2022年5月7日土曜日

20代・30代でFIREを目指すならおすすめは集中投資?分散投資?

FIREを目指す投資家には集中投資と分散投資どちらがおすすめ?

 FIREやサイドFIREを30代や40代など早期に実現するには、労働による入金に加えて投資で3000万円~6000万円の元本に近づけることが大切です。そこで考えたいのが、集中投資と分散投資のどちらが望ましいかです。

 集中投資であれば1銘柄がテンバガーになるなど大当たりすれば、いきなりFIREを達成できるチャンスがあります。ただし、相場暴落などで資産を大きく減らすリスクも高いです。また、株価が伸び悩めば、資産額は増えたとしてもFIREには至らないでしょう。

 分散投資の場合は、株価が低迷する銘柄があっても、他の銘柄でカバーすることができます。投資の世界では「卵を1つのカゴに盛るな」と言われており、分散投資が基本です。しかし、20代、30代でFIREを実現し労働から逃れたい場合は、分散投資だと時間がかかりすぎることもあるでしょう。

 そこで、集中投資でFIREを目指す場合、分散投資でFIREを目指す場合のそれぞれについて、実現可能性や実現にかかる期間を考えてみました。

集中投資でFIREを目指す場合

 集中投資でFIREを目指す場合は、割安成長株への投資が望ましいです。PERが高く値動きの激しい新興株などを狙う方法もありますが、リスクが高いです。労働が苦痛で30代などでFIREを達成したい場合、1銘柄で大失敗しただけで生涯労働が確定するのは極めて不安でしょう。

 割安成長株に集中投資する場合、さすがに1銘柄に全資金を投入する投資家は少ないと思います。ここでは、投資元本1000万円を元手に、4銘柄に集中投資する場合、数年後の資産額を考えてみましょう。

 割安成長株1:200万円投資→ダブルバガー達成で400万円に

 割安成長株2・3:200万円投資×2→株価1.5倍で伸び悩みも300万円×2に

 割安成長株4:200万円投資→株価停滞で200万円のまま

 残金200万円は現金として相場暴落に備える(←かなり重要)

 この例では、1000万円が1400万円に伸びています。割安成長株を厳選し、2~3年でこの例のような株価推移を実現することは可能でしょう。直近IPO銘柄で株価が低迷したものや、成熟業界での成長企業などを狙えば、株価の下値を限定しつつダブルバガーを狙うことができます。

 数年で400万円資産額が伸びるだけではFIREには程遠いですが、月10万円程度の入金を継続すれば資産額はより早く伸ばせます。例えば、3年間月10万円を入金すれば、1400+360=1760万円になっている計算です。実際には入金力により新たな割安成長株を購入できるうえ、配当を出す割安成長株もあるので資産額はより大きくなります。

 今回の例では、1銘柄に投資元本の20%を投じる試算を行いました。実際にはもう少し分散して、1銘柄に10%程度を投資する場合でも、集中投資と言えると思います。投資タイミングについては時間分散が望ましいため、銘柄によって資金の10%~20%程度を集中投資すると良いと考えます。買い集めているうちに株価が上昇を始めた場合は、10%に達しなくても許容です。

 集中投資の場合、年利回りで15%程度が目標です。この利回りは株式の平均収益率7%の倍以上と高いですが、7%は大型株の影響が大きい平均値ですので、中小型株に多い割安成長株に限れば可能と思います。個人投資家が大きな利益を狙える中小型株を発掘していくと良いでしょう。

分散投資でFIREを目指す場合

 分散投資でFIREを目指す場合でも、配当金の複利効果で増やすだけでは不十分です。「72の法則」によると4%複利でも資産が2倍になるのに18年かかるからです。

 そこで、分散投資の場合でも割安株を狙うことになります。割安成長株を集中投資の場合より多く探して分散するのも良いですし、割安高配当株の値上がりを狙っていくのも良いでしょう。

 割安成長株への分散投資では、数年で50%程度の値上がりが見込める銘柄を多数見つける必要があります。リスク分散とキャピタルゲインの確保を両立し得る良い方法ですが、銘柄発掘に時間がかかります。時間に少し余裕のある個人投資家にオススメの方法です。

 割安高配当株への分散投資は、インカムゲインを確保しやすいメリットがあります。FIREに向けて着実に前進できるほか、FIRE後に資産を守るスキルも身に着きます。ただ、30代でのFIRE達成にはキャピタルゲインも不可欠です。そのため、割安高配当株への分散投資は、相場暴落時や権利落ち日など、株価が低迷したタイミングを強く意識しましょう。

 割安高配当株の選び方としては、配当利回り4%+株価回復10%強=年15%程度の利回りを目指したいです。この点は、集中投資の場合と同じですね。

割安成長株への集中投資がFIREへの近道

 20代・30代など早い段階でFIREを実現したい場合、割安成長株への集中投資が近道です。割安成長株は「業績成長×PER修正」によって一気に株価が上昇するチャンスが大きいからです。割安に放置されている中小型株から成長力のある銘柄を見付けたり、IPOセカンダリー投資で人気薄の銘柄を拾ったりすると良いでしょう。

 ただし、ダブルバガーを達成しても、投資元本が小さすぎると効果は限定的です。FIREを目指す投資家は労働を苦痛に感じている場合も多いでしょうが、最初は労働で収入を確保し、入金力を活かして投資元本1000万円程度を確保します。その上で、割安成長株への集中投資でFIREに必要な6000万円へと駆け上がっていきたいものです。

優待株や割安高配当株への分散投資はFIREへ向かう投資家のメンタルを支える

 FIRE実現には労働による入金力強化や投資の継続が不可欠です。労働にかかる時間や心の余裕度を踏まえながら、割安高配当株への分散投資~割安成長株への集中投資を選択しましょう。

 現実的には、FIREへの近道である割安成長株への集中投資を軸としつつ、優待株や割安高配当株にも分散投資することで、落ち着いた心理状態でFIREの元本形成に繋がる投資を行えると思います。FIRE達成後の投資ノウハウを同時に身につけることができるほか、相場暴落時にも株価がヨコヨコの銘柄を売却して極端な割安成長株を仕込む資金にも使えます。

 FIREを目指す配当金生活ファンドでは、

  ①割安成長株への集中投資:50~60%程度

  ②割安高配当株・米国高配当株ETFへの分散投資:30%程度

  ③相場暴落を待つ現金:10~20%程度

に資産配分しています。分散投資の部分で米国高配当株ETFを組み入れることで通貨分散とアメリカ経済の成長力を取り込む狙いです。少し分散投資への配分が大きいような気もしますが、この辺りは投資家それぞれがFIRE達成を目指す年代や入金力に応じて調整して良いでしょう。

2022年5月6日金曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-図書カード優待が魅力の東京個別指導学院(4745)

 ・東京個別指導学院(4745)の事業内容

 東京個別指導学院は、銘柄名からもわかる通り個別指導塾を展開しています。教育系のビジネスは少子化で苦しくなりがちですが、子供1人あたりの教育費は高水準であることや、個性に合わせた教育へのニーズが高まっていることもあり、塾、とりわけ個別指導塾は今後も一定の人気を維持できると考えています。

 「東京個別指導学院」ブランドでの関東エリア展開に加えて、「関西個別指導学院」ブランドで関西エリアでも個別指導塾を展開しています。全国の都市部に立地することにより、安定した収益を確保できると考えられます。個別指導塾については集団塾についていきづらい子供にも対応することができるメリットがあります。

 特に中学生の定期テスト対策や高校受験対策でのニーズが高いと考えており、校舎を多数抱えることで気軽に通いやすくなるでしょう。電車やバスに乗って通塾するのではなく、自転車で気軽に行ける個別指導塾になれればよいと思います。東京・神奈川に教室が160以上あるのに対して、大阪24教室・愛知8教室など差が激しいです。他の大都市圏にも出店を進めることで、個別指導塾の売上・利益が伸びる余地があるでしょう。

 個別指導塾以外については、文章教室科学教室などを展開しています。売上高の構成比は2%程度と極めて小さいです。ただ、校舎数も個別指導塾266に対して文章・科学教室は16と少なくなっています。今後、教室数が伸びれば売上・利益への貢献度は増すでしょう。親会社ベネッセ系列のため指導や教材のノウハウを活かせるほか、教育事業の中でも個別指導塾以外の比率を高めることができれば業績が安定しやすくなるでしょう。共通テスト導入などもあって思考力を幼少期から育てたいというニーズもあるため、堅実な成長に繋がる可能性があります。

 また、コロナ禍で広がったオンライン指導をうまく取り込めれば、個別指導部門の業績を伸ばしやすくなるでしょう。大都市のように校舎周辺に一定数の子供がいる地域だけでなく、少子化が進むエリアでも利益を確保できるようになれば業績に追い風が吹きます。

 

 ・東京個別指導学院はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.44%(2022年5月02日)

 優待利回り=2.5%程度

 PER=18.83倍

 配当性向=90%程度(2022年2月期)

 現金同等物÷有利子負債=∞倍(2021年3月)

 利益剰余金÷当期純利益=3倍以上(2020年2月期)

 東京個別指導学院は有利子負債がゼロであり、金利上昇リスクを無視できます。優待株や高配当株については減配や優待廃止のリスクに注意が必要ですが、東京個別については財務が良好のため不安は小さいです。FIREに最適な高配当株の1つと言えるでしょう。100株保有だと配当+優待利回りが6%を超える高水準であり、FIRE後のポートフォリオに残す確率が高い銘柄です。

 2021年2月期は配当性向が100%を超えましたが、コロナ禍で教室を閉鎖したことによる売上減少が主因です。オンライン対応が遅れたとの見方もできますが、黒字は維持できたことや、2022年2月期は業績が回復傾向で配当性向も100%を下回ったことから大きな問題ではないでしょう。そもそも配当性向が100%近いですが、財務が鉄壁で業績もコロナのような特殊要因を除けば検討ですので、むしろ逆境でも安定配当を出してくれる高配当株としての魅力が光ります。 

FIREに向けた東京個別指導学院の活用法

  FIREに向けて東京個別指導学院は優待+配当利回りを維持してほしいです。優待はカタログなのですが、1500円相当の図書カードを選択できるため実質的に図書カード優待と考えています。株価が3桁と安いため優待利回りが3%近くあり、100株保有のメリットが大きいです。投資額が小さくなるためFIREへの貢献度は極めて小さいですが、それでも地道な積み重ねが4%ルール達成に欠かせないため、東京個別指導学院も高利回りの優待株として活用すべきでしょう。

 配当面でも、2021年2月期には1株当たり純利益が4.7円しかなかったにもかかわらず年間26円配当を継続しており安心感があります。FIRE実現後に配当金生活をする際はすぐに減配する銘柄は避けたいですね。東京個別指導学院のように財務が良好な銘柄に分散投資することが大切になります。 

FIREを目指す配当生活ファンドは東京個別指導学院に投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:継続保有

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に東京個別指導学院を100株保有しています。上記の通り図書カード優待狙いのため、100株保有を継続する方針です。株価が多少上昇したとしても投資額が小さい分利益は限られており、機動的な売却はせず原則として継続保有したいと思います。 一方、株価が下落した場合は配当利回りが高まるため、追加投資の可能性もゼロではありません。ただし、全体相場が下落する局面では4%ルール達成よりもFIREに必要な投資元本6000万円の形成を優先するため、割安成長株を狙います。東京個別の買い増しは、個別要因で株価が一時的に下落した場合に限られます。

 2022年5月09日には、東京個別指導学院から第39回定時株主総会招集の通知が届きました。来年からは電子化されるとのことですが、フルカラー印刷で環境への配慮やコスト削減に逆行しているように感じました。株主還元姿勢は素晴らしいのですが、こうした小さなポイントは気になります。

2022年5月5日木曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-配当利回り5%超の高配当株三井住友フィナンシャルグループ(8316)

 ・三井住友フィナンシャルグループ(8316)の事業内容

  三井住友フィナンシャルグループはその名の通り金融系事業を展開しています。規模の大きい事業としては、銀行業、証券業、消費者金融業、カード事業などが挙げられます。

 三井住友銀行については言わずと知れた大手都市銀行です。三菱UFJ銀行みずほ銀行とあわせて3メガバンクと呼ばれています。銀行業はキャッシュレス決済の進展が進んでいることもあり、店舗やATMの維持コストがかさんでいます。三井住友銀行も対策を進めており、三菱UFJ銀行との共同利用ATMを増やしてATM削減を進める取り組みが一例です。メガバンクとしての知名度を活かして利益を確保することは可能と思いますので、店舗統合やAI活用などの効率化が着実に進むことを期待します。

 SMBC日興証券については暗いニュースも出てしまっていますが、大手証券の1つとして高い知名度を誇ります。IPOの主幹事を務めている場合も多いです。日本株市場は海外投資家からの関心が低下していると指摘されています。一方、日本では着実に個人投資家が増加しており、社会保障への不安が大きい現状では今後も投資家は増加するでしょう。SMBC日興証券を含めた対面型の証券会社でも、インターネットコースを利用すれば売買手数料を抑えることができます。「無料で買える宝くじ」と言われることもあるIPO抽選に参加し、IPO当選を狙うには主幹事証券会社での口座開設が重要です。SMBC日興証券もIPO投資に関心の高い個人投資家を取り込み、業績を伸ばしてほしいところです。

 クレジットカード事業については、三井住友カードが有名です。ブランド力は絶大なため、クレジットカードにステイタス性を求める人々にとっては三井住友カードの魅力は大きいでしょう。近年では楽天カードなどポイント還元率の高いカードが人気を集めていますが、三井住友カードも若年層向けのデビュープラスカードでポイント還元率を1%とするなど、ポイント還元による利用者獲得を意識しています。 

・三井住友フィナンシャルグループはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=5.43%(2022年5月02日)

 PER=7.92倍

 配当性向=40%台(2022年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融株のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍以上(2021年3月)

 三井住友フィナンシャルグループは、成長性への期待は持てません。銀行業は発展が見込みづらいですし、日本の国内人口は減少傾向です。クレジットカード事業や海外事業の伸びには期待していますが、大型株なので、大幅な成長は無理でしょう。したがって、割安高配当株には該当しません。

 一方、典型的な割安高配当株であり、配当金を着実に確保する上では欠かせない銘柄です。配当性向に無理がなく、増配傾向であることから多少業績が落ち込んだ場合でも安心して継続保有できます。2018年3月期は1株当たり純利益500円超に対して年間170円配でしたが、2021年3月期は1株当たり純利益 が400円弱だったのにもかかわらず年間190円配を実現しており、利益が伸びている場合に限らず、余力があれば増配を進めていく方針が窺えます。すでに配当金生活を実現している個人投資家の方で、日本株を保有されている場合は三井住友フィナンシャルグループはポートフォリオに入っている確率が高いでしょう。

FIREに向けた三井住友フィナンシャルグループの活用法

  三井住友フィナンシャルグループは割安高配当株なので、FIREに向けて配当金を確保することができます。また、金融株は景気変動の影響を受けやすいため、株価低迷期に購入できれば一定の値上がり益も見込めます。投資元本に対する配当利回りを高める観点からも、株価低迷期に購入することが極めて大切です。中長期的に大幅な値上がり益が見込める銘柄ではないため、株価が上昇してPERが高くなったり、配当利回りが4%を割るような水準になってくればあっさり売却するのが得策でしょう。 

 また、業績がヨコヨコであっても増配姿勢が見られるため、配当利回りが高まることで配当金収入が伸びるほか、増配が株価を押し上げる可能性もあります。FIREに向けて投資したい割安成長株が多く見られる局面では、株価が堅調な銘柄として現金比率を高める観点で売却する調整弁として活用することもできそうです。

FIREを目指す配当生活ファンドは三井住友フィナンシャルグループに投資するか?

 保有数:200株

 今後の方針:継続保有か一部売却

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、既に三井住友フィナンシャルグループを200株保有しています。配当利回りが5%を超えている点や、増配姿勢が見られる点を評価しています。ただし、大型株のためダブルバガーは期待しづらく、200株保有どまりです。今後は、金利上昇に伴う株価上昇が進む過程で売却も視野に入れようと思います。ただし、インフレに伴って中長期的に業績・配当水準が押し上げられるようであれば、FIRE達成後も高配当株としてポートフォリオに残してよい銘柄だと考えます。 

2022年5月4日水曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-高配当株も株主優待は2024年3月廃止のオリックス(8591)

 ・オリックス(8591)の事業内容

 オリックスは、金融系事業を始め多様な事業を展開しています。リーマン・ショック時には株価が大暴落しましたが、その後は事業の多角化を進めるなどしてリスク分散を図っています。金融系以外の事業では、太陽光発電や物流施設の整備など、Eコマース拡大やESG投資の人気化など、近年のトレンドに合った取り組みが魅力的です。

 リース事業については、ロシアでの航空機リースがウクライナ戦争による影響を受けそうです。事業収益が減るだけでなく、リース中の航空機が回収できるのかどうかにも不安があり、注視が必要です。ただし、事業が多角化しているため、オリックスの経営を揺るがすような事態になることは想定していません。

 保険事業はよくオリックス生命のテレビCMを見かけるように思います。日本人は保険に入りすぎともいわれていますが、その分多くの保険会社が収益を上げられているのが実情です。今後も安定した収益に期待できるでしょう。

 プロ野球オリックス・バファローズの運営も行っています。昨年度はリーグ優勝を果たすなど注目度は高まっており、人気上昇で球団単体で多くの黒字を出し続けられるようになってほしいものです。ただ、大阪(兵庫)には大人気の阪神タイガースがあり、オリックスが阪神より人気になることはないと思います。それでも、近年はパリーグの人気が上昇していることから、オリックス・バファローズがオリックス全体にも好影響を与えてくれることを期待しています。

 関西3空港の空港運営事業については、コロナ禍でのインバウンド消失等が大打撃となっています。ただ、足元では国内旅行需要が高まっているほか、インバウンドも10年スパンで見れば回復余地は十分です。中期的には、2025年の大阪万博の際にアフターコロナになっていれば、インバウンドを含めた多くの旅行客が関西空港・伊丹空港等を利用することが見込まれます。ビジネス需要はコロナ後も完全には回復しないと言われていますが、人口減少が進む日本で観光産業は成長が期待できる数少ない分野であり、観光立国を目指す上で中国や東南アジアに近い関西3空港は成長が期待できるでしょう。

 事業投資部門については、利益の浮き沈みが起こりやすいです。ソフトバンクグループのような投資会社になっているわけではないですが、大規模損失が出るリスクもあるため、要注意の事業と言えるでしょう。 FIRE実現のために中長期投資を考えるなら、オリックスの事業投資部門が一時的に大きな損失を出して株価が急落する場面はチャンスと考えられます。

・オリックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=3.31%(2022年5月02日)

 PER=9.17倍

 配当性向=30%程度(2021年3月期)

 現金同等物÷有利子負債=-倍(金融系銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍程度

 オリックスはPERが10倍を下回っており、配当利回りが3%以上あることから割安高配当株に該当します。FIREを目指す上でポートフォリオに組み入れたい銘柄と言えるでしょう。ただし、PERについては金融銘柄ということで少し割り引いて考える必要があります。配当利回りについては三井住友FGなどの金融系グループと比べて見劣りしますが、配当性向が低いことや、2021年3月期は下限配当78円を設定しており配当金支払いに安心感があることなどから許容範囲だと思います。 

FIREに向けたオリックスの活用法

 オリックスは、リーマン・ショック時に業績が悪化した際、機関投資家から大量の売りを浴びることで株価が大暴落しました。その反省を活かし、中長期的にオリックス株を保有する個人投資家を大切にしていました。

具体的には、100株でカタログギフトの株主優待があり、お米やお肉といった食品も含まれていることから、生活コスト削減に繋がる内容でした。また、すみだ水族館京都水族館の年間パスポート引換券などもあり、ファミリー層などにも楽しんでもらえる工夫が好印象、3年以上継続保有の場合はカタログがアップグレードされる長期保有優遇も実施されており、極めて魅力的な株主優待の1つだったと言えるでしょう。

 しかし、オリックスは、2022年5月11日に株主優待制度の廃止を発表しました。個人投資家への影響の大きさを懸念してか2024年3月末権利確定までは継続とのことですが、魅力ある優待だっただけに大変残念です。割安高配当株ではあるため、FIREを目指す配当生活ファンドでも活かすことはできます。

 FIREを目指す配当生活ファンドはオリックスに投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:早期売却

 FIREを目指す配当生活ファンドでは、オリックス 株を100株保有しています。カタログギフトの株主優待では毎年お米を選んで生活コストを削減できており、割安高配当株でもあることから基本的には継続保有の方針でした。しかし、2022年5月11日にオリックスは2024年3月末をもって株主優待制度を廃止することを発表しました。そのため、株価推移を見ながら早期に売却したいと思います。

2022年5月3日火曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-伊藤園第一種優先株式(25935)

 ・伊藤園第一種優先株式(25935)の事業内容

 伊藤園は「お~いお茶」ブランドが高い知名度を誇る飲料メーカーです。伊藤園やお~いお茶を全く知らない日本人はかなり少ないと思われます。日本の上場企業では珍しく議決権がない代わりに配当が多めにもらえる優先株を発行しています。個人投資家の場合、議決権を重視する人は少ないでしょうから、伊藤園のように優先株を発行する上場企業が増えてほしいですね。

 緑茶事業は、ギネス登録を受けるなど国内で高いシェアを誇っています。ただし、キリンやコカ・コーラ、サントリーなどの茶系飲料も検討しており、シェアの維持には一定のコストがかかると考えています。一定の利益を維持できるのであれば、無理にトップシェアを守ろうとしなくても良いようにも感じます。

 緑茶以外の飲料事業については、「健康ミネラル麦茶」などの茶系飲料の他、タリーズブランドを活かした甘みのある飲料なども製造しています。伊藤園のラインナップは緑茶飲料に偏りすぎているため、他の飲料事業を伸ばすことが急務です。自動販売機向けの輸送ネットワークなどは緑茶飲料でトップシェアの伊藤園がスケールメリットを活かせる分野のため、茶系飲料以外については逆に価格面での魅力を訴求するところから始めていくのも良いでしょう。

 伊藤園はタリーズコーヒーの運営も行っています。コロナ禍で大苦戦してきた事業ですが、アフターコロナ時代においては喫茶店需要の回復が見込まれます。また、タリーズブランドを活かすことで、緑茶以外の飲料市場でシェアを高めるチャンスに期待です。逆に、茶系飲料の製法などを活かしたドリンクをタリーズの店舗で積極展開するなど、相乗効果を意識した戦略を望みます。

 海外では北米事業を展開しています。人口減少で国内市場の拡大を見込みづらい中、海外事業を展開していることは評価できます。日本ならではのブランド力を活かした、堅実な事業成長に期待です。 インバウンド回復などで日本への関心を高めることができれば、緑茶を日常的に飲む外国人が増加することで、海外事業の成長につなげやすくなるでしょう。

・伊藤園第一種優先株式はFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=2.62%(2022年5月02日)

 PER=13.13倍

 配当性向=-%(優先株のため)

 現金同等物÷有利子負債=10倍以上(2021年4月)

 利益剰余金÷当期純利益=10倍程度

伊藤園第一種優先株式は、普通株の25%増しの配当がもらえます。ただし、足元では配当利回りが2%台半ばであり、高配当株には該当しません。また、PERを見てみると割高ではないですが、割安感も今一つ、成長性にも大きくは期待できません。ではなぜFIREを目指す配当金生活ファンドに向いているかといえば、財務が良好であること、ディフェンシブ銘柄であること、後述のように株主優待があることが挙げられます。ポートフォリオのリスク分散に役立つ、堅実な銘柄と言えるでしょう。 

FIREに向けた伊藤園第一種優先株式の活用法

 伊藤園第一種優先株式は、FIREを目指す上でリスク分散に活用しています。現金比率を高めておくことだけでなく、株式においても最低限の分散を行うことで、ポートフォリオの急減を防ぐことが可能です。割安成長株など攻める銘柄については、1銘柄当たりポートフォリオの10%前後などとし、ディフェンシブ銘柄は1銘柄当たりポートフォリオの1%程度とするなどメリハリをつける上で役立ちます。

また、伊藤園第一種優先株は4月末を権利確定月として、自社製品(飲料セット)の株主優待がもらえます。1500円相当の伊藤園飲料であり、10種類程度の缶飲料などがもらえるようです。優待株は株価の下値が堅くなるほか、投資をしているメリットを強く実感しやすい仕組みです。FIRE実現には一定の時間がかかるため、守りの銘柄では優待株も組み入れて、投資に対するモチベーションを高めると良いでしょう。 

FIREを目指す配当生活ファンドは伊藤園第一種優先株式に投資するか?

 保有数:100株

 今後の方針:ポートフォリオの現金比率により売却検討

伊藤園第一種優先株式は、FIREを目指すポートフォリオの守りの銘柄です。そのため、ポートフォリオの現金比率が極端に低い場合は売却するのもアリだと思います。FIRE実現のためにはキャピタルゲインを多く得ることも不可欠なため、伊藤園第一種優先株のような守りの銘柄を買い増しすることは考えていません。あくまでも最低単元の100株保有で自社製品の株主優待+普通株×1.25倍の配当をコツコツ得ていくことが良いと考えます。

2022年5月2日月曜日

FIREを目指す配当生活ファンドの保有銘柄・注目銘柄-割安高配当株ジャックス(8584)

 ・ジャックス(8584)の事業内容

 ジャックスは金融事業を手掛けています。取り立てが厳しいとの声もありますが、その分良質な債権を維持できているともいえるでしょう。景気変動の影響を受けやすい業種ではありますが、堅実な成長が見込めると考えています。

 クレジットカード事業については、JACCSカードを発行しています。大きくカードの人気が高まることは考えにくいですが、安定した収益源になるでしょう。また、日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れており、今後もキャッシュレス決済比率は高まると考えられます。クレジットカード市場全体が伸びる中でシェアを維持できれば、JACCSカードでの決済額も伸びることが期待できます。

 オートローンなどの各種ローン事業については、金利変動の影響を受けやすいです。ただ、インフレが発生すればローンを組む人の割合が増えたり、借入額が大きくなったりする可能性もあり、インフレに強い事業と考えられます。 FIREではインフレで生活費が上昇するリスクをヘッジする必要があるため、インフレに強い事業を展開する銘柄は魅力的です。」

 金融事業を展開するジャックスの注意点としては、金融危機が生じた際にはいくら債権が良質といっても不良債権化するリスクがあります。また、リーマン・ショック級の金融危機の場合は、債権の質は考慮されず、金融銘柄として一律に売り込まれる可能性も否定できません。FIREを目指す上で割安高配当株は魅力度が高いのですが、かつてのオリックスのように株価が大暴落する可能性もあり、投資比率は投資指標の割に少し控えめにしておく必要があると思います。

・ジャックスはFIREに最適な割安成長株・高配当株に当てはまるか?

 配当利回り=4.85%(2022年4月28日)

 PER=6.24倍

 配当性向=30%程度(2022年3月期予想)

 現金同等物÷有利子負債=***倍(金融銘柄のため無視)

 利益剰余金÷当期純利益=8倍程度(2022年3月期予想)

ジャックスは配当利回りが高く、PERも低い典型的な割安高配当株です。金融株は景気変動の影響を受けやすいこともあり割安な銘柄が多いですが、ジャックスは特に割安と言えるでしょう。好調な業績を背景に増配も実施しており、FIREに最適な銘柄と言えそうです。東南アジア地域などへの進出が国内の停滞を補えれば、今後も業績アップ&増配に繋がります。

  ・FIREに向けたジャックスの活用法

  FIREを実現するためには、ポートフォリオの配当利回りを高めることが重要です。成長株に投資して元本を大きく増やすことの方が大事なのですが、値動きの激しい銘柄への投資は難しいため、ジャックスのような割安高配当株にも積極的に投資しています。割安高配当株であれば、株価が横ばいでもFIREに必要な配当金を積み上げることができますし、割安感が解消されれば売却してキャピタルゲインを得ることも可能です。減配リスクに注意しつつ、適度に分散投資もしながらジャックスのような高配当金融株でFIREに一歩近づきたいです。

 また、FIRE 達成後も金融株は高配当株として継続保有する必要があります。FIRE実現後は分散投資を徹底することが大切であり、FIREに必要な投資元本6000万円を確保する過程で出会った割安高配当株については、売却後も業績動向をある程度把握して気体と思います。ジャックスのように、業績が良い場合には配当をしっかり出そうとする姿勢を持った企業は、FIRE後も配当金生活に役立ちます。 

FIREを目指す配当生活ファンドはジャックスに投資するか?

 保有数:500株→400株

 今後の方針:株価上昇を待って一部売却→高配当株として一部継続保有?

FIREを目指す配当生活ファンドでは、割安高配当株で目先の業績に大きな不安がないことからジャックスに投資しています。ただし、金利上昇リスクなどの影響で業績が徐々に厳しくなる可能性もあり、株価上昇局面では少しずつ売却したいと思います。ただ、配当利回りが高いため、高配当株として100株などを継続保有することも一案です。 直近でぇあ、2022年4月に業績の上方修正と増配を発表した際に100株を売却しました。まだまだ割安なのですが、FIRE実現に向けて投資したい銘柄が多数あり、ポートフォリオの現金比率も低かったことから一部売却に至りました。

2022年5月1日日曜日

【配当利回り6%超の高配当株】高い利益率を誇るJT(日本たばこ産業)(2914)だが株主優待は廃止...

国内高配当株JT(日本たばこ産業)【2914】の投資情報

配当利回り(税引き後):6%超(2022年5月)
配当性向:75%程度(2022年12月期)
最低投資金額:約20万円
営業利益率:20%台
株主優待(パックご飯、水など、年2回)は廃止
保有株式数:100株→0株(割安成長株重視に転換したため売却済み)

JT(日本たばこ産業)【2914】は、配当利回りが極端に高い銘柄です。配当性向の高さは気になりますが、タバコという依存性の高い製品の市場を寡占していることから、利益率が高水準となっています。利回りの高さと安定性から、JT(日本たばこ産業)は高配当株に投資するFIRE後の銘柄として適しています。

国内高配当株・JTは株主優待品の到着も楽しみでしたが...

配当金生活ファンドでは、大型高配当株の1つとしてJTを保有していました。タバコ市場は健康への影響が懸念されていることもあり急速に縮小していますが、海外市場の拡大を進めることで利益を確保しています。ただし、ウクライナ危機によりロシア事業の先行きが不透明なことなどから、JTの海外たばこ事業の衰退が懸念されます。

最低投資金額が約20万円程度のJTは年間配当が150円でして、税引後でも5%超の配当利回りす。株主優待の廃止で零細個人投資家には逆風ですが、配当をしっかり出そうという姿勢は継続されています。ただ、株価は低迷しており、投資家はJTのたばこ事業について、将来性を大いに懸念していることの表れですね。

JTは高配当に加えて株主優待も実施していました。株主優待では自社製品(食品)をもらうことができ、配当金生活ファンドでは、レトルトのお粥・パックご飯のセットを複数回いただきました。生活コストを削減できる魅力ある優待品で、高配当株&優待株としてJTを重宝していただけに残念です。

普段はパックご飯を食べる習慣はないのですが、災害への備えに役立つため有意義な株主優待だったと思います。自社製品を優待品にすることで、たばこ事業以外への取り組みを株主にアピールできることから、株主優待の活用法としては優れているのかなと思います。それでも、配送コストがかさむほか、先行き不透明なたばこ事業から高配当を継続するためにも、やむなくJTは優待廃止に至ったのでしょう。

たばこ市場成熟のためM&Aを含め食料品事業の拡大に期待

海外たばこ市場で利益を確保しているJTですが、いずれは限界が来ます。そのため、新事業の育成を急いでもらいたいところです。

期待できる事業は食料品事業でして、すでにテーブルマークのブランドでかつては株主優待品にもなっていたパックご飯などを提供しています。今後はさらに商品ラインナップを増やし、非常食になりそうなものを中心に着実にシェアを拡大してほしいと思います。

また、多くの利益をベースに海外たばこ市場でM&Aに積極的ですが、食料品事業などでもM&Aを有効活用してほしいところです。今後10年程度の間に、たばこ事業への依存度を今よりも下げて、事業リスクを分散させてくれれば、FIRE後の個人投資家が長期保有しやすくなると思います。