2022年5月17日火曜日

FIREを目指すなら現金+優待株活用で大暴落時のリスクヘッジを

FIRE実現には割安成長株一辺倒ではハイリスク

 FIREに必要な資産額は、4%ルール&生活費月20万円の場合で6000万円にもなります。20代や30代でFIREを達成するためには、労働収入で6000万円の投資元本確保は困難です。そのため、ダブルバガーを狙える割安高配当株への集中投資が軸となります。

 しかし、割安成長株といっても、相場全体がリスクオフになった場合は株価が急落するリスクが高まります。株価下落でFIREから遠ざかると、労働を苦痛と感じる個人投資家の心理に大ダメージです。

 20代~30代でのFIRE実現には、投資を10年程度は継続する必要があります。そのため、割安成長株投資を行いつつ、優待株や現金も活用してリスクヘッジを行いましょう。信用取引などはもっての他です。

優待株は金融危機などの相場暴落に強い

 優待株は、株主優待に魅力を感じる個人投資家の保有比率が高いです。人気の優待株には、オーナーズカードでキャッシュバックが受けられるイオンや、カタログギフト優待がもらえるオリックス、沖縄セルラー電話などがありますね。

 金融危機などの相場暴落が発生した場合、機関投資家からの売りが殺到します。ところが、優待株は株主優待を手放したくない個人投資家が継続保有するため、下値が限定的です。FIREを目指す配当生活ファンドの含み損を抑制できます。

 また、相場暴落時には、優良株でも大きく下落することが多いです。株価下落幅が小さい優待株を売って、大きく下げた優良株の復活を狙う投資も可能です。優待株は、相場暴落時に換金しやすい銘柄としても活用できます。

 ただし、株主優待の廃止や改悪には注意が必要です。有名な優待改悪・廃止の例としては、ビレッジバンガードや吉野家ホールディングス、JT(日本たばこ産業)などが挙げられます。いずれも個人投資家に人気の優待株だっただけに、優待利回りの低下と株価下落リスクが痛い改悪・廃止です。

 そのため、優待株選定の際には、純利益に対して優待コストが大きすぎないかを確認すべきです。時価総額の小さい銘柄が多くの個人投資家に人気の優待を提供している場合は要注意ですね。オリックスのように、個人投資家を大切にするべく優待改悪は全く考えていないと発信する優待株を狙うのも一案です。

優待投資家として超有名な桐谷広人さんも優待株で生き延びる

 優待株には、食料品や飲食割引券を贈る銘柄も多いです。例えば、日本マクドナルドHDや吉野家HDなどは自社クーポン券、伊藤園第一種優先株なら自社飲料がもらえます。株価が低迷して個人投資家の生活が苦しくなる場面では、株主優待品で生活コストの一部を賄うことが可能です。

 実際、優待投資家として有名な桐谷広人さんは、リーマン・ショック時の相場暴落で生活が苦しくなったそうですが、優待品のレトルトカレーなどを食べて凌いだそうです。桐谷さんのような億り人でないと現金を使わない生活は無理ですが、優待株を生活コスト削減に使えるのは安心材料ですね。

 また、優待株はFIRE達成後に4%利回りを確保する上でも役立ちます。FIREに必要な6000万円を分散投資するには多くの銘柄をチェックする必要があるためです。FIREの投資元本6000万円を貯める過程で、分散投資に役立つ優待株の情報を頭に入れておくと良いでしょう。

FIRE大失敗のリスクヘッジに優待株+現金を活かそう

 FIREを目指す20代・30代は労働を苦痛と感じている人が多いです。そのため、投資に大失敗してFIREが実現不可能となると、労働の苦痛がよりひしひしと感じられると思います。FIREへの道のりが少し長くなっても良いので、優待株+現金を活かしてリスクヘッジしておくと良いでしょう。

 現金比率については、10%~20%を目安と考えています。相場暴落時でも10%は残し、相場が堅調な時は入金力やインカムゲインを積み上げて20%にしたいです。現金比率が20%程度あれば、相場暴落時に優良株や米国高配当株ETFなどでキャピタルゲインを狙えます。