2023年4月15日土曜日

きずなHD(7086)が3Q決算を発表―葬儀単価回復で利益伸長に期待

 きずなHD(7086)が第3四半期決算を発表

 葬儀ビジネスを手掛けるきずなHDが3Q決算を発表しました。

 売上高:78億円(+14.6%)

 営業利益:9.5億円(+16.9%)

 純利益:527億円(+19.6%)

となっています。コロナ禍で一時的に減少した死者数が回復したことで葬儀件数が伸び,利益を押し上げています。

 また,コロナ禍で参列者が減少し葬儀単価が低下していましたが,2月・3月の月次実績では,それぞれ前年同月比+9.1%,+7.3%と単価が回復しています。出店が続き葬儀件数は右肩上がりが続くだけに,単価も上がれば業績成長が加速すると見られます。

 3Q決算説明資料を見ると,単価が回復した要因は,

  ①コロナ禍の緩和で参列者数が回復傾向

  ②オリジナルプラン比率の向上

のようです。①については,今後半年~1年程度は同様の効果が期待されます。②についてはどこまで継続できるか不明ですが,単価下落が続く中で「単価下落は歯止めがかかりそう」「オリジナルプランの販促を積極的に行う」「人員採用でオリジナルプラン販促を進める」等きずなHDが述べていた内容は妥当であった点は好材料と言えるでしょう。

きずなHDの将来性と配当開始時期の目安

 きずなHDは出店を継続しており,出店コストを負担しながらも業績が右肩上がりとなっています。団塊の世代が75歳以上となる中で,今後は死者数の増加に伴う葬儀ニーズの高まりが予想されます。直葬など葬儀の簡素化が進んでいるとはいえ,きずなHDではオリジナルプランを設定した高付加価値化を行っており,成長余地はあると言えるでしょう。

 一方,配当開始時期は未定です。出店を継続する限りは配当に回す資金は乏しいと見られます。出店余地がなくなってきた段階で配当が出始めるのでしょうが,その時には業績成長が曲がり角になっているかもしれませんね。

 ただ,2023年5月期業績予想では1株当たり当期純利益が95.2円あり,もし配当性向10%で配当を開始すれば9円~10円の配当になります。足元の株価が1307円なので,0.7%程度の配当利回りですね。これだと高配当株からは程遠く中途半端なので,記念配当を出すか,出店ペースが落ちるかしない限り配当開始はしないように思います。

 きずなHDについては,キャピタルゲイン狙いを軸としています。将来的に利益が伸びてインカム銘柄になる可能性も0ではありませんが,高配当株化を視野に入れるよりは,キャピタルゲインを十分に確保すれば利益確定する銘柄かなと思います。

きずなHDの企業名は少し紛らわしい...

 きずなホールディングスは,非上場企業の「絆ホールディングス」との混同に注意が必要です。しかも,「絆ホールディングス」で検索すると,全然違う企業が複数出てきます。

 きずなHD(7086,上場企業):葬儀事業

 絆ホールディングス(大阪):障がい者事業

 絆ホールディングス(東京):PR事業等

当初,きずなHDについて調べようと思った際,間違えて「絆ホールディングス(大阪)」のWebサイトを見てしまいました...。「きずなほーるでぃんぐす」をまとめて変換すると,「絆ホールディングス」となってしまったのが原因と思われます。ひらがなの「きずな」で入力し,「葬儀再生は日本再生」という社是が出てくるホームページが正解です。