・スプリックス(7030)の事業内容
個別指導塾では、教室1つ当たりの生徒数が重要です。生徒数が多ければアルバイト講師などの運用を効率的に行いやすいほか、友達や兄弟などの紹介を受けやすくなることで広告宣伝費も削減できます。また、地元の公立中学校の定期テスト対策や公立高校受験対策などを行う上では、地域の実情を把握しやすくなり指導品質向上も期待できるでしょう。森塾では他の個別指導塾と比べて校舎当たりの生徒数が多い点に特徴があります。また、塾で使う教材の販売も行っているため、生徒単価を確保しやすい点も魅力と考えています。高収益である点が森塾事業の魅力で、近年は少し校舎当たりの生徒数が減少気味ですが、新規開校が多いことや、依然として生徒数が極めて高水準である点には変わりないことから、大きな問題とは考えていません。
また、スプリックスは森塾のようなスケールメリットを活かしづらい地域(≒少子化が進んでいる地域)では、「自立学習RED」を展開しています。講師が勉強を直接指導する形態ではなく、勉強をサポートする形をとることで、生徒数が少ない場合でも効率的に運営することが可能です。世界を見据えている教育系企業だけあって、まずは日本のあらゆる地域でスプリックスの教育サービスを提供し、十分な収益を確保できる体制を整えていると言えます。
湘南ゼミナールの集団塾部門については、神奈川エリアでステップ・臨海セミナーとあわせて知名度の高い塾のようです。そのため、一定の生徒数を安定して集められると考えています。また、湘南ゼミナールの業績が今一つなためスプリックスが買収したわけですが、余剰人材を出店攻勢を続けている森塾の個別指導塾で活用するなどの効率化を進められれば、収益力をアップさせられると思います。東京圏や大阪圏など人口密集地域では少子化が進んでいるとはいえまだまだ一定の子供の数が見込まれるため、湘南ゼミナールの集団指導塾事業も一定の利益貢献が可能でしょう。
長期目線では、プログラミング事業や検定事業などが大きく伸びる可能性があります。この辺りの新規事業は業績への貢献を具体的に見通すのが現時点で難しいように思いますが、全体で黒字になる程度の投資額では済んでいるということなので、FIREを目指すにあたってスプリックスはギャンブル投資にはならず、成長期待と言ってよいと思います。これらの事業については、利益貢献に期待するというよりは、ダブルバガーやテンバガー達成に繋がる可能性のある魅力ある事業として念頭においておく感じでよいと思います。
・スプリックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?
配当利回り=3.11%(2022年4月28日)
PER=11.94倍
配当性向=40%以下(2022年3月期)
現金同等物÷有利子負債=2倍以上(2021年3月)
利益剰余金÷当期純利益=5倍以上(2021年3月期)
・FIREに向けたスプリックスの活用法
・FIREを目指す配当生活ファンドはスプリックスに投資するか?
保有数:2800株→3300株
今後の方針:数年スパンで株価上昇(ダブルバガー以上)を待つ。
スプリックスは中長期で大幅な値上がりに期待しています。先行投資がかさむ間は利益の急進は難しいことも考えられるため、1年程度ではなく、3年~5年程度で株価が2000円台になるのを待つ方針です。FIRE達成のためには投資元本6000万円の確保が必要ですので、スプリックスのようなダブルバガーを複数狙うことが求められます。ただし、大コケすると元本が毀損されますので、FIREを目指す際は割安成長株や、スプリックスのように成長性重視でもある程度配当も出している銘柄を狙う考えです。既に投資額がFIREを目指すファンドの2割程度に達しているため、株価が下落した場合も追加投資は考えていませんでした。
しかし、2022年9月の中間決算発表後に株価が20%近く下落する暴落が発生したため、買い増しを行いました。コンセンサスは下回りましたが増収増益見通しで、PERも1ケタとなるなど、相場全体、特に新興株の暴落に押された形と思われます…。
また、ダブルバガー実現後も一部を継続保有し、テンバガーに向かう流れも狙えると考えています。現在成長中の森塾や自立学習REDの貢献でダブルバガーを達成できれば、新規開校のコストが減ってくることや、プログラミング事業や検定事業などの伸びに注目が集まる可能性があるからです。この辺りは、ダブルバガーが達成された時点で、各事業の成長状況を詳しく確認して判断したいと思います。