2023年4月8日土曜日

ソフトバンク(9434)は配当利回り5%超でサイドFIRE生活に最適

 ソフトバンク(9434)は配当利回り5%超

 通信事業を手掛けるソフトバンクは配当利回りが5%超の高配当株です。サイドFIRE中に役立つ銘柄の1つですね。知名度も抜群で知らない人はほとんどいないでしょう。注意点としては、投資会社のソフトバンクGとは別物だという点です。ソフトバンクGは投資会社ゆえに利益変動が激しく,サイドFIREには適さない銘柄です。

 さて,通信会社のソフトバンクですが,

  足元の株価:1500円程度

  年間配当:86円

  配当利回:5.7%程度

の高水準になっています。ソフトバンクはなぜこれほどまでの高配当が可能なのでしょうか。

 まず,携帯通信事業が成熟している点が挙げられます。後発の楽天モバイルが基地局の整備費用がかさみ大赤字となっているのに対し,先行するNTTドコモ,KDDI,ソフトバンクは設備投資額を抑制することが可能です。設備投資の必要性が小さい分,利益の大半を配当により株主に還元している形です。実際,ソフトバンクの配当性向は80%程度と極めて高水準です。

ソフトバンクとKDDI,NTTの配当比較

 ソフトバンクが高配当なら,KDDIやNTTドコモも高配当株なのではないか,と考える方も多いでしょう。しかし,実際には配当利回りが5%を超えているのはソフトバンクだけです。

 まず,NTTドコモは親会社のNTTによって上場廃止にされました。NTT自体も連続増配を実施していますが,配当性向が50%以下のため配当利回りは3%程度です。もっとも,今後も連続増配が続けば原価ベースの配当利回りは高まります。サイドFIREからFIREを目指す中で,相場暴落があればNTTのような連続増配株は狙い目と言えるでしょう。

 KDDIについては上場を維持しており,NTTと同様に連続増配株ですが,こちらも配当性向が50%未満です。3000円相当のカタログギフト優待が高い人気を誇り,配当利回りも3%程度あることからサイドFIREファンドに組み入れている個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

 個人的には連続増配株をもっと多く組み入れていきたいとは思っていますが,株主優待はオリックスのように廃止される例が少なくありません。KDDIも株主数が30万人程度にまで増加しており,配送や事務手続き等を含めた優待コストがかさんでいます。優待廃止からの配当増額や,相場暴落による利回り向上があれば,連続増配株として狙っていきたいです。

 一方のソフトバンクですが,親会社へ配当の形で資金を回す意図があるのか,配当性向が極めた高い水準です。ただ,タコ配にはなっていない上,2021年3月期は前期比1円の増配を実現しています。わずかでも増配を行う姿勢は,サイドFIRE生活を送る上で高く評価しています。

ソフトバンクの減配リスクと将来性

 高配当株でも配当性向が高い銘柄は,FIRE生活をする上で要注意な投資先です。将来的な減配が発生すれば配当利回りが下がる上,株価も下落しやすくなります。ソフトバンクは配当性向が高いですが,減配リスクはないのでしょうか。

 まず,配当性向が100%を超えているわけではない点が安心材料です。今後も同水準の利益を確保できれば,年間86円配当を維持できます。

 懸念要因としては,携帯通信事業における値下げです。楽天モバイルの参入やahamo,povoなどの格安プランの導入,ワイモバイルやOCNモバイルなどの格安ブランドの伸長がソフトバンクの利益を押し下げやすくなっています。ただ,値下げによる利益下押しは一巡してきている上,ソフトバンクはワイモバイルを抱えていることもあって顧客のつなぎ止めは可能です。

 また,携帯通信事業以外にも,インターネット通販のヤフーを抱えています。インターネット通販の利用率はコロナ禍で大きく伸び,今後も巣ごもり需要の剥落で一時的に落ち込むことはあれど中長期的な成長が見込めます。そのため,携帯通信事業が値下げの影響を受けたとしても,通販事業など他の事業である程度カバーできると考えています。

 実績を見ても,2019年~2023年にかけてソフトバンクの1株当たり純利益は右肩上がりとなっています。景気変動の影響も受けにくく,年間86円配当は基本的に維持されるものと考えています。

 懸念材料をあえて挙げるとすれば,親会社ソフトバンクGの投資事業が大幅赤字を続けてしまい,子会社ソフトバンクの株式が売りに出されることはあり得ると思います。この場合,減配にはなりませんが株価下落が予想されます。ただし,サイドFIRE生活においてインカム狙いで投資する高配当株の場合,株価下落は買い増しのチャンスになりますね。