2022年4月20日水曜日

近鉄電車を利用して近鉄GHDの株主総会(2017年6月)に行ったときの話

関西人が参加しやすい大阪企業の株主総会

2022年月22日にシェラトン都ホテル大阪で開催された近鉄グループホールディングスによる株主総会に参加してきました。近鉄電車のターミナル駅の1つ、大阪上本町駅からすぐの好立地です。
私は関西在住ですので、関西エリアで開催される株主総会にはちょくちょく参加することにしています。これまではダイドードリンコ(大阪)やDMG森精機(奈良)などの株主総会に参加してきました。近鉄GHDは今回が初めての権利獲得でしたので、当然ながら初参加となります。
印象に残った点は、鉄道事業(運輸事業)に関する質問が多かったことです。やはり近鉄電車を身近に利用しているがゆえに、個人的な感情も含めた意見が多く見られました。近鉄は奈良県を中心に、近鉄しか走っていないエリアを多くカバーしています。そのため、近鉄電車は生活に不可欠な交通インフラであり、利便性を高めてほしいと感じる株主が多いのでしょう。

平日開催は個人事業主にはありがたい

サラリーマン投資家の方にとっては、株主総会を土日に開催してほしいでしょう。しかし、教育業の個人事業主をしている身には、土日は休めない日です。そのため、株主総会の平日開催が多いことは大変ありがたいのです。副業として投資に取り組みやすいお仕事スタイルのようです。

株主総会に参加していて気になる点は、高齢者が参加者の大半を占めている点です。平日は仕事があるサラリーマンが多い日本社会とはいえ、FIREを目指す20代・30代など若年層の参加が極端に少ないのは、日本経済の将来にとって良くないと思います。

2017年近鉄GHD株主総会のお土産はシャープペンシル

 近年は廃止する企業が増えているものの、依然として多くの企業が総会参加者にお土産を配っています。2017年3月期株主総会のお土産はcocoonブランドのシャープペンシルでした。世代・性別を問わず多くの人にとって使いやすいので良いと思います。
ただ、お土産を配るならば、自社グループに関連のある商品にしてもらいたいものです。包装こそ近鉄百貨店のものが使用されていましたが、近鉄らしさのないお土産でした。鉄道好きの方も多いようですし、鉄道写真入りのクリアファイルを1つ配るだけでもよいので、近鉄らしさをもっと前面に打ち出してほしいと思います。
 このお土産ですが、コロナ禍で株主総会への参加者を抑制したい狙いや、株主間の公平性の観点から2022年時点で廃止されています。自社製品のファイルなどを配っても良いのにな、と少し残念です。

優待+配当利回りが3%近いので継続保有の方針も割安成長株投資に転換で売却

 近鉄GHD株はPERの観点からすると割高と言えます。しかし、配当利回りがそこそこ確保されていることや、優待利回りが(チケットショップで株主優待乗車券を売却すれば)高いことから継続保有の方針を取っていました。本音を言えば最低投資金額が40万円を超えているのでもう少し分散させたいところでしたが。
 事業の多角化&広域化を進めており、鉄道はもちろん、バスや百貨店、スーパーに不動産、直近ではレジャー施設の海遊館を子会社化するなど、すべての事業部門がそろって大コケすることは考えづらかったです。
 その後、割安成長株投資に転換した際に、成長力が乏しい銘柄と判断して近鉄GHDは売却しました。コロナ禍で観光業・運輸業が大打撃を受けることになり、近鉄GHDも赤字に転落したため、たまたまですが売却しておいてよかったです。

近鉄GHDは近鉄電車の値上げや新型車両導入が話題に

 2022年時点で、近鉄GHDの経営は苦しい状態が続いています。もともと有利子負債が多かった上、コロナ禍で需要が激減し、その後も社会環境の変化で通勤需要等が戻らないためです。中長期的な沿線人口の減少も苦戦要因でしょう。
 そんな中、近畿日本鉄道は2022年4月に値上げ申請を発表しました。大幅な運賃値上げであり、特に近鉄依存度の高い奈良県では知事が不快感を示すなど影響が大きいようです。大阪府などの都市部でも、メトロや阪神・阪急などと比べて割高感が強まるため、利用者から不満が出るでしょう。
 しかし、車齢60年近い老朽化した通勤車両が今も現役で主要路線を走る近鉄電車は、新型車両の導入が急務です。450両が廃車に向かいそうな中、車両への予算は1両1億円の目安で考えると廃車対象の半分もないため、減車も進むでしょう。ただ、投資家の視点からは効率的に鉄道事業を運営し、中長期的に利益を上げられる体質になる取り組みのため、値上げを歓迎すべきではないかと思います。
 足元ではFIREを目指して投資元本6000万円を狙った割安成長株投資ですが、将来的には再び近鉄GHDの株主になる機会があればと思っています。その時には、多くの人々に親しまれる近鉄の新型通勤車両に乗って株主総会会場に向かいたいですね。