・割安成長株ウィザス(9696)の事業内容
塾事業については少子化の影響もあり、先行きが不透明です。ただ、不採算校舎は減損が進められてきたこともあって、今後大幅に利益を圧迫するものとは考えていません。また、個別指導塾も展開しており、少子化が進む中でもある程度利益を確保できると思います。小規模な地域密着型の塾を買収することもあり、塾事業においても地味ではありますが利益を増やしていこうという姿勢が好感できます。M&Aを実施できるということは財務面でも一定の余力があることを確認できるため、FIREを目指す個人投資家が集中投資する銘柄として安心感があります。
ウィザスで成長力があるのは通信制高校事業です。通信制高校に対するマイナスイメージが世間で薄れてきていることや、オンライン教育への抵抗感が薄れていること、多様な進路を希望する子供たちが増えてきていることなどが追い風です。中学生部門の開始もあって、今後もウィザスの通信制高校事業は収益力が高まり、株価の押し上げ要因になると期待しています。生徒の通学頻度が少ないため、 従来型の学校と比べて設備の規模を抑えられるメリットがあり、少ないコストで収入を得られるため採算の良いビジネスであるとも言えるでしょう。
また、留学生向けの教育も提供しています。コロナ禍で留学生の入国が停止し打撃を受けているとのことですが、2023年3月期以降は、留学生の入国制限が緩和されることで採算が改善すると考えています。中長期的に日本の経済力が低下した場合、実質的な円安進行で日本が安価な留学先として人気を高める可能性もあるでしょう。ウィザスの事業全体に占める割合は大きくないですが、FIREを目指すファンドでは、相場からの退場を避けるべく安定した利益の積み上げができている銘柄も選びたいです。ウィザスはまさに安心感のある銘柄でFIREに向いていると考えます。
・ウィザスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?
株価=811円(2022年4月27日)
配当利回り=2.22%
PER=5.94倍
配当性向=20%台(2022年3月期予想)
現金同等物÷有利子負債=15倍以上(2021年3月)
利益剰余金÷当期純利益=4倍以上
・FIREに向けたウィザスの活用法
FIRE実現のためにキャピタルゲインを狙うにはいくつかの方法があります。その中で安心感が高い方法の「利益成長×PER見直し+配当」のパターンです。ウィザスは通信制高校事業において堅実な利益成長が期待できます。また、成長力があると判断されれば、PERが見直されることもあるでしょう。
教育系銘柄のため成長力への注目が一気に集まるとまでは言えないでしょうが、配当の積み増しやアフターコロナでの留学生回復などで、一定の成長力への期待感は高まると思います。利益が10%、PERも足元の約6倍から10倍程度へと6割ほど伸びてくれれば、株価は1.1×1.66≒1.8倍程度にまで上昇する計算になります。また、既に配当も出しているため、相場環境の悪化でPER見直しが遅れる場合でも、配当を受け取りながら粘ることができます。個人投資家のメリットを活かして、損小利大を実現できるよう期待値の高い銘柄については、安心して長期保有できるかどうかも意識して選びたいところです。
・FIREを目指す配当生活ファンドはウィザスに投資するか?
保有数:5400株(2022年4月27日)
今後の方針:株価上昇を待って徐々に売却
ウィザスは割安成長株で、FIREを目指す中で投資元本形成に大きく貢献してくれることを期待しています。ただ、既にポートフォリオの20%を超える保有比率となっていることから買い増しはせず、株価上昇に伴い徐々に売却を進めていきたいと思います。通信制高校の成長継続に加えて、留学生向け事業がアフターコロナ時代に回復すれば、利益水準がもう少し上に向かうため株価が1000円~2000円程度でスライス売りしていく方針です。株価が4桁に到達するあたりから徐々に売却し、FIREに向けた投資元本の積み増しに活かしていきたいです。