2022年5月21日土曜日

FIREに必要な投資元本6000万円の貯め方3選。まずはサイドFIREの投資元本3000万円が目標に。

FIREに必要な投資元本は6000万円

 FIRE達成のためには、生活費を月20万円、4%ルール通りの利回りと想定した場合、6000万円もの投資元本が必要です。親からの相続や宝くじの一攫千金などが期待できれば良いですが、労働を苦痛に感じている人がこうしたチャンスに恵まれる可能性が高いとは言えません。

 しかし、FIREを目指して正しい方法を取れば、誰でも6000万円を貯めてFIREを実現できます。そこで、投資元本6000円の貯め方を3つ考えてみました。3つの方法のどれか1つを選んでも良いですし、組み合わせてより早期に労働からの解放を目指すのも良いでしょう。

FIRE資金6000万円の貯め方その1:キャピタルゲインで稼ぐ

 1つ目の貯め方は、投資家らしく投資で稼ぐ方法です。それも、キャピタルゲイン(株価の値上がり益)によって6000万円を狙う方法です。手元に一切資金がない人はできませんが、1000万円程度の貯蓄があれば、株式投資でキャピタルゲインを狙うことが可能です。1000万円程度の貯蓄が作れていない人は、「貯め方その3」の「労働収入を投資に回す」の項目を参考にしてみてください。

 キャピタルゲインで稼ぐといっても、チャートを見ての短期売買はハードルが高いです。投資で大失敗すればFIREが遠のき労働に縛られることになるため、信用取引も避けるべきでしょう。FIREを無理なく達成するには、確実性と迅速性のバランスを取ることが大切です。そこで狙いたいのが割安成長株と金融危機などの相場暴落です。

 割安成長株とは、PERが10倍程度以下と低く、売上や利益が右肩上がりの銘柄です。市場全体の成長が見込みづらい業種で光る個別銘柄が割安成長株の条件を見たい酢場合が多いです。キャピタルゲインの目安としては、ダブルバガー(2倍株)を想定しておくと良いでしょう。投資元本1000万円の場合、100万円で6銘柄程度に投資するくらいの集中投資がお勧めです。1銘柄がポートフォリオの10%を占めるくらいの集中投資が適度でしょう。

 ダブルバガーになる期間としては、2~3年以内を想定したいです。5年あれば600万円→1200万円→2400万円になることに期待できます。財務などにも注意し、想定が崩れた場合でも株価が暴落しない銘柄を選びます。必ずしも株価が2倍になるのを待つ必要はなく、1.5倍などから徐々に売却していくことも可能です。ただし、損小利大を徹底するため、売買頻度が多くなりすぎないように利益を伸ばすことは意識しましょう。

 割安成長株とあわせて活かしたいのが相場暴落です。リーマンショックやコロナショックの際には、業績に関わらず多くの銘柄で株価が急落しました。相場暴落時に売られすぎた銘柄を購入できれば、相場が元に戻るだけで大きなキャピタルゲインを得られます。私の体験談として、リーマンショック時は投資をしていなかったのですが、コロナショック時はJリートを多数購入し、1年以内に50%以上の利益を得られた銘柄が多数ありました。普段からポートフォリオに現金を10%から20%程度残すことを心がければ、暴落時にポートフォリオ全体の10%程度の利益を積み上げることは十分可能です。

FIRE資金6000万円の貯め方その2:インカムゲインを積み上げる

 FIRE資金を投資で貯める方法には、インカムゲイン(配当金収入)を積み上げる方法もあります。投資元本が1000万円を超えてくると、配当収入も軽視できない額です。配当利回り4%の場合年間40万円超を得られる計算になり、5年単利でも200万円です。実際には複利効果もありますし、他の方法で元本が増えればさらにインカムゲインも多くなるでしょう。

 FIRE資金を早期に貯めるには、インカムゲインよりキャピタルゲインが重要です。ただし、ポートフォリオに守りの銘柄を入れて置いた方が、心穏やかに投資に臨むことができます。強靭な精神力の自信がある方はキャピタルゲイン一本で良いですが、私は高配当株や優待株からのインカムゲインも着実に積み上げたいです。また、キャピタルゲインを狙う割安成長株からも副産物としてインカムゲインが入ってきます。

 ただし、インカムゲインだけでFIREに必要な6000万円に到達するのは困難です。資産が2倍になる年数の目安を計算できる「72の法則」によると、利回り4%で資産が2倍になるには18年かかります。1000万円→2000万円→4000万円となるのに36年かかる計算となり、労働から逃れられる頃には老人になっています。そのため、インカムゲインも計算に入れますが、FIREの種銭づくりの基本はキャピタルゲインと考えるべきです。

FIRE資金6000万円の貯め方その3:労働収入を投資に回す

 FIREを目指す人の多くは労働を苦痛に感じていると思います。しかし、苦痛だからと言って労働を完全に避けてしまうと、FIREへの道のりは険しくなります。特に投資元本が少ないうちは、収入を増やして支出を減らし入金力を高めることが極めて重要です。

 キャピタルゲインの項目でも触れましたが、FIREを目指すならまずは資産を1000万円にすることが大切です。生活費が月20万円の場合、手取り月30万円で最低月10万円は投資に回せるようにしましょう。先取り貯蓄はもちろん、無駄な通信費などの固定費を削減したり、住居費か自動車代のいずれかを大きくカットすることが重要です。

 月10万円を毎月入金すれば、8年程度で1000万円に到達できます。月10万円は最低ラインと考えて、追加で入金できるときはガンガン入金すべきです。FIREの早期達成には投資初期の入金力が極めて重要です。「5年で1000万確保、10年で3000万到達=サイドFIRE、15年で6000万到達=FIRE達成」くらいを目指すのが適度かなと思います。

 資産額が1000万円に到達した後も、月10万円ペースの入金は続けることが望ましいです。資産額2000万円でも月10万円の入金は年利6%で、インカムゲインより強いです。労働を削減するのは、金融資産3000万円以上のアッパーマス層に入り、サイドFIREを実現できてからにした方が良いでしょう。