2022年5月11日水曜日

オリックスが2024年3月末で株主優待制度廃止へ。個人投資家切り捨てが鮮明。

オリックスの人気優待が廃止に

 オリックスは、3月末を権利確定月としてカタログギフトの株主優待を実施していました。この制度ですが、2024年3月末を持って優待廃止になるとの発表がありました。100株所有の個人投資家にとっては、お米やお肉など様々な商品が選べる魅力ある優待だっただけに、非常に残念です。

 理由としては、「公平な株主還元を目指す」という無難な記載です。いきなりの優待は医師ではなく、2024年3月末までと猶予を持たせてはありますが、個人投資家を切り捨てる内容と言えるでしょう。

 もともとオリックスの優待は、リーマンショック時の株価大暴落を踏まえて人気優待に設定されていました。相場暴落でも売らない中長期保有の個人投資家の保有比率を増やし、株価を安定させるためです。

 しかし、リーマンショック後に事業の多角化を進めたオリックスは、もはや金融危機が起こっても株価大暴落はないと判断したのでしょう。個人投資家をうまく利用しただけとしか思えず、大変印象が悪いです。FIREを目指す配当生活ファンドでも、オリックスは中長期投資には適さない銘柄として、組み入れを極力避けようと思います。

増配や下限配当を設定も優待廃止姿勢から信用しがたい

 オリックスは、株主優待の廃止と同時に増配や下限配当の継続設定を発表しています。株主還元姿勢を示す内容であり、一般的には前向きに評価して良いでしょう。

 しかし、今期の配当はしっかり出したとしても、業績が不安定化した場合などは大減配するリスクが高いと考えます。株主をうまく利用しようという姿勢が優待廃止から見て取れるためです。FIRE実現のためには、安定したインカムゲインを得る必要があります。オリックスのように、裏表が激しい還元姿勢の銘柄は、割安高配当株であってもポートフォリオに組み入れづらいです。

 もっとも、金融危機で大減配した場合は、優待廃止で中長期の個人投資家を切り捨てたこともあり、株価の大暴落が期待されます。そのため、オリックスは暴落時に購入すれば短期間で大きなキャピタルゲインが狙える銘柄の筆頭格として、念頭に置いておきたいと思います。