2023年4月9日日曜日

JT(日本たばこ産業)(2914)は配当利回り5%超の高配当株

 JT(日本たばこ産業)(2914)は配当利回り5%超

 JT(日本たばこ産業)は企業名の通り,たばこの販売を手掛けています。配当利回り5%超の高配当株の代表格として有名ですね。健康意識の高まりからたばこ需要は減少傾向ですが,依存性がある製品ということもあって需要には根強さもあります。斜陽産業ということで新規参入もなく,JTが国内市場を独占しており利益率も高いです。

 株価(2023年4月07日時点):2766.5円

 年間配当:(2023年12月期)188円

 配当利回り:6.80%

と配当利回りが5%どころか6%も超えています。2021年には減配がありましたが,その後は復配,増配となっており,高配当株としての地位を維持しています。減配を機に株価が2000円を割り込んだ局面がありましたので,その時に投資できていれば配当利回り10%という個人投資家の方もおられるでしょう。

JT(日本たばこ産業)の株主優待は廃止済み

 JT(日本たばこ産業)はサイドFIRE生活に入る過程で高配当株・優待株投資をしていた際に保有していたことがあります。株主優待として自社製品(確か3000円相当?)がもらえました。タバコ事業の将来性を懸念し「テーブルマーク」ブランドで行う食品事業の商品数セットから選択できる仕組みでした。JTの優待はパックご飯など備蓄に役立つ食品がもらえ,わずかながら家計の節約にもなるため魅力的でしたが,廃止されてしまいました...。JTとオリックスの株主優待廃止には大きなショックを受けた個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

 JTは株主優待廃止後も高配当株の地位を保っており,個人投資家の人気は高いです。フィリップ・モリスなどの海外たばこ株とあわせて保有している方も多いでしょう。JTの株主数は2022年12月時点で66万人もおり,FIREブームの影響もあり今後も高水準が続くと考えられます。株主数が多ければ総会の案内や配当金通知などの株主管理にコストがかかります。配当利回り5%超の高配当株はサイドFIRE生活において重宝しますが,事業の将来性は懸念されるため保有比率は通常通りにとどめています。

JT(日本たばこ産業)の減配リスクと将来性

 JTを含めた高配当株に投資する際に注意したいのが減配リスクです。減配で配当金が減少すると配当利回りが下がり,株価も下落して二重に苦しむことになりかねません。実際,JTは2021年に年間154円から140円へと減配しており,今後も減配リスクはあると考えるべきでしょう。

 最大の懸念材料はやはりたばこ市場の縮小です。海外たばこ事業のM&Aなどで規模縮小に抵抗してはいるものの,世界的に脱たばこの流れが強まる中で将来的な事業規模の縮小は不可避です。また,海外市場は足元で円安により利益が押し上げられている側面があり,円高が進んだ場合は利益が圧迫されます。

 JTはたばこ事業の縮小対策として食品事業を手掛けています。テーブルマークブランドは一定の知名度を確保していますが,大幅な利益を出すには至っていません。JTの食品事業はたばこ事業の10分の1以下の売上で,たばこ市場縮小への対策はさらに考える必要がありそうです。そもそもたばこ事業は利益率が高すぎるため,食品事業が成長し売り上げを伸ばしても利益面での貢献は小さいですね。たばこ以外の事業をM&Aで取得するのが一案と思います。

 一方,配当の原資となる利益剰余金は3兆円程度あり,純利益4400億円程度の7倍くらいに及んでいます。今後,多少の減配はあれど配当利回りが今の株価ベースで5%を大きく下回り続ける時期が近いわけではなさそうです。