2022年4月29日金曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-割安高配当株イオンフィナンシャルサービス(8570)

・イオンフィナンシャルサービス(8570)の事業内容

 イオンフィナンシャルサービスはクレジットカード事業や住宅ローン事業などを手掛けています。イオンカードが有名ですね。東南アジア地域での金融事業に意欲的で、東南アジアの成長を取り込める可能性があります。コロナ禍で低所得者向け給付が多くキャッシング事業で貸し倒れが少ないですが借り入れも伸びにくい点が微妙なところです。住宅ローン事業やイオン銀行の知名度アップで着実な伸びに期待したいですが、爆発的な成長は難しいでしょう。アフターコロナでの業績回復に期待したいものですが、金利上昇などで経済が混乱すれば業績が大幅に下振れするリスクもありそうです。

 クレジットカード事業については、競争が激しいです。イオンでは毎月20日、30日のお客様感謝デーにイオンカード決済だと5%割引になるなどのメリットがあります。ただ、イオン以外ではイオンカードをあまり使わないのではないかと思います。楽天カードやセゾンカード、三井住友カードなどと比べた時に、イオンカードが特に優れているとは思えません。あくまでもイオングループのメリットを活かして安定した収益を上げる事業と言えるでしょう。ただ、逆に言えば実店舗型の小売店としてイオンは大きなシェアを誇っており、イオンで使ってもらえるだけでもイオンカード事業を展開するメリットはあります。

 東南アジア事業については、成長性に期待できます。ベトナムやインドネシアなど人口構成が若年層に偏っている国があり、所得水準の向上に伴う収益増に期待できます。短期的には金融危機等で大打撃を受けるリスクはありますが、中長期投資でFIREの投資元本形成を狙うなら、イオンフィナンシャルサービスの東南アジア事業の成長に期待するのも一案です。日本が貧困化しているなどと言われる中で、外貨建てで収益を得られる事業を展開している点も評価できます。東南アジアは中国との結びつきが強いですが、イオングループは中国事業にも積極的なため、中国企業に一掃されるようなことは今のところなさそうです。

 国内小売大手イオンが親会社のため、イオンフィナンシャルサービスも国内中心の企業と思われがちです。しかし、2022年2月期の営業利益ベースでは国内が260億円程度、メコン圏が150億円、マレー圏が130億円と海外が利益の柱です。成長力に期待できる反面、海外の政治情勢、金利動向やコロナ対策などの影響を大きく受ける点に注意しましょう。

 住宅ローン事業については、一度契約を取ると35年間関係が継続する場合もあります。イオン銀行が有名になってから35年経っているわけではないため、今後も着実にイオンフィナンシャルサービスの住宅ローン利用者が伸びるのではないかと思います。イオンでの買い物割引が受けられるイオンカードセレクトの発行も受けられるため、イオンで多くの買い物を進人にはメリットがあるでしょう。

 ただし、親会社イオンの株主優待(オーナーズカード)の方が魅力的ともいえるため、幅広い個人投資家が株式投資に興味を持ち、イオンの優待を手にする時代となればイオンカードセレクトの魅力は薄れてしまいますが...。また、イオン銀行についても、イオンモール等に立地させることで土地代を浮かせることができ、効率的な運営が可能です。ATMについてもワオンチャージ機能を搭載するなどすることで、単に現金を入出金する以外の役割を持たせて有効活用できます。

・イオンフィナンシャルサービスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.19%(2022年4月28日)

 PER=9.54倍

 配当性向=40%以下(2023年2月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=***倍(金融銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍以上(2021年2月期)

 イオンフィナンシャルサービスは、金融銘柄らしく配当に魅力があります。ただ、コロナ禍で減配した後、配当水準の回復ペースが緩慢です。株価も低迷しているため配当利回りは高く見えますが、利益が確保できている以上、早期に年68円まで復配してほしいと思います。減配は速いのに増配は遅いのは困ります…。

 米金利上昇ゼロコロナ政策で中国や東南アジアで金融危機の可能性も否定できませんが、国内は小売り大手イオンでのカード決済需要などが安定しています。FIREを目指す上では、株価低迷時は割安高配当株として活用し、株価上昇で配当利回りが下がれば売却する使い方が可能です。

FIREに向けたイオンフィナンシャルサービスの活用法

 イオン系銘柄は株主優待が魅力的なものが多いのですが、イオンフィナンシャルサービスは優待なしで、インカムゲインやキャピタルゲイン狙いになります。 そのため、高配当を受け取る銘柄としてFIRE時に分散投資の対象にできます。株価が低迷した際にも、増配が期待できる場合は「業績改善→増配→配当利回り上昇→株価上昇」の流れを見込んで、FIREの投資元本形成にイオンフィナンシャルサービスを活用するのも一案です。

 その他の期待点としては、イオングルーブならではの株主優待の開始や、親会社イオンによるTOBが考えられます。計算はできないですが、予想外の利益に繋がる可能性はあるので、一応念頭にはおいている感じです。 

FIREを目指す配当生活ファンドはイオンフィナンシャルサービスに投資するか?

 保有数:1700株

 今後の方針:株価推移を見て売却

イオンフィナンシャルサービスは、コロナショック時に大幅減配したのを見て購入しました。配当が元の水準(年間68円)に戻れば、配当利回り4%でも株価が1700円になるので、上昇が見込めるとの計算です。ただ、現実には配当を短期間で回復させる意志はないようですし、大きな成長が見込めるわけではなく、また注目度が急に上がるような小型株でもないため、状況を見て売却したいと考えています。

 親会社のイオンがTOBしてくれると一番良いのですが、確実性は全くありません。そのため、現実的には全体相場がリスクオンムードになった場合や、金融株が人気化した場合、業績予想の上方修正や増配が発表された場合などに株価が上昇すれば売却を進めようと思います。