2022年5月13日金曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-配当利回り6%超の割安高配当株アルヒ(7198)

 ・割安高配当株アルヒ(7198)の事業内容

  アルヒは、フラット35を中心とする住宅ローンを提供しています。ローンに関連する保険提供や住宅情報サービスなども手掛けています。基本的には、「フラット35の大手企業」と思っておくと良いでしょう。

 住宅ローン事業は、フラット35の人気に大きく左右されます。アルヒは、「アルヒスーパーフラット」というフラット35にしては低金利の住宅ローンを提供しています。そのため、フラット35の人気が高まれば、アルヒを選ぶ人が増加する流れです。

 短期的には、住宅資材の高騰や住宅ローン金利の上昇が逆風となるでしょう。金利上昇局面ではフラット35のような固定金利の住宅ローンが有利とされますが、足元では目先の安さにつられて変動金利が人気のようです。中長期的に固定金利の住宅ローンが盛り返せるかがアルヒの住宅ローン事業に大きく影響します。

 フラット35では、団体信用生命保険への加入が必須ではありません。1人暮らし世帯が増える中で、団信が不要と考える層が住宅ローンのトータル費用でフラット35を選ぶようになれば、金利情勢に関わらずアルヒが一定の人気を維持しやすくなるでしょう。

 保険事業などは、住宅ローン契約者1人からより多くの収益を得る上で重要です。フラット35で高いシェアを誇るアルヒですが、ネット銀行などとの競争は激化すると見られます。住宅ローン契約件数を伸ばすだけでなく、事業の多角化を進めることで業績成長を目指すべきですね。 

・アルヒはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=6.02%(2022年5月10日)

 PER=8.61倍

 配当性向=50%弱

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=3倍程度(2021年3月)

  アルヒは2022年5月10日に決算発表を行いました。減益決算となりましたが、来期は微増益予想であったことや、年間60円配当は維持されたことは好材料と言えそうです。PERが10倍を下回っている点から割安感もあります。

 アルヒ最大の魅力は配当利回りが6%超と高い点です。FIREに役立つ割安高配当株の筆頭格と言えるでしょう。配当性向も50%程度と無理のない水準で、減配さえなければ中長期的にFIREへの貢献が期待できます。

 また、2017年の上場以降、2022年3月期まで連続増配株となっていました。連続増配はストップしましたが業績が厳しい中でも減配しなかった点は、株主還元も重視するFIRE投資家にとって心強いと言えるでしょう。

 FIREに向けたアルヒの活用法

  アルヒは割安高配当株として、FIREに不可欠なインカムゲインをもたらしてくれます。配当利回りが税引き後でも4%以上ある銘柄は限られており、分散投資先の1つとして有力です。

 また、金利上昇に伴い固定金利の住宅ローンが人気化すれば、フラット35への注目度が高まることでアルヒの利用が伸びる可能性があります。働き方tが多様化する中で銀行ローンよりフラット35を選ぶ層が増加することも考えられ、中長期的な業績成長に期待です。

 アルヒの業績が伸びた場合は、増配による配当利回り上昇や、キャピタルゲインの確保も期待できます。FIREに向けて当初はアルヒをダブルバガー狙いの割安成長株とみていましたが、住宅市場の過熱感や金利上昇リスクも踏まえて、割安高配当株としての活用を軸に考えています。 

FIREを目指す配当生活ファンドはアルヒに投資するか?

 保有数:300株

 今後の方針:減配しない限り継続保有

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、もともとダブルバガー狙いでアルヒを打診買いしていました。アルヒが示す計画通りに業績が大きく伸びれば、株価も伸びると考えたためです。

 実際にはアルヒの計画は過大で、金利上昇で固定金利のフラット35が人気化しない限りダブルバガーには時間がかかりそうな情勢です。ただ、割安高配当株としてインカムゲインを得るには十分なPERと配当利回りのため、継続保有の方針です。

 住宅市場の先行きは不透明なため、買い増しは基本的に検討していません。相場暴落で株価が大崩れした場合には買い増しが視野には入りますが、その際には他により魅力的な割安優良株があるように思います。