2022年5月8日日曜日

30代で元本6000万円FIREを達成する3つの方法をシミュレーションしてみました

30代で6000万円FIREを達成する可能性を考えてみた

 20代・30代でFIREしたい、労働から早く逃れたいと考える人が増えています。20代でのFIREは私も憧れるのですが、投資で得意な才能を発揮したり、親から資産を相続したり、極端に生活費を抑えるノマド生活を送ったりと、多くの条件が付きそうです。

 多くの個人投資家が特殊な条件なしに実現可能な目標は、30代で6000万円FIREだと思います。そこで、30代で6000万円FIREを達成する可能性について、3つの方法に分けてシミュレーションしてみました。

 前提として、

 ・相続や実家暮らしなど親への依存度ゼロ

 ・FIRE後の生活費は月20万円確保

 ・宝くじに当たる、年収1000万円稼げるなど運や平均以上の能力は無い

こととします。つまり、ごく普通の人が自力で6000万円FIREを達成するシミュレーションです。

月10万円の入金力を労働で確保することが大切

 FIRE投資初期に欠かせないのが、残念ながら入金力です。労働が苦痛でFIREしたい人にとって、一番つらい現実です。ただ、月10万円以上の入金力があればOKです。年収400万円程度あれば、生活費を抑えることで何とかなるでしょう。

 平均的な20代が年収400万円は少しキツイかもしれません。しかし、副業や、若さを活かした労働量の増加などで補ってください。5年頑張れば本格的なFIRE投資を始める1000万円を確保できます

 数年程度でも労働の苦痛が大きすぎたり、体力に自信がなかったりする場合は、生活費をさらに抑えるのも一案です。手取り20万円(つまり生活費10万円)であれば、20代の平均年収&平均労働時間レベルでも可能でしょう。

割安成長株でダブルバガーを狙いキャピタルゲインを蓄積

 資産額が数百万円程度になってきたら、割安成長株に投資します。5年以内にダブルバガー(株価2倍)を達成できそうな銘柄が投資対象です。「業績成長×PER修正」による株価上昇を狙います。

 ダブルバガー狙いの銘柄については、集中投資が最も効率的です。ただし、投資初心者で銘柄選定に自信がない場合は、時間をかけて多くの割安成長株を探し、分散投資するのもOKです。自分の投資スキルや心理的余裕に合わせて集中投資・分散投資を選びましょう

株式市場に10年いれば相場暴落チャンスに出会える

 株式市場では、相場暴落がたびたび発生しています。2000年以降でもITバブル崩壊・リーマンショック・コロナショックで相場が大暴落しましたね。このほかにも、ブレグジットやチャイナショックやウクライナショックなど、相場が崩れる場面がありました。

 このように、株式市場に10年いれば、たいていは相場暴落に出会えます。普段から現金10%~20%を確保し、相場暴落時には優良株を割安で購入しましょう。相場がもとに戻るだけで、大きなキャピタルゲインを得ることができます。「資産家は恐慌時に生まれる」と言われるように、「FIREへの道は相場暴落で開ける」です。

 実際、アベノミクス相場やコロナショックで資産額1億円を達成した「億り人」が多数報告されています。FIRE達成は元本6000万円なので「億り人」よりハードルは低いです。FIREを目指す配当生活ファンドでも、コロナショックの暴落時にJリートを中心に200万円程度のキャピタルゲインを確保できました。(結果論ですが、もう少し大型株を買っても良かったかな...)

元本6000万円FIREする3つの方法

 元本6000万円を30代で確保してFIREする方法について、具体的なシミュレーションをしてみました。

 1年目~5年目:投資元本1000万円の確保。FIRE投資初期は入金力が大切。5年頑張ろう。

 6年目~10年目:3000万円でサイドFIRE達成へ。割安成長株でダブルバガーを狙う。

 11年目~15年目:6000万円でFIRE達成へ。

の3つの方法に分けて、具体的な資産額の伸びを計算します。

30代で6000万円FIREする方法①―【1年目~5年目】投資元本1000万円を確保

 FIRE投資初期は、元本1000万円の確保を急ぎましょう。大切なのは入金力ですので、毎月10万円以上の入金が重要です。5年で投資元本1000万円を確保します。

 月10万円×12か月×5年=600万円

が最低ラインです。サラリーマンの方なら、手取り月収から10万円先取り貯蓄(投資)し、ボーナスを全額追加投入してください。

 (ボーナス=手取り月収20万円×3か月分)×5年=300万円

これで600万円+300万円=900万円になりますね。入金力だけでは5年で1000万円になりませんが、配当金収入を加えればほぼ達成可能です。投資初心者は売買に失敗しやすく、私も1年目はアベノミクス下でマイナスを記録しました。そのため、方法①ではキャピタルゲイン0という現実的なシミュレーションにしています。

 個人事業主など月給制でない方は、ボーナスがないです。そのため、労働時間を増やして月15万円(年180万円)の入金を目指しましょう。

 私の場合、資産額が初めて1000万円を突破したのが2019年です。投資を始めたのが2014年で、学生時代のフルタイムレベルのアルバイトの甲斐あって何とか5年で1000万円に到達できました。

 もし5年で達成できなかった場合でも、入金を重ねていれば確実に資産額は増えているはずです。FIRE投資初期が一番苦しいので、将来の快適なFIRE生活を目標に頑張りましょう。

30代で6000万円FIREする方法②―【6年目~10年目】3000万円でサイドFIREへ←今ココ

 元本1000万円を確保できたら、いよいよ資産成長を加速させます。5年程度投資をやっていれば、投資スキルもかなり高まっているはずです。割安成長株を選定して、2~3年でダブルバガーを狙いましょう。方法②では、5年かけて2回転させます。1年で2倍になる銘柄も出てくるかもしれませんが、株価が伸びない銘柄もあるでしょう。現金の確保も必要なので、下記が計算例になります。

 ダブルバガー(元本の40%投資):400万円→800万円→1600万円

 1.5倍株(元本の20%投資):200万円→300万円→450万円

 残念ながら停滞株(元本の20%投資):200万円→200万円→200万円

 現金(元本の20%確保):200万円→200万円→200万円

合計で、1600+450+200+200=2450万円となります。

 入金力も資産形成に貢献させ、

 入金:10万円×12か月×5年=600万円

を追加投資します。2450+600=3050万円で3000万円サイドFIRE達成です。投資元本1000万円確保を超えればボーナス(サラリーマン)、追加労働(個人事業主など)は入金しなくてもOKです!FIRE達成に近づいている実感が沸くでしょう。

 元本の40%(2~4銘柄)がきっちりダブルバガーになるのか疑問という方も多いと思います。しかし、

 ・入金額も投資に回せる

 ・配当金(インカムゲイン)も得られる

 ・相場暴落があれば現金チームがキャピタルゲインを生む

 ・最悪の場合ボーナス等、1~5年目に培った入金力を活かせる

 ・6~10年目には少しは年収が上がっている(かもしれない)

ことは計算に入れていません。割安成長株の株価の伸びが遅い場合は、上記でカバーしましょう。10年で3000万円サイドFIREの達成は十分可能です。

 FIREを目指す配当生活ファンドは投資7年半で1600万円程度となっており、2022年現在、方法②の真っただ中です。自宅購入の頭金に資金を取られ少し遅れていますが、その分ローンが減り入金力がアップしているので10年3000万円に向けて追い上げ中です。

 入金力を活かしたいことや、コロナ禍で相場暴落が起きた関係で米国株高配当ETFなども保有しています。投資家それぞれが状況に応じて、割安成長株一本ではなく高配当ETFを組み入れて守りの要素を強めるのも一案です。私の場合、FIREを1年早く達成できるチャンスを追うより、大失敗でFIREから遠ざかるのがイヤという心理なので、守りの要素強めです。

30代で6000万円FIREする方法③―【11年目~15年目】複利効果も活かし6000万円へ

 サイドFIRE達成後は、4%利回りによるインカムゲインの複利効果も高まってきます。割安成長株でのダブルバガー狙いとあわせて、6000万円FIREを5年で実現します。米国高配当株ETFや、サイドFIRE達成過程での連続増配株などを活かして、ポートフォリオ全体で4%の配当+優待利回りを実現しましょう。

 割安成長株(元本の40%):1200万円→1800万円→2400万円

 割安高配当株(元本の40%):1200万円→1200万円

 現金(元本の20%):600万円→600万円

 割安成長株は、2~3年でダブルバガーを狙いますが、現実的には1.5倍と想定しています。割安高配当株や相場暴落、IPO抽選参加による現金活用でのキャピタルゲインは0でのシミュレーションです。2400+1200+600=4200万円となります。

 4%のインカムゲイン:120~200万円×5年=800万円

 入金:10万円×12か月×5年=600万円

 入金は、方法②でサイドFIREを目指した場合と同様、月10万円入金にとどめます。インカムゲインは投資元本が増えるにつれて配当金収入が増加する計算です。4200+800+600=5600万円で、FIREまであと一歩ですね。

 サラリーマンの場合は、退職金をゲットすることでほぼ6000万円FIRE達成が可能と思います。個人事業主などの場合は、1~2年程度入金0で良いので配当を積み増せば6000万円FIRE達成です。

 方法①~③を行うのに15年~17年かかりますが、大卒でも37~39歳、高卒や大学在学中のアルバイトからスタートすれば33~35歳で6000万円FIRE達成となります。

 また、既に20代後半や30代前半の場合でも、

 ・年収が20代前半より高く月10万円以上の入金力がある

 ・貯蓄が0円でなく方法①の元本1000万円形成に5年かからない

 ・投資経験があり方法①の間もキャピタルゲインが得られる

など社会経験を活かせば、相続などの追い風を受けずとも巻き返して30代での6000万円FIREが可能です。