2022年5月4日水曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-高配当株も株主優待は2024年3月廃止のオリックス(8591)

 ・オリックス(8591)の事業内容

 オリックスは、金融系事業を始め多様な事業を展開しています。リーマン・ショック時には株価が大暴落しましたが、その後は事業の多角化を進めるなどしてリスク分散を図っています。金融系以外の事業では、太陽光発電や物流施設の整備など、Eコマース拡大やESG投資の人気化など、近年のトレンドに合った取り組みが魅力的です。

 リース事業については、ロシアでの航空機リースがウクライナ戦争による影響を受けそうです。事業収益が減るだけでなく、リース中の航空機が回収できるのかどうかにも不安があり、注視が必要です。ただし、事業が多角化しているため、オリックスの経営を揺るがすような事態になることは想定していません。

 保険事業はよくオリックス生命のテレビCMを見かけるように思います。日本人は保険に入りすぎともいわれていますが、その分多くの保険会社が収益を上げられているのが実情です。今後も安定した収益に期待できるでしょう。

 プロ野球オリックス・バファローズの運営も行っています。昨年度はリーグ優勝を果たすなど注目度は高まっており、人気上昇で球団単体で多くの黒字を出し続けられるようになってほしいものです。ただ、大阪(兵庫)には大人気の阪神タイガースがあり、オリックスが阪神より人気になることはないと思います。それでも、近年はパリーグの人気が上昇していることから、オリックス・バファローズがオリックス全体にも好影響を与えてくれることを期待しています。

 関西3空港の空港運営事業については、コロナ禍でのインバウンド消失等が大打撃となっています。ただ、足元では国内旅行需要が高まっているほか、インバウンドも10年スパンで見れば回復余地は十分です。中期的には、2025年の大阪万博の際にアフターコロナになっていれば、インバウンドを含めた多くの旅行客が関西空港・伊丹空港等を利用することが見込まれます。ビジネス需要はコロナ後も完全には回復しないと言われていますが、人口減少が進む日本で観光産業は成長が期待できる数少ない分野であり、観光立国を目指す上で中国や東南アジアに近い関西3空港は成長が期待できるでしょう。

 事業投資部門については、利益の浮き沈みが起こりやすいです。ソフトバンクグループのような投資会社になっているわけではないですが、大規模損失が出るリスクもあるため、要注意の事業と言えるでしょう。 FIRE実現のために中長期投資を考えるなら、オリックスの事業投資部門が一時的に大きな損失を出して株価が急落する場面はチャンスと考えられます。

・オリックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.31%(2022年5月02日)

 PER=9.17倍

 配当性向=30%程度(2021年3月期)

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融系銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍程度

 オリックスはPERが10倍を下回っており、配当利回りが3%以上あることから割安高配当株に該当します。FIREを目指す上でポートフォリオに組み入れたい銘柄と言えるでしょう。ただし、PERについては金融銘柄ということで少し割り引いて考える必要があります。配当利回りについては三井住友FGなどの金融系グループと比べて見劣りしますが、配当性向が低いことや、2021年3月期は下限配当78円を設定しており配当金支払いに安心感があることなどから許容範囲だと思います。 

FIREに向けたオリックスの活用法

 オリックスは、リーマン・ショック時に業績が悪化した際、機関投資家から大量の売りを浴びることで株価が大暴落しました。その反省を活かし、中長期的にオリックス株を保有する個人投資家を大切にしていました。

具体的には、100株でカタログギフトの株主優待があり、お米やお肉といった食品も含まれていることから、生活コスト削減に繋がる内容でした。また、すみだ水族館京都水族館の年間パスポート引換券などもあり、ファミリー層などにも楽しんでもらえる工夫が好印象、3年以上継続保有の場合はカタログがアップグレードされる長期保有優遇も実施されており、極めて魅力的な株主優待の1つだったと言えるでしょう。

 しかし、オリックスは、2022年5月11日に株主優待制度の廃止を発表しました。個人投資家への影響の大きさを懸念してか2024年3月末権利確定までは継続とのことですが、魅力ある優待だっただけに大変残念です。割安高配当株ではあるため、FIREを目指す配当生活ファンドでも活かすことはできます。

 FIREを目指す配当生活ファンドはオリックスに投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:早期売却

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、オリックス 株を100株保有しています。カタログギフトの株主優待では毎年お米を選んで生活コストを削減できており、割安高配当株でもあることから基本的には継続保有の方針でした。しかし、2022年5月11日にオリックスは2024年3月末をもって株主優待制度を廃止することを発表しました。そのため、株価推移を見ながら早期に売却したいと思います。