2023年4月17日月曜日

20代セミリタイア(サイドFIRE)達成後の心境の変化

 先月,20代後半・資産額2000万円台前半でセミリタイアを達成しました。労働の苦痛を感じることも多かったですし,資産運用の方針も高配当株→割安成長株へと変化させながらの達成でした。セミリタイア達成後には労働を減らし,投資方針を高配当株と割安成長株のハイブリッドに変更しています。そこで生じた心境の変化についてまとめてみました。

20代セミリタイア(サイドFIRE)達成後の労働(仕事)に対する考え方

 20代セミリタイアで激変したのが労働(仕事)に対する考え方です。仕事がしんどいと感じている人には,いくつかのパターンがあると思います。

 ①今の会社が嫌(人間関係の問題)

 ②今の仕事が嫌(業務内容が合わない)

 ③働くこと自体が嫌い( ;∀;)

セミリタイアを目指す方でも①が多いようで,近年は転職や副業も人気になっています。私は個人事業主のため①や②の問題は生じにくく,③に該当していた感じです。実際,仕事内容は苦痛ではなかったのですが,仕事をすること,仕事に行くこと自体に嫌なイメージを持っていました。

 ただ,実際にセミリタイアを達成してみると,上記①~③のいずれでもなかったな,という印象です。

 ④働いて得た収入が人生の幸福に直結していない

 ⑤投資元本作りが仕事の主目的でやりがいを感じられない

あたりが実態だったように思います。④については,セミリタイア達成によって収入を直接的な生活の改善に繋げやすくなりました。⑤については,投資元本作りを主目的として採算を徹底的に重視するのではなく,お仕事のやりがい,面白さなどもしっかり考慮できるようになり,やりがいを感じやすくなっています。

 まとめると,セミリタイアによって,「労働→お仕事」になりました。めちゃくちゃ楽しいわけではないですが,苦痛の塊だったものに光が差している感じです。会社を辞めて後悔した...という人の気持ちが少しわかったように思います。いきなりFIREではなく,「ゆる労働+投資」のサイドFIREを経ることはやはり大事なようです。

20代セミリタイア(サイドFIRE)達成後の投資に対する考え方

 セミリタイアに伴い,投資に対する考え方も少し変化しました。もともとリスクを抑えた割安高配当株・優待株投資が主軸だったものを,運用利回りを高める目的で割安成長株投資にシフトしていました。セミリタイア後は再び割安高配当株投資に戻すつもりでしたが,実際にはハイブリッド型にしています。

 セミリタイアを目指す中で割安高配当株投資,割安成長株投資の両方を経験し,インカムゲインとキャピタルゲイン双方のメリットを体感することができました。これらをミックスさせる方が投資にもやりがいを感じられるのではないか,と思った次第です。労働については純粋にセミリタイアに必要な元本作りを目的としていましたが,投資はそもそも好きだったことが理由と思います。

 割安成長株投資も一部残すことで,

  ①業績伸長による増配で,成長株→高配当株の流れができる可能性がある

  ②投資スタイルの分散により環境の変化に対応しやすい

  ③キャピタルゲインも狙うことで運用利回りが高まる(FIREが近づく)

といったメリットがあると思います。

 もっとも,2つのスタイルで運用するには銘柄のチェック等の手間が2倍かかります。投資が好きではない,という場合は,セミリタイア後はインデックスファンドの積立や割安高配当株への分散投資だけを選ぶ方が良いかもしれませんね。

20代セミリタイア(サイドFIRE)達成後の生活リズム

 20代セミリタイア達成後には,生活リズムも少し変わりました。これまではお仕事の予定中心に回っていたのが,生活リズム作りを意識したスケジュールに寄ってきた感じです。

 従来:「今日は午前中にこの書類を完成させたい」→「起床は早めに」

    「16時から電車移動して外に出たい」→「買い物は午前中に」

    「出先から自宅に戻るのが20時を過ぎるなぁ...」→「夕食は遅く」

といった感じだったのが,

 セミリタイア後:「疲れているから少し長く寝よう」→「起床は遅めに」

         「暖かい時間に買い物に行こう」→「昼前後は仕事を入れない」

といった感じに変化しています。

 また,「体を動かそう」といった健康への意識も高まった感じです。健康でなければ資産が増えても楽しめない,といった声も聞きますが,私の場合は仕事を減らしたことで健康を考える心理的余裕ができたのかなと思います。

 インターネット通販を使う比率が減ったり,コロナ禍明けということもありますが,こまめに買い物に行ったりするようになって,むしろセミリタイア後の方が日常生活で体を動かす機会は増えています。座り仕事が多く,集中労働期間の方が超運動不足だった気もするのですが,あまり気になっていませんでした...。セミリタイアは経済的余裕だけでなく,心理的余裕ももたらしてくれることを実感しています。

セミリタイア(サイドFRE)先輩方の心理がわかったかも?

 セミリタイア(サイドFIRE)を目指す中で,先にFIREや配当金生活,セミリタイア生活に入った方の情報をブログや動画,TVなどで見聞きすることも多くありました。その際,心境についてのお話があまりピンと来ていなかったのですが,実際に20代でセミリタイア生活を始めてみると心理を理解できたように思います。

先輩方の心理①「セミリタイアは孤独」

 「セミリタイアは孤独」という意見が一番多いように思います。個人的にはこれが一番?だったのですが,実際にセミリタイアをしてみると,「全く働かない≒人との接点が極めて少ない」のはしんどいのかなという印象も持ちました。

 同僚・上司・部下などがいることの多いサラリーマンと違い,私は最初から個人事業主なので仕事で必要な人間関係は少ない方だと思います。フル労働時代はそれで何の問題もなかったわけですが,セミリタイアして心の余裕が生まれると,人間関係の意義を感じやすくなった印象です。

先輩方の心理②「お金が無くなる不安が増す」

 セミリタイアしたものの,お金が無くなる不安から使えない,あるいは実際に資産を失ってセミリタイア卒業という声も聞きます。個人的には,資産運用が好きなので,この問題は生じていません。ただ,家計が黒字になったら全部使うかと言われれば,一部を再投資に回してセミリタイアの継続可能性を高めたいと思っています。

先輩方の心理③「セミリタイアは退屈」

 セミリタイアするとやることがなく退屈,という意見も見られます。確かに,フル労働でなくなったので時間に余裕は生じています。退屈を感じる場面もなくはないですが,資産運用でやるべきことが増えていますし,お仕事量の調整も必要なので,今のところ退屈すぎることはないです。ただ,セミリタイア向けポートフォリオの管理に慣れ,フル労働時代のリハビリも済めば退屈さが生じるのでは?とも思っています。

先輩方の心理④「仕事を辞めなければよかった...」

 会社を辞めたことを後悔する意見も多いです。①~③との関連もありそうですね。私の場合,仕事の量を減らしただけで会社を辞めたわけではない(そもそもサラリーマンではないので)ため,この問題は生じませんでした。

 ただ,「会社を辞める」「セミリタイア生活開始」を同時に行えば,環境の変化が大きすぎてしんどいかも,という感じは受けました。まずセミリタイア生活(お金の使い方や資産運用の方針を調整)を始めてから,様子を見て会社を辞めたり,転職したりするのも一案でしょう。

セミリタイア1周年・5周年などで心境・生活の変化がどうなるか楽しみ

 20代セミリタイアを初めて約1か月,思いのほか心理的な変化が大きかったです。セミリタイア資金を労働と投資の両方で貯めてきたこと,個人事業主なので仕事を辞めたわけではないことから,今後の選択肢はそこそこあると思います。セミリタイア1周年・5周年などで心境や生活がどう変化しているのか楽しみです。