2023年4月18日火曜日

株式分割で20万円高配当株となったナガセ(9733)は東進ハイスクールを運営

ナガセ(9733)は20万円で買える高配当株で東進ハイスクールを運営

 サイドFIRE生活ファンドでは,東進ハイスクールを運営するナガセを高配当株として保有しています。20万円弱で購入でき,分散投資に有用です。

 株価:1,955円

 PER:13.84倍

 配当利回り:5.12%

となっています。配当利回りが5%を上回っており,PERも標準的なので,典型的な割安高配当株ですね。

 東進ハイスクールといえば,鮮烈なCMが有名です。大学受験生などが在籍する高校部門が利益の柱で,小中学生部門やスイミングスクール部門が続きます。また,社会人向け教育も開始しており,リスキリングリカレント教育市場の拡大を取り込むチャンスがあるようです。

 学習塾系の銘柄では他に学究社(9769)を保有しており,かつてはウィザス(9696)にも投資していました。少子化で市場縮小も懸念される中,受験市場で確固たる地位を築けている銘柄,成長市場の取り込みを図っている銘柄を狙っていきたいです。

ナガセは2023年に株式分割を実施

 ナガセは2023年に株式分割を行いました。従来の100株→300株に分割されたことで単元価格が20万円以下に収まるようになりました。サイドFIRE生活の高配当株分散投資において,株式分割で単元価格が下がるのは助かります。

 ナガセの株式分割は,東証が目安とする単元価格10万円から50万円に収まっていなかったことに加えて,流動性を高める狙いもあると思います。4月17日の出来高は3,600株にとどまっており,分割後も流動性には課題があります。ただ,分割や増配により割安高配当株としてサイドFIRE生活での活用が進めば,次第にナガセの流動性も向上しそうです。

ナガセの将来性と減配リスク

 ナガセは衛星予備校などの形式を活用し,出店コストを抑えながら高校生部門の拡大を図っています。大学進学率が高水準になっている一方で,推薦入試の利用者が増えていたり,そもそも少子化で高校生が減っていたりすることから,今後,塾・予備校ビジネスが成長を続けることは難しいでしょう。

 サイドFIRE生活では,中長期的に安定したキャッシュ創出力を持つ高配当株への投資が大切です。ナガセについて,目先の安定感はそこそこありますが,10年後・20年後に業績を維持できているかは不透明です。業績の先行きが不安で減配リスクが高まる兆候には十分注意したいと思います。

 財務指標などは次の通りです。

  自己資本比率:33.9%(やや低め)

  配当性向:60%程度

  利益剰余金:228億円(純利益44億円の5倍程度)

となっており,自己資本比率がやや低いです。配当金は株式分割前の年額で,

 2021年:130円

 2022年:200円

 2023年:300円

と増配傾向が続いているため,いきなり減配はしないように思えます。ただ,財務的な余力が豊富とは言えないので,業績の変調や減配リスクには十分注意したいと思います。