年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=***倍(金融銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=8倍程度(2022年3月期予想)

ジャックスは配当利回りが高く、PERも低い典型的な割安高配当株です。金融株は景気変動の影響を受けやすいこともあり割安な銘柄が多いですが、ジャックスは特に割安と言えるでしょう。好調な業績を背景に増配も実施しており、FIREに最適な銘柄と言えそうです。東南アジア地域などへの進出が国内の停滞を補えれば、今後も業績アップ&増配に繋がります。

  ・FIREに向けたジャックスの活用法

  FIREを実現するためには、ポートフォリオの配当利回りを高めることが重要です。成長株に投資して元本を大きく増やすことの方が大事なのですが、値動きの激しい銘柄への投資は難しいため、ジャックスのような割安高配当株にも積極的に投資しています。割安高配当株であれば、株価が横ばいでもFIREに必要な配当金を積み上げることができますし、割安感が解消されれば売却してキャピタルゲインを得ることも可能です。減配リスクに注意しつつ、適度に分散投資もしながらジャックスのような高配当金融株でFIREに一歩近づきたいです。

 また、FIRE 達成後も金融株は高配当株として継続保有する必要があります。FIRE実現後は分散投資を徹底することが大切であり、FIREに必要な投資元本6000万円を確保する過程で出会った割安高配当株については、売却後も業績動向をある程度把握して気体と思います。ジャックスのように、業績が良い場合には配当をしっかり出そうとする姿勢を持った企業は、FIRE後も配当金生活に役立ちます。 

FIREを目指す配当生活ファンドはジャックスに投資するか?

 保有数:500株→400株

 今後の方針:株価上昇を待って一部売却→高配当株として一部継続保有?

FIREを目指す配当生活ファンドでは、割安高配当株で目先の業績に大きな不安がないことからジャックスに投資しています。ただし、金利上昇リスクなどの影響で業績が徐々に厳しくなる可能性もあり、株価上昇局面では少しずつ売却したいと思います。ただ、配当利回りが高いため、高配当株として100株などを継続保有することも一案です。 直近でぇあ、2022年4月に業績の上方修正と増配を発表した際に100株を売却しました。まだまだ割安なのですが、FIRE実現に向けて投資したい銘柄が多数あり、ポートフォリオの現金比率も低かったことから一部売却に至りました。

2022年5月1日日曜日

【配当利回り6%超の高配当株】高い利益率を誇るJT(日本たばこ産業)(2914)だが株主優待は廃止...

国内高配当株JT(日本たばこ産業)【2914】の投資情報

配当利回り(税引き後):6%超(2022年5月)
配当性向:75%程度(2022年12月期)
最低投資金額:約20万円
営業利益率:20%台
株主優待(パックご飯、水など、年2回)は廃止
保有株式数:100株→0株(割安成長株重視に転換したため売却済み)

JT(日本たばこ産業)【2914】は、配当利回りが極端に高い銘柄です。配当性向の高さは気になりますが、タバコという依存性の高い製品の市場を寡占していることから、利益率が高水準となっています。利回りの高さと安定性から、JT(日本たばこ産業)は高配当株に投資するFIRE後の銘柄として適しています。

国内高配当株・JTは株主優待品の到着も楽しみでしたが...

配当金生活ファンドでは、大型高配当株の1つとしてJTを保有していました。タバコ市場は健康への影響が懸念されていることもあり急速に縮小していますが、海外市場の拡大を進めることで利益を確保しています。ただし、ウクライナ危機によりロシア事業の先行きが不透明なことなどから、JTの海外たばこ事業の衰退が懸念されます。

最低投資金額が約20万円程度のJTは年間配当が150円でして、税引後でも5%超の配当利回りす。株主優待の廃止で零細個人投資家には逆風ですが、配当をしっかり出そうという姿勢は継続されています。ただ、株価は低迷しており、投資家はJTのたばこ事業について、将来性を大いに懸念していることの表れですね。

JTは高配当に加えて株主優待も実施していました。株主優待では自社製品(食品)をもらうことができ、配当金生活ファンドでは、レトルトのお粥・パックご飯のセットを複数回いただきました。生活コストを削減できる魅力ある優待品で、高配当株&優待株としてJTを重宝していただけに残念です。

普段はパックご飯を食べる習慣はないのですが、災害への備えに役立つため有意義な株主優待だったと思います。自社製品を優待品にすることで、たばこ事業以外への取り組みを株主にアピールできることから、株主優待の活用法としては優れているのかなと思います。それでも、配送コストがかさむほか、先行き不透明なたばこ事業から高配当を継続するためにも、やむなくJTは優待廃止に至ったのでしょう。

たばこ市場成熟のためM&Aを含め食料品事業の拡大に期待

海外たばこ市場で利益を確保しているJTですが、いずれは限界が来ます。そのため、新事業の育成を急いでもらいたいところです。

期待できる事業は食料品事業でして、すでにテーブルマークのブランドでかつては株主優待品にもなっていたパックご飯などを提供しています。今後はさらに商品ラインナップを増やし、非常食になりそうなものを中心に着実にシェアを拡大してほしいと思います。

また、多くの利益をベースに海外たばこ市場でM&Aに積極的ですが、食料品事業などでもM&Aを有効活用してほしいところです。今後10年程度の間に、たばこ事業への依存度を今よりも下げて、事業リスクを分散させてくれれば、FIRE後の個人投資家が長期保有しやすくなると思います。