・学究社(9769)の事業内容
塾事業については、少子化に伴う規模縮小が懸念されます。都立高校受験が強みということで、関東の都市部に校舎がありますから少子化の影響が本格化するのは少し後とは思います。しかし、経営においても無理な成長を追求するのではなく、着実に利益を積み上げている印象です。塾事業を長年継続してきたノウハウも活かしながら、安定した事業を実施できていると言えるでしょう。共通テストやオンライン授業への対応に期待して私立受験熱が高まれば都立高校受験市場が冷え込むこともあり得なくはないですが、都立高校には価格面でのメリットがあることや、これまでも安定した収益を上げてきたことから大きなリスクとは考えていません。
インターエデュ事業については、学究社の業績に占める割合は10%未満です。ただ、教育系の掲示板として一定の知名度があり、特に受験シーズンには多くの保護者などから書き込みが見られます。業績の足を引っ張る事業でもないため、今後も継続実施されることを望みます。
学究社で懸念される点としては、事業展開している地域が東京西部に偏っていることと、塾事業の一本足打法に近いことが挙げられます。急成長が見込める銘柄でもないため、集中投資には適さないと言えそうです。というのも、災害リスクや風評被害リスクなどで業績が急落する可能性は否定できないからです。学究社の堅実な成長を目指す姿勢は評価しているだけに、小規模でよいのでもう少し事業の多角化を進めてくれてもいいのかな、と思います。
・学究社はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?
配当利回り=4.66%(2022年4月28日)
PER=11.78倍
配当性向=60%程度(2022年3月期予想)
現金同等物÷有利子負債=0.6倍程度
利益剰余金÷当期純利益=2倍程度
配当利回りが高く、PERも標準的なため割安高配当株に該当します。FIREを目指す過程はもちろん、FIRE達成後も保有銘柄に入れておきたい内容です。配当性向がやや高めで、利益剰余金の余裕もあまり多くはないですが、業績が安定しているため過度な懸念は不要と考えています。また、2021年3月期からは配当を5円増額し年間65円配となっています。小幅ではありますが利益成長に応じて増配する姿勢は素晴らしく、FIRE達成後も保有する価値のある銘柄です。
成長性に関してはあまり期待していませんが、ひょっとするとインターエデュ事業が収益力を高められるチャンスがあるかもとは思っています。また、都立中高一貫校の増加などで中学受験部の業績が伸びることも考えられます。 中学受験事業の浮き沈みは合格実績に左右されやすいですが、enaは一定のシェアを持っており受験者数は確保できるため、他塾に合格実績を一気に奪われることはなさそうです。
・FIREに向けた学究社の活用法
・FIREを目指す配当生活ファンドは学究社に投資するか?
保有数:600株→100株
今後の方針:割安高配当株である限り継続保有
FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に学究社に投資しています。株主優待&高配当狙いで600株保有していましたが、現金比率を引き上げる目的で売却しました。優待+配当利回りが極めて高いため、100株は継続保有の方針です。株価・業績共に安定しているためFIREを目指す上で資産を安全に少し増やす効果が期待できます。